異世界転生記

第38話

第38話: 進化

　悪魔族との激戦を終えたリディアたちは、街の防衛を果たし、平和を取り戻していた。しかし、リディアは気絶し、ルークとサクラは慎重に彼を街へ運んでいた。疲労の色が浮かぶ二人の顔には、勝利の喜びと安堵が輝いていた。

「主、大丈夫。もうすぐ僕たちの街に着くよ。」ルークはリディアの顔を見ながら、優しく声をかけた。彼は同時に、倒した悪魔の死骸を次々と収納していった。

　サクラも頷きながら、「ジュラ～♪」と頭を左右に振り、リディアを励ますように寄り添った。

　夕暮れの光が二人のシルエットを静かに照らし、街の入り口が見えてきた。

　街の入り口に着くと、仲間たちが出迎えた。しかし、気絶しているリディアを見て、一瞬緊張が走った。皆が顔を見合わせ、不安げにリディアの様子を見守る中、ルークが口を開いた。

「皆、落ち着いて。主は巨大なボス悪魔を単独で撃破したんだ。勝利したんだ」ルークの言葉に、仲間たちは驚きと共に安心の表情を浮かべた。

「そうだったのか…さすがですな、リディア様。」一人が感嘆の声を上げた。

　その話を聞いた皆の表情は、驚きから安心へと変わり、リディアを静かにベッドへ運ぶのを見守った。リリィとルーク、そしてサクラがベッドの周りで見守る中、ロゼッタは冷静に指示を出した。

「セリーナ、敵の残党がいるかもしれない。警戒を怠らないでほしい。万が一のことがあってもすぐに対応できるように見張りと守備隊の管理をお願いします。」

　セリーナは頷き、「わかったわ。警戒を続ける。」と答えた。仲間たちはリディアの無事を祈りながら、それぞれの役割を果たすために動き始めた。

　約1時間が過ぎた後、リディアが目を覚ました。ノエルがリディアの意識に語りかけた。

『マスター、お目覚めですね。お疲れ様でした。』

　リディアは少し混乱した表情を浮かべながらも、すぐに状況を把握した。「皆、ありがとう。無事で良かった。」リディアの言葉に、仲間たちは再び安堵の表情を見せた。

「リディア様、ご無事で何よりです。」ロゼッタがほっとした様子で言った。

　リディアはベッドからゆっくりと起き上がり、周囲を見渡した。「皆のおかげでここまで来られた。感謝している。」

　ロゼッタが優しく頷きながら言った。「リディア様、無理はしないでください。まだ体力が回復しきっていませんから。」

　リディアは微笑んで頷いた。「そうだな。でも、皆に健在だということを見せつけなければいけない。」彼の言葉には決意が込められていた。

「リリィ、全員を中央に集めて欲しい。全体の前で話をしたい。」リディアは力強く頼んだ。

「わかりましたの！すぐに集めるの。」リリィはリディアに一礼し、街へと向かった。無線や風魔法の拡声器を使って招集を伝達する。

　リディアは重い体を無理やり動かし、中央の演説台へと向かった。彼の足取りは遅く、だが確実に目的地へ進んでいた。

　演説台の左右にはセリーナとバルドが控えており、バルドが「ダン…ダン…ダン…」と一定間隔で杖を台に打ち付けていた。その音が緊張感をさらに高める。

　リディアが中央に立つと、セリーナが風魔法を展開し、彼の声が街全体に響き渡るように準備した。リリィは光魔法を使い、リディアを照らし出した。夕方の薄暗がりの中で、その光は彼を幻想的に映し出した。

