尊厳破壊は最高です!! え? 伝統や誇りって全部ぶっ壊されるために有るんだよ?――その裏で俺は金と権力使って幼馴染母娘を奪います――
他津哉
序章「もうすぐ決着だ」
プロローグ
「じゃあ、このまま、お願いしま~す!!」
ミンミンとセミが鳴く暑い暑い夏の日、その日、村の象徴である大きな神社の社は堂々と境内に入って来たブルドーザーとクレーン車の鉄球が問答無用で破壊を始めていた。
「や、止めるんじゃあああああ!! 鋼志郎!!」
「うるせえ、今のお前には何の権限も無い……じゃあ続きお願いしま~す!!」
俺は暑い日の中頑張ってくれている作業員の皆にメガホンで再び指示を出しながら作業続行をお願いした。横のババアを無視してだ。
「う~い、依頼者様から許可出た、派手に壊せ~」
「う~っす!!」
エンジンの轟音とバキベキと木の壁が壊れる音を奏でながら忌々しい神社の本殿は解体されて行く。実に清々しい気分でいいザマだ。
「止めろ!! お、おまええ!! 村の誇りをおおおお!!」
「このババア黙らせとけ、また妙なことをされてはかなわんからな」
「はい、社長」
「ゆ、許さん、この恨みはらさで――――「社長は黙れと言っている」
「ギャッ……がっ……」
側近に指示を出すと老婆は殴られ気絶させられた。そのまま引きずられ境内の端に放り投げられる。この光景を見て他の関係者は抵抗を諦めた。これで終わりだ……そして俺は少し離れた場所で見守っていた妻と娘を迎えに行く。
「こうちゃん……」
「パパ……」
二人を抱き寄せると安心させるように頭を撫でて言った。
「もう大丈夫だ安心しろ、二人ともお腹の子に触るから、行こう」
「うん……」
「はい」
最後にもう一度、俺は因縁の社が破壊される光景を見ながら追放される前、まだ俺も妻の皐雪も学生で千雪が生まれる前の学生時代を思い出していた。あの追放からここまで長かった。
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