お前の召喚に巻き込まれたんだ!~爆乳ギャルとショタ、異世界召喚され互いに巻き込まれたと主張し合いながらも元の世界へ戻る方法を探る道中記~

浦里凡能文書会社

第1話 召喚

 ある朝の街中……


 一人の女子校生が横断歩道前に突っ立って、スマホを弄りながら信号待ちをしている。

 それだけなら何の変鉄もないありふれた日常の光景と言えるのだろうが、この場合ちょっと色々と突っ込み所が散見された。


 まずその女子校生、顔立ちはなかなかの美少女と言って良い目鼻立ちをしている。……が、その髪色は明るいプラチナブロンド。肌は健康的に日に焼けた小麦色……というよりは褐色に近い。もちろんそれらは彼女の生来のものではない。いわゆる黒ギャルというやつであった。


 そんな女子校生がフィクションの世界以外で、この現代にそうそういるものか……と思われる読者諸氏もおられるかも知れないが、それはさておき彼女に関して更に言わせてもらうと、街の人々の(特に男性の)視線を否が応にも釘付けにして離さぬ部位があった。制服のシャツの胸元を大きく押し上げるその胸である。こちらは生来のもの。


 黒野クロノ、17歳。スリーサイズは上からB108(Jカップ)、W68、H98、身長168。女性にしては長身で、体付きはちょっとぽっちゃり気味だろうか……だがスタイルは悪くない。


 それにしても女の子を紹介するのに、このような数値を並べ立てるなどとは言語道断……と憤る読者の方もおられるかも知れないが、恐らくタイトルと紹介文から読者の9割9分は男性であろう。


 それはさておき、クロノの傍らにはランドセルを背負った男の子が一人立っていて、やはり信号が変わるのを待っていた。

 年齢は○学4年生くらいだろうか……異性としての女性に興味が芽生え始めるか始めないかの境目くらいの年頃(それに関しては人それぞれだろうが)で、隣にバスト100センチ超えJカップ女子校生がいようが、どこ吹く風、我関せず、ほとんど興味無さそうであった。


 まったく平凡な日常、いつも通りの朝の光景……


 ……のはずであった。


 それは全く突然不意に起こった。クロノと少年の足下の舗装された地面が、不意に強い光を放ち始めたのである。「え……っ!?」と思ったら、次の瞬間にはもう視界いっぱい目映い光に包まれていた。何が起きたかなど考える余裕も無く、黒野クロノはその場から消滅した。ついでに隣にいた少年もだ。

 周りの人々も何が起きたのかまるで理解できなかった。ただ二人の立っていた場所には、二人の身に着けていたはずの衣服や下着や靴や鞄が落ちていた。脱ぎ散らかされたというよりは、まるで肉体だけが突然消滅したみたいに……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る