第13話 ガチャ

第13話 ガチャ




 ダンジョンマスターへの進化が完了したその瞬間、リディアは深い息を吸い込み、自身の体が信じられないほど軽く、同時に力強く感じられた。この変化は、進化の恩恵に他ならない。驚くべきことに、彼のステータス画面を見ると、以前持っていた耐性が全て「無効」へとグレードアップしていたのだ。麻痺無効、猛毒無効、痛覚無効、魅惑無効、そして石化無効。これらの変化は、ダンジョンマスターとしての新たな力を象徴していた。さらに、ダンジョン内は25倍!!


「すごい…これなら何でも来いだな!」とリディアは心の中で驚喜する。そんな彼の腹からは、時を同じくして強烈な空腹感が声を上げ始める。「お腹すいたぁ〜」とリディアが声に出して呟くと同時に、先程準備しておいた焼き魚の存在を思い出す。この新しい力を手に入れた今、満足する食事が彼を待っていた。




 焼き魚を一口食べた瞬間、リディアの顔がぱっと明るくなる。「うめぇ~、この塩加減、神がかってる!」と、心の中で叫びながら、目を閉じて味わう。食べ終わった後、満足感が彼の全身を満たし、深い満腹感に包まれる。




 その満足感に浸りながら、リディアはふと思う。「進化って、見た目にどんな変化をもたらすのだろう?」と、鏡を探すように周りを見渡す。その顔には、新たな自分を発見することへのわくわくした期待が浮かんでいた。




 リディアはほのかな心配を抱えつつ、自身の変化を確かめるために川へと向かった。「変わってしまったらどうしよう…。イケメンじゃなくなるのは勘弁だな」と、独り言をつぶやきながら。川面に映る自分の姿をじっと見つめると、一安心。「お、おぉ!エルフの俺、健在じゃないか!」と、安堵の息を漏らす。進化したとはいえ、外見が変わらずにいてくれたことに、心からほっとした。




 自分の容姿が変わっていないことを確認でき、「マジで良かった…」と心から安堵するリディア。今度は、ダンジョンマスターとしての新たな役割について知る時が来た。




「ノエル、ダンジョンマスターのスキルってどんなものがあるんだ?」と尋ねると、ノエルから返ってきたのは、「ダンジョンポイントを使用して、自分のダンジョンを構築し、ダンジョンクリスタルを守ることが主な目的です」という説明だった。




「へぇ、そうなんだ。」リディアは新しい自分の役割に興味津々。




「マスター、ダンジョンマスターとしての固有スキル「ダンジョンウォーク」を使って、私たちのダンジョンへ向かいましょう」とノエルが提案する。リディアはうなずき、「それじゃあ、サクラも一緒にダンジョンに行ってみようか」と声をかける。




「サクラ、ちょっと小さくなって、こっちにおいでよ」リディアが呼びかけると、サクラは「ジュラ~♪」と愉快な音を立てながら喜んで応じ、小さくなってリディアの手の中にすり寄ってくる。そして、彼の腕に優しく巻き付いた。




「ダンジョンウォーク!」リディアが呪文を唱えると、景色が一変し、あっという間に氷龍と対峙していた場所に転移する。「これは…テレポートみたいだね。本当にゲームみたいだ」と、新しい能力に感動しながら呟く。




 ノエルの案内で、サクラを連れて奥の部屋へと進むと、目の前には美しい青白い輝きを放つ巨大なクリスタルが現れる。「これが私たちのダンジョンの核心部、クリスタルです。見てください、現在のダンジョンポイントは65000Pです」とノエルが説明する。




 リディアはクリスタルをじっと見つめながら、「これを使って、ダンジョンを再構築したり、魔物を配置して防衛するんだって? やばいな、本当に転生前にハマっていたゲームみたいだよ」と興奮気味に言う。




「でも、このポイントってどうやって増やせばいいの?」リディアがポイントの増やし方について興味津々で尋ねたとき、「魔石をクリスタルの近くに置くと、クリスタルが魔石を吸収してポイントが増加します。さらに、この周辺の魔力も吸収して、自動的にポイントが増えていきます」とノエルが詳しく説明した。




「なるほど!」リディアが目を輝かせながら応答する。新たなスタートに、わくわくしながらもどんな冒険が待っているのか、心から楽しみにしていた。




 !?




