第27話 深名のダンジョンに挑戦その2
第27話 深名のダンジョンに挑戦その2
6階に足を踏み入れると、リディアたちはすぐに前方に広がる景色が5階とほぼ同じであることに気づいた。冷たい石の通路、巨大な騎士の像、そして青白い魔法の炎が揺らめく中、一行は慎重に進んでいった。
「またゴブリンたちが待ち受けている可能性が高いな」とリディアが警戒を促した。
エレンが光の球をさらに明るくし、周囲を照らすと、予想通り、戦意に満ちたゴブリンたちが前方に姿を現した。10体のゴブリン、5体のアーチャーゴブリン、2体のホブゴブリン、そして3体の魔法ゴブリンが、彼らの進行を阻もうと待ち構えていた。
リディアは一瞬のためらいもなく、「5階と同じ戦術でいく。エレン、魔法の準備を。フェン、アーチャーを狙え。セバスと私は前線を守る」と指示を出した。
戦闘は再び激しく始まり、リディアの魔力弾がゴブリンたちの一団を一掃し、エレンの魔法の盾がアーチャーゴブリンの矢を防いだ。フェンは加速された速度でアーチャーゴブリンたちを倒し、セバスはホブゴブリンの防御を砕いて次々と敵を倒していった。
「この勢いで進もう!」リディアが仲間たちを鼓舞しながら、前進を続けた。
7階にたどり着いたとき、一行は再び同じような構成の敵を目にした。ゴブリンたちは変わらず待ち構えており、彼らの威嚇的な視線が一行を捉えていた。
「またかにゃ!」とフェンが叫び、すぐに戦闘態勢に入った。
リディアは冷静に指示を続けた。「同じ戦術でいく。エレン、魔法を強化して。セバス、ホブゴブリンを頼む。フェン、アーチャーを狙え。」
戦闘は再び激化し、リディアの魔力弾がゴブリンたちを一掃し、エレンの魔法の盾が矢を防ぎ、フェンの速さがアーチャーゴブリンを倒していった。セバスは重たい斧を振り下ろし、ホブゴブリンの防御を打ち破り、次々と敵を倒していった。
「もう一度、この勢いで進もう!」リディアが叫び、仲間たちを鼓舞しながら前進を続けた。
7階の戦闘が終わると、一行は疲労感を覚えながらも、次の階層に進む準備を整えた。リディアは地図を広げ、次の目的地を確認した。「次は8階だ。準備はいいか?」
7階の戦闘を終え、8階にたどり着いたリディアたちは、今までとは異なる雰囲気に包まれていた。冷たい石の通路から一転して、目の前に広がったのはうっそうと茂る森のようなエリアだった。高くそびえる木々が視界を遮り、薄暗い中、鳥の鳴き声や風に揺れる葉の音が響いていた。
「ここはまるで別世界ね……」エレンがつぶやいた。
リディアは警戒を促す。「森の中は敵が隠れるには最適。気を抜かないように」
森の奥深くに進むと、突然、ゴブリンアーチャーの矢が木々の間から飛んできた。「避けろ!」リディアが叫び、全員が瞬時に身を伏せた。
「どこから来た?」セバスが辺りを見回しながら、斧を構えた。
フェンが鋭い目で周囲を観察し、「木の上にゴブリンがいるにゃ!」と叫んだ。その瞬間、さらに多くの矢が四方八方から降り注いできた。
エレンが素早く魔法の盾を展開し、「私が防ぐわ。フェン、アーチャーを狙って!」と指示を出した。
フェンは獣人特有の身軽さで木々を駆け上がり、次々とゴブリンアーチャーを撃破していった。一方、セバスは木の根元に隠れていたゴブリンたちを斧で叩きのめしていった。
「まだ終わってないわ。注意して!」エレンが警告を発した瞬間、巨大なスパイダーが木陰から飛び出してきた。その鋭い牙と糸が彼らに襲いかかる。
「糸に捕まるな!」リディアが叫び、剣でスパイダーの攻撃を切り払った。エレンは火の魔法を放ち、スパイダーたちを焼き払った。
