第5話  嘴《くちばし》を挟む暇がなかった

選挙当日 柄元候補は通るが

政権与党の代議士から県議からの応援を受けた絶対的有利な

ゴミ袋値上派の市長候補が落選する


そこから 虎道さんが なぜ落ちたのかのデータを追いかけ始める

興味が有ったので 夕方に 庭でヌルカンにしたポン酒を勧めて

話を聞き続ける


虎道さん タブレットで市のWebを見ながら 語ってくれる


「高崎さんも実験屋の目と匂いで くちばしを挟んで下さい」と言われて


思わず 身が引きしまる


★ここから虎道さん目線が多くなります


ゴミ袋の値上でごみ減量との ヌケサクな政策を推してた落選した市長候補

ゴミが減れば 良いこと SDGs詐欺の短絡的な連中が入り込でるな

ゴミが減る=物が売れなくて 結果ゴミが減るもある

面倒くさいゴミ分別に高額なゴミ袋となると隠れた税金


居住者の市街流出での人口減もある

高齢者は持ち家だから流出はないが

賃貸の若い世代は流出して高齢化が進む


若い世代が減れば高齢化は一気に行く

そして高齢化率が高いと家を購入する世帯も回避してくる

自分たちの意見より高齢者の意見が通る市との認識になる

税収が減るわ 社会福祉負担が増えて 悪循環だ


近隣の5市での共同運用している秋岡焼却場の焼却炉

更新期限で 更新中の能力低下で大和市だけが

追加料金を払う羽目になると出てくる 


はい? なんでだ? 


大和市のWebでは順調にゴミの分別が進んでいるとなっている

他の4市より一人あたりの焼却ゴミが多いらしい

俺らの住んでる大和市は一番人口が多い マトモに影響する


各市の焼却ゴミの比較の棒グラフがあって 大和市だけ多い

あれ このグラフ どこかで見たような データを漁りだす


投票率 年代別も見ていく 高齢者ほど当選した市長に投票している

新市長の公約を見てみると

前市長がやって途中で逃げた ゴミ袋の高騰化の凍結


高齢者ほどゴミの分別を嫌っている ゴミ袋は安く

とのデータが浮かび上がる


虎道さんの説明を聞いていると、実験屋とは違うアプローチ

くちばしを挟む暇がなかった 流石 改善屋だと唸って


流派から頂いた灘の生一本の1升を 思わず進呈してしまう鷹さん

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