第4話「ミナ姉」
20XX年4月11日8時52分。流造荘(氷川の自宅)。
「「「君を守るために集まったんだ!」」」
「え??」
「まったく。困っちゃうな。白虎君は・・・。」
「でも、皆さんに迷惑が掛かります。」
「何言ってのよ・・・。」
「まったくだ・・・。」
「そうだぞ、白虎君。」
「俺らはいつも氷川のしりぬぐいばっかやってる。だからこんなの慣れっこだ。」
「え???」
僕らはご飯を食べて外に出た。僕は帽子をかぶっていった。
「ちなみにこれからどこへ向かうんですか?」
「ん~~???これから僕らの仕事場さ。」
「仕事場ですか・・・。僕は行って大丈夫なんですか?」
「あぁ、それは大丈夫だ。内務省とはいえ俺らの仕事場はただのオフィスだ。」
少し不安な気持ちはあったがこの人たちの言うことは信用していこうと心に決めていたのでついて行った。
20XX年4月11日9時50分。横浜オフィス街。
「さぁ、白虎くん。ついたよ。」
見上げると、雑居ビルの3階に「内務省能力者保護係神奈川県支部」と書かれた看板があった。エレベーターを昇り、入り口にも書かれていた。その扉を開けると、受付の女性が掃除をしていた。
「おはようございます。あら、、、皆さんお揃いで。」
「まぁ、これにはいろいろあって。」
「そのいろいろというのはそちらですか?」
「うん、白虎。自己紹介をしてくれ。」
「はい。西野白虎といいます。氷川さん、寒川さん、鹿島さんに助けてもらいました。よろしくお願いいたします。」
「よろしくね、、、トラチャン。」
初めてそんな呼び方をされた。しかも、頭をなでられた。母性という言葉はこの人のためにあるのだと思った。
「トラチャン???」
「白虎くんだからトラチャンよ。」
「ははは、さすがミナミだよ。」
「な~~によ、、、トラチャン私は土御門湊魅(つちみかどみなみ)っていうの。ここで受付を担当してるわ。ミナ姉って呼んでね。」
「はい、よろしくお願いいたします。・・・。ミナ姉・・・。」
「はぁぁぁっぁぁっぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁx!!!!!失神しそう・・・。」
「大丈夫ですかぁぁぁ!!!」
「大丈夫だよ、白虎。その呼び方誰もしてないし。」
「私にだって妹がいるわ。あなたたち、同期にされてもいやよ。」
こんなにぎやかな場所に来させてもらえてとてもよかったと思った。
「そういえば、こんな張り紙があったわ。」
土御門さん(ミナ姉)が見せてきたのは、僕の指名手配写真だった。
「もう刷られてんのか。こういう時だけ警察は・・・。」
「なぁ、土御門。これ追ってるのは??」
「第4課の扉間と第1課の大上だってさ。」
「ほう。。なんでその二人なんだ。」
「わからないけどリーダー格が追ってきてないのを見るとまだ大丈夫なのでは。」
「まぁ、そうだな。」
「あの・・・。」
「どうしたの??トラチャン??」
「やっぱり僕は・・・」
「大丈夫よ。ここにいる人たちはあなたの味方よ。」
「あぁ、心配しないでいいわよ。」
「俺らはお前ひとりを守れるくらいの力はあるんだ。」
「白虎君。僕は君と会って、君を守ると誓った。だから僕のそばにいたほうが、いてくれた方が守りやすい。」
「氷川さん」
「それに。ここにいるメンバーは誰よりも強い。」
「だから、大丈夫よ。トラチャン。」
ほんとうにここにいていいのだなと思った。
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