「こいつら、しぶといにゃ!」フェンが次々とスパイダーを斬り倒しながら叫んだ。
戦いは激しさを増し、リディアたちは何度も罠にかかりそうになりながらも、全力で敵を倒していった。リディアは心の中で仲間の成長を感じながら、自分の実力を控えめに見せることで、彼らの連携を尊重した。次第に、彼らは森の奥深くへと進むことができた。
9階に到達すると、さらに森の密度は増し、敵の攻撃も激しくなった。ゴブリンアーチャーの数は増えていた。
「この階は特に注意が必要だわ。全員、しっかりと陣形を維持して。」エレンが指示を出した。
セバスが前方を歩きながら、「ここから先はもっと厳しい戦いになるだろう。しかし、私たちなら乗り越えられる」と仲間たちを鼓舞した。
彼らは慎重に進み、次々と襲いかかるゴブリンアーチャーやスパイダーたちを撃破していった。
「もう少しだ……ここを抜ければ10階の入り口が見えるはず。」リディアは自分に言い聞かせるように呟いた。
その瞬間、さらに大きなスパイダーが彼らの前に立ちはだかった。これまでのどの敵よりも巨大で、その目は血のように赤く光っていた。
「こいつが最後の障害ね!」エレンが魔法の杖を構えた。
フェンが素早く動き、スパイダーの背後に回り込もうとしたが、スパイダーは驚異的な速度で振り返り、フェンに糸を放った。「くっ!」フェンが糸を切り裂きながら叫んだ。
リディアはスパイダーの正面に立ち、「全力で行く!」と叫びながら剣を振りかざした。その瞬間、エレンが強力な火の魔法をスパイダーに放ち、セバスが斧でとどめを刺した。
巨大なスパイダーが倒れると、辺りに静寂が訪れた。
全員が勝利の喜びを分かち合いながら、森を抜け、ついに10階への階段が見えてきた。疲労困憊しながらも、一行は階段を一歩一歩上がっていった。
10階に到達すると、そこには豪華な扉が彼らを待ち受けていた。リディアはその扉を見て、かつて目にしたことのある光景が脳裏に蘇った。
「これは……」リディアがつぶやいた。
「どうしました、リディア?」エレンが不思議そうに尋ねた。
「この扉、以前に見たことがある。ボスの部屋にあった扉と同じだ。」
「つまり、この先には……」セバスが問いかける。
リディアは深く息を吸い込み、「だな、この先にはフロアボスがいるはず。」
フェンが意気揚々と、「それなら、ますます燃えてきたにゃ!準備はできるにゃ!」
エレンも同意し、「私たちの力で倒しましょう。」
リディアは仲間たちの顔を見渡し、決意を新たにした。「そうだな。全員、準備はいいか?この扉を開けたら、全力で戦うぞ。」
全員が頷き、リディアは扉に手をかけた。豪華な装飾が施された扉は、重々しくも威厳を感じさせるもので、その先に待ち受けるものを予感させた。
「行くぞ……」リディアが扉をゆっくりと押し開けた。
扉が開かれると、彼らの前には広大な部屋が広がっていた。左右の壁にはたいまつが灯され、揺れる炎が不気味な影を作り出していた。部屋の中央に向かって進むと、その光の中から巨大な影が現れた。
リディアの目の前に立っていたのは、巨大化したゴブリンだった。その背後には、ゴブリンソーサラーとゴブリンアーチャーが5匹ずつ配置され、彼らを取り囲むように待ち構えていた。
リディアは冷静さを保ちながら、仲間たちに向けて指示を出した。「みんな、気をつけろ。まずはゴブリンソーサラーとアーチャーを片付けるんだ。」
セバスが斧を構え、「私が前に出ます!エレン様、魔法で援護をお願いします!」と叫んだ。
フェンはその敏捷さを活かして素早く動き、「アーチャーとソーサラーは俺に任せて!」と言いながら、暗がりに潜むゴブリンアーチャーとソーサラーに向かって駆け出した。
