九十九異能者物語 “宵寅”

白木飛鳥

第1話「The Beginning of Change」

20XX年4月10日19時15分。横浜本牧第3埠頭。


「This is the kid in question, right?」

「that's right.」

「Are you really a parent at all?」

「What are you going to say now? This horrible person is not our child.」

「That's right. You're crazy.」


(何か聞き覚えのある声が話してる…。父さんか?)


「So where is the promised money?」

「Well, don't panic. First, I'll decide on the total price after I see this guy's face.」

「Okay, but please hurry. I might wake up.」

「Yes, yes, which one, what kind of cute face is it?」


(目は開けられない…。でも何かに触られている。父さんの手ではない。)


「wonderful. What a cute face. I want to put a collar on it and keep it as a pet.」


(さっきからなんで英語で話してるのだろう…。)


「So how much can this one sell for?」

「Hmm, maybe 300 million?」

「300?」

「Ah, that's right.」

「That can't be true. Are you making fun of me?」


(なんかもめてるのか・・・?)


「Did you originally intend to deceive me?」

「What do you mean? Isn't that the one who came even though you didn't say the price?」

「what? Then I'll pretend this story never happened! I'll take this one home.」


(ん…。痛い…。でも今度は父さんに抱えられた気がする)


「Well, Atsushi. Think again.」

「待ってなにになる?」

「There's no way I'd let such a top ball escape, right?」


バン!(銃声の鳴る音)


「う!」


(痛い!)


「待てっ!なにをする…?」

「アナタニハシンデモラウゾ?アツシ」

「くっ!こうなったら…」


ビリ!パシッ!(顔についていた目隠しがはがされ顔をたたかれた)


「おいお前!あいつを殺せ!」

「父さん…?何を言ってるんだ…?殺せ??」

「いいから早く殺せ!!!」


顔を殴られ続ける。


「父さん痛いよ…」

「この役立たずがぁ!!!!」


・・・・・・・・・・・・・。



20XX年4月10日19時00分。内務省能力者保護係神奈川県支部。


「おい、氷川。本牧ふ頭でなにやら海外マフィアと売人が取引をし始めるとの通報だ。」

「えぇぇ~いまから出動かぁ。鹿島君、行ってきてよ~」

「いいのか?お前?給料減らされるぞ?」

「僕は金のために動くような人間ではないよ?」

「なぁ、寒川。こいつの来月の給料って・・・」

「いまのところ・・・0ね」

「え!なんで・・・?」

「なんでってお前・・・。業績0どころか、、、マイナスだろ?」


「俺一人で行ってくる!鹿島君、寒川さん、来ないでね!!」


バタン!(ドアの閉まる音)


「まったく、大丈夫か、あいつ。」

「武蔵らしいじゃない。」



20XX年4月10日19時30分。横浜本牧第3埠頭。


「待て!白虎!俺ではなくあいつをやれ!」

「What kind of strength is this? Why can't bullets be used against it?」


(呼ばれてる?でもなんか遠いというか小さいというか…。)


「はく・・・」


ふと気が付くと父さんと外国人が血を流して倒れていた…。


「父さん!」

「お父さんに近づかないで!化け物・・・!」


振り返ると母さんが立っていた。母さんの手には拳銃があった。


「母さんがやったの???」

「何を言ってるの?あんたが父さんをやったのよ」

「僕が父さんを??」

「そうよ・・・」


バン!バン!(連続で母さんが拳銃を打つ)


「痛いよ!母さん!」

「やめて!近づかないで」


気が付くと母さんも倒れていた。放心状態でいると警察のサイレンが聞こえてきた。

僕はなにか不安な気持ちになりその場を後にした…。



20XX年4月10日19時45分。横浜本牧第3埠頭。


「さて、このへんで…ん?」


自分が見たのは死体だった。しかもまるで巨大ななにかに引っかかれてような大きな傷を受けていた死体。1つは男。1つは女。1つは外国人らしきもの。見るも無残なものだった。


「なにがあったんだ・・・?」

「貴様!そこでなにをやってる?」


振り返ると見知った顔があった。


「って氷川さんじゃないですか?まさか氷川さんがその三人を!?」

「なわけないだろう?」

「…ですよね」

「君が来たってことは警察もこの密輸騒ぎを?」

「いえ、本牧ふ頭で大きな白い化け物がうなり声をあげて暴れてるとの通報を受けて…」

「???」

「僕もわかってないし…」

「そうだろうな・・・というか、君一人で出動?」

「まぁ、僕は暇人だし…」

「それは僕も一緒だ。だが、これはなにか怪しいし危険なにおいがする。」

「え?」

「君一人じゃ、対応しかねる。鑑識や応援を呼んだほうがいい。僕は帰るとしよう…。」

「はい!」


彼と別れてから、また調査を開始した。

ふと下を見るとなにかが通ったあとが残っていた。

それを頼りに歩いていくと『本牧ふ頭第4ビル』にたどり着いた。


「誰かいるのか??」


沈黙が続いた。


「いるわけないか。」


帰ろうとすると奥のほうからなにかの気配を感じた。

中を見に行くとやはり誰かがいる。


「・・・けて。・・・で。」


何かを言ってる。


「どうした?どうしてこんなところにいる?」

「・・・ろさない?」

「何もする気はないぞ?君と話したいんだ」

「ほんと・・・に?」

「ほんとさ、ほら、なにも俺は持ってないだろう?」


すると、なにかが赤い目でこちらを見た・・・。

数秒たってからなにかがこちらに近づいてくるのであったがこの気配にふさわしくないほどの少年が目の前に現れたのだった。


「君の名前は?」

「西野白虎(にしのはくとら)です。」

「白虎くんか。僕の名前は、氷川武蔵(ひかわむさし)だ。よろしくね。」

「あなたは僕を傷つけないですか?」

「あぁ、傷つけはしない。・・・。だから、君の話を聞かせてくれないか?」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「いますぐじゃないくてもいいんだ。きみがしゃべってくれるようになるまで僕は待ってるよ。」



この話は、この西野白虎がこの腐った世界を変える物語である。

ただそれは、もう少しあとの話…。

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