7-10話について(断頭台のアウラ編)
七話から始まるエピソードは「葬送のフリーレン」のタイトル回収と同時に、フリーレンのバックボーンが初めて語られる。これまでは「魔法使い」「フランメの弟子」「何年生きているかわからない希少なエルフ」そして「勇者ヒンメルの一行のひとりだった」くらいしか情報が無かった。要するに外付けの「属性」でしか彼女を語る言葉がなかった。けれどこの七話から十話までのエピソードの中で、フリーレンの魔族への態度と姿勢が示される。魔族は「人の言葉を話す獣」、そして「滅ぼすべきもの」。これらの情報がフリーレンという女性にかなりの深みを持たせてくる。彼女は魔族に酷く冷淡な態度を取り、魔族を見かければ滅ぼす位の殺意を抱いている。
フリーレンはかつて魔族に村を焼かれたことにより、魔族への憎しみとともに、フランメの弟子となる。そしてフランメの弟子となることで、膨大な魔力を制御する技術を会得する。そしてその技術をそのまま弟子のフェルンにも教える。こうしてフリーレン一行の魔術師たちは、憎むべき魔族に対してひとつの優位を取ることができた。「時とともに引き継がれていくもの」一つのテーマとして据えても良いようなものであるが、この先の展開がどうなるかにもよる。
そして「引き継がれていくもの」という意味では、シュタルクとリーニエの戦闘シーンもアツい。「立ち上がる限りは負けない」。その不屈が、勝ちへの解を導き出す。
アツいと同時に脚本がうますぎる。おそらくは「引き継がれていくものたち」を意識して作ってあるのだろうと思う。その象徴としてアウラが「ヒンメルはもういない」と断言するのに対し、フェルンやシュタルクは「ヒンメルはフリーレンの扱いがうまい」と言う。ヒンメルの魂は、ちゃんとフリーレン、そして彼女の仲間にまで伝わっているし、――魔族にはこれがわからないのだ。
ヒンメルが出てこないにもかかわらず、圧巻の戦闘シーンは我が子を見守るような緊張感とともに展開され、ました……………………。フェルンが諏訪部に刺されたときはどうなるかと思ったけどいやうちの子たち(フェルンとシュタルク)かっこよくてかわいいなぁまったくもうオバチャン甘いものごちそうしちゃうからね、お食べ、バナナパフェ。話の都合上死ぬとは思ってなかったけれど死ぬなよ!死ぬなよ!フリじゃないぞ!フリじゃないからな!と内心連呼しながらガン見。まさにガン見。フェルンもシュタルクも、よくやった。って褒めてるフリーレンがちゃんと親というか師匠というかまとめ役をやっていてうれしい。勇者ヒンメルならそうした。多分。
あと、グラナト伯爵がほんっっっっっっっっとうに物わかり良すぎて「物わかりが良すぎるモブキャラ……!」とか言っちゃった(本当に)けど、あとで出てきたらどうしよう。あとで「助けに来たぞ!フリーレン!」とかやらないよね?
やらないよね? 縛り首にしないで下さい。
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