リディアは魔法弾を放つ準備をしながら、「フェン、援護する!」と声をかけた。エレンは呪文を唱えながら魔法の杖を掲げ、「防御の準備を!魔法攻撃を防ぎます!」と叫んだ。その瞬間、エレンの周囲に光の盾が展開され、仲間たちを守った。
フェンが驚異的な速さでゴブリンアーチャーとソーサラーに近づき、次々と倒していく。その間、リディアは魔法弾を正確に放ち、残りの敵を次々と撃破していった。
巨大なゴブリンは咆哮を上げて突進してきたが、リディアの魔法弾によって膝をついた。「ここで終わりにする!」リディアが剣を構えて突進し、巨大なゴブリンにとどめを刺した。
戦いが終わり、一行は疲れながらも達成感に満ちていた。すると、部屋の奥に隠されていた階段が現れ、その上の水晶が赤から青に変わった。
リディアが水晶に触れると、ダンジョンの外へ出るか11階へ進むかが水晶の上にステータス画面のように表示された。リディアたちは当初の目的を達成していたため、ダンジョンから出ることを選んだ。
一行は水晶に触れ、次の瞬間、ダンジョンの入口に転移された。外の新鮮な空気が彼らの顔に触れ、疲労が一気に軽減されたように感じた。
「やっと外に出られましたな。」セバスが笑みを浮かべて言った。
彼らは街への道を進み、冒険の成果を持ち帰るために歩みを進めた。
主人公のステータス
レベル:199(UP)
名前:リディア
種族: ダンジョンマスター(48歳)
エルフ
性別: 男
魔法:
火魔法 レベル9
水魔法 王級8(UP)
風魔法 王級6
土魔法 帝級2(UP)
光魔法 王級7
闇魔法 王級9
時空魔法 王級9
スキル:
ユニークスキル「AI」
ユニークスキル「アイテムボックス」
ユニークスキル「DPダンジョンポイント交換」
ユニークスキル「ダンジョンウォーク」
錬金 中級(UP)
魔力操作 王級(UP)
身体強化 王級(UP)
麻痺無効
猛毒無効
痛覚無効
魅惑無効
石化無効
剣 剣聖(UP)
テイム:
バジリスク(サクラ)
称号:
世界を超えたもの(言語理解、隠蔽、鑑定)
ドラゴンスレイヤー(NEW)※対ドラゴン戦においてステータス1.5倍
ダンジョンを制覇した者(NEW)※ダンジョン内ステータス5倍
ダンジョンマスター(NEW)※ダンジョン内ステータス5倍
▼街づくり
全員が役割を確認し、街の新しい発展に向けた準備を整え始めた。結晶の配置チーム、光の強化チーム、安全確保チームと、各グループに分かれて効率的に作業を進めるための計画が立てられた。
リリィは街の中央広場に設置される大きな結晶の前に立ち、仲間たちに呼びかけた。「この広場が新しい光の中心地となるの~。皆で力を合わせて、夜でも安心して過ごせる街を作りましょう♪」
セリーナとフィオナはロゼッタと共に結晶の効果を最大限に引き出すための魔法のテストを始めた。ロゼッタが光魔法を結晶に施すと、結晶はまるで太陽のように強く輝き出し、その光が街全体に広がった。
「この光なら、夜でもまるで昼のような明るさだわ!」フィオナは感嘆の声を上げた。「これで夜間の活動も安心して行えます。」
一方、バルドとそのチームは地図を見ながら結晶の配置を進めていた。バルドは細かい計算をしながら、「ここに一つ、そしてここにも。主要な交差点に配置することで、光が均等に広がるようにしよう」と指示を出した。
リリィはその様子を見守りながら、「皆さん、素晴らしいの~。これでリディア様が戻ってきた時に、私たちの街を見て驚いてくれるの!!」と笑顔で語りかけた。
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