　リディアは深呼吸し、力強く叫んだ。「今回の悪魔のボスは私が打ち取ったぁぁぁぁっ！！」

　その声は風に乗り、街全体に響き渡った。「俺たちの勝利だぁぁぁぁぁぁっ！！」

「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！」」」

　住民たちの歓声が一斉に上がり、リディアの声に応えた。リディアはその声に励まされながら、次の言葉を続けた。

「皆のおかげでこの街は守られた。明日は宴だぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！」」」

　その声は夜空に響き渡り、リディアの決意と仲間たちの団結を象徴していた。リディアは仲間たちと共に、この街の未来を守るために新たな一歩を踏み出した。

　リディアの言葉に応じて、住民たちはすぐに宴の準備に取り掛かった。街中が活気に満ち、楽しげな笑い声と賑やかな話し声が広がった。

　リディアは仲間たちに見送られながら寝室へ戻り、体を休めるための準備を始めた。寝室に入ると、ノエルの声が心の中に響いた。

『マスター、お疲れ様でした。街の防衛は成功し、皆が無事で本当に良かったです。』

　リディアは深呼吸し、疲れた体をベッドに横たえた。「ノエル、ありがとう。君のサポートがなければ、ここまで来られなかった。」

『さて、マスター。進化についてお話ししなければなりません。あなたは今、ダンジョンロードへ進化するための条件を満たしました。進化して良いですか？』

　リディアは頷きながら、「わかった。リリィとロゼッタに説明だけする」と答えた。

　リリィとロゼッタが寝室に入ってきた。「リディア様、大丈夫ですか？体を休めてくださいね。」

　リディアは二人に微笑みかけ、「ありがとう、リリィ、ロゼッタ。実は、私は進化することになる。朝まで起きないから大量に朝食だけ用意よろしく」

　リリィは元気に応えた。「もちろんですの！リディア様のために最高のご飯を用意します！」

　ロゼッタも頷き、「安心して休んでください、リディア様。私たちが見守っていますから。」

　リディアは二人に感謝の言葉を伝え、ゆっくりと目を閉じた。

　翌朝、リディアはとてつもない空腹感と共に目を覚ました。体が軽く感じられ、魔力がみなぎっているのを実感した。

「おはようなの、リディア様。目が覚めたの！！」リリィが微笑みながら部屋に入ってきた。

「おはよう、リリィ。すごくお腹が空いているんだ。何か食べられるものはないかな？」リディアはお腹を押さえながら言った。

「もちろん、準備してあるの！ロゼッタも一緒に食べるの～♪。」リリィはリディアをダイニングルームへと案内した。

　ダイニングテーブルには、リリィとロゼッタが用意した豪華な朝食が並んでいた。パン、チーズ、ハム、フルーツ、そしてスープまで、種類豊富な食材が揃っている。

「おはようございます、リディア様。今日はたくさん食べてくださいね。」ロゼッタがにこやかに挨拶した。

「ありがとう。いただきます！」リディアは早速パンを手に取り、大きくかぶりついた。

　次々と食べ物を口に運ぶリディアの姿に、リリィとロゼッタは目を見張った。

「リディア様…」リリィが少し心配そうに言った。

「うん、でもすごくお腹が空いていてね。止まらないんだ。」リディアは笑いながら答えた。

　リディアは次々と皿の上の食べ物を平らげていった。パンがなくなり、ハムがなくなり、スープも一気に飲み干した。

「リディア様、本当にたくさん食べますね…」ロゼッタは呆れたように言った。

「進化するとこんなにお腹が空くんですね…」リリィも驚いた表情を浮かべた。

「でも、本当に美味しいよ。ありがとう、リリィ、ロゼッタ。」リディアは満足そうに微笑んだ。

「そう言ってもらえて嬉しいです。でも、もう少しゆっくり食べた方がいいかもしれませんね。」ロゼッタが優しく諭した。

「わかった、気をつけるよ。」リディアは少し恥ずかしそうに頷いた。

　彼はすぐにステータスを確認するために意識を集中させた。

「おお～、魔法が帝級になっている！」リディアは驚きと喜びを声に出した。「これって最強じゃないか？」

　彼は新たな能力を確認しながら、特に「ダンジョンポイントスーパー」という項目に目を止めた。「ダンジョンポイントスーパーって何だ？」

　ノエルの声が優しく答えた。『ダンジョンポイントスーパーとは、ガチャの強化と魔物召喚の強化を行えるシステムです。これにより、より強力な魔物を召喚したり、ガチャでの報酬を増強したりすることができます。』

　リディアは感心しながら、「なるほど、それならこれからの戦いに大いに役立ちそうだ」と呟いた。そして、さきの防衛戦で感じた戦力強化の必要性を思い出し、「これで我々の戦力をさらに増強できる。街の防衛をもっと強固にできるのは喜ばしいことだ」と自信に満ちた笑みを浮かべた。

　主人公のステータス

　レベル:225（UP）

　名前：リディア

　種族: ダンジョンロード（４８歳）

　エルフ

　性別: 男

　魔法：

　火魔法　王級６（UP）

　水魔法　帝級３（UP）　

　風魔法　帝級５（UP）　

　土魔法　帝級5（UP）　

　光魔法　帝級２（UP）

　闇魔法　帝級５（UP）

　時空魔法　帝級５（UP）

　スキル:

　ユニークスキル「AI」　

　ユニークスキル「アイテムボックス」

　ユニークスキル「DPSダンジョンポイントスーパー交換」（UP）

　ユニークスキル「ダンジョンウォーク」

　錬金　中級（UP）

　魔力操作　帝級（ＵＰ）

　身体強化　帝級（ＵＰ）

　麻痺無効

　猛毒無効

　痛覚無効

　魅惑無効

　石化無効

　剣　剣王（UP）

　テイム：

　バジリスク（サクラ）

　称号:

　世界を超えたもの（言語理解、隠蔽、鑑定）　

　ドラゴンスレイヤー　※対ドラゴン戦においてステータス1.5倍

　ダンジョンを制覇した者　※ダンジョン内ステータス5倍

　ダンジョンロード（UP）　※ダンジョン内ステータス10倍