 これは、好循環じゃないか。


 敵を倒す⇒魔石手に入る⇒レベル上がる・DPが増加⇒敵を倒す⇒魔石手に入る⇒レベル上がる・DPが増加。


 ほほほ。素晴らしい。周回祭りじゃぁぁぁぁぁっ!!


 このダンジョンの周回はできないけれど、周りの魔物を倒しまくって稼ぐぜ~。




 まだまだ私自身では、弱いかもしれないから王国やら帝国には行けないからな。




 さっそく、どんなものとDPが交換できるかみてみよう




 ▼住環境

 ▼モンスター

 ▼ガチャ


 えっ。えっ。えっ!


 ガ・ガチャ・・・


 あの課金沼で有名な・・・ 


 今回はDP沼となりそうな予感・・・




 まずは、住環境からベッド(1000P)と布団(1000P)と寝巻(1000P)を交換。

 高級シリーズ(10000P)も気になるけど、ベットあるだけでも満足じゃい。




 このダンジョンは5階層だったから、氷龍が居た部屋にモンスター5匹配置して、防衛としよう。

 前回の氷龍1匹というのも〔The Boss〕って感じでよかったけどさ。

 やはり、ボスは1匹という固定概念は壊して、連携させて私の拠点をとられないようにしよう。




 誰がこのダンジョンを作り出し、なぜ自分がダンジョンマスターという種族に進化したのかは謎のままだが、リディアはそれを気にすることなく、前に進むことを選ぶ。「難しい話はその辺にしておくか」と自分を納得させる。




 さあ、「ガチャ」で何が出るか見てみようか。


 ごくり・・・




 ・1回につき1000P

 ・10連だと10000P


 こんなメニューが出てくるのだ。


 魔物は、本当にいろんな種類がいる。


 例えば、氷龍は10万ポイントもするんだよ。なるほど、手ごわかったわけだね。


 手持ちの魔石を活用すれば、無理なく手に入れることも可能だけど・・・。




 じゃ、早速ガチャを回してみようか。


 もちろん、10連が基本でしょ! 




「10連、いってみよう!」


 上空が青白く輝き始めて、光の玉がくるくると旋回する。


 手を合わせ、目を閉じて、心の中で願う。


「来て来て来て・・・!」


 1つだけ虹色ですけどぉぉぉぉぉっ!!




 結果

 ・ダークスパイダ(闇から生まれた蜘蛛)×4

 ・ネクロシャドウ(死者の影から生まれ、暗闇で強力になる幽霊)×2

 ・フィールドモグラ(土を掘り進めるスコップを持ったモグラ)×3

 □スカルドラゴン(骨だけの体を持ち、不死の炎を吐くドラゴン)×1


 おぉ~。


 当たり出たぁぁぁぁぁっ!!


 もう一回じゃぁぁぁぁぁぁっ!!




 再び、空が青白く明るくなり、光の玉が回転し始める。


「神様〜!」




 ▼結果 

 ・ゴブリン(ファンタジー定番のあいつ)×8

 ・コボルト(ファンタジー定番のあいつ)×2

 ・・・

「次こそは・・・。次こそは・・・。」


「10連来い!!」




 ▼結果

 ・ゴブリン(ファンタジー定番のあいつ)×4

 ・コボルト(ファンタジー定番のあいつ)×2

 ・スパイダー(ファンタジー定番のあいつ)×4


 ・・・


「次こそは・・・。次こそは・・・。」

「マス・・」とノエルが言う前に

「10連来い!!」




 ▼結果

 ・ゴブリン(ファンタジー定番のあいつ)×5

 ・コボルト(ファンタジー定番のあいつ)×3

 ・オーク(ファンタジー定番のあいつ)×2




 実は、ゴブリンとかコボルトって繁殖力が強いのではなくて、ガチャで出まくるからでは・・・


「ぐぐぐ・・・」

「10連・・」




 ▼結果

 ・ブルーズバード(ふわふわと飛ぶだけの小鳥)×2

 ・ゴブリン(ファンタジー定番のあいつ)×4

 ・フレイムハートゴーレム(燃え盛る心臓を持ち、火を操る巨大な岩石の生命体)×1

 □エターナルヴァンパイア(数百年の歴史を持つヴァンパイア)×1

 □アビスウォーカー(深淵から来た、不可解な力を持つ暗黒の戦士)×1

 □ブライトウィッチ(光と癒しの魔法を操る古代の魔女)×1




 待って。


 やっときました。


 すごい引きが強いですけどっ!


 でも、5人パーティーを組むには、バフが必要だよね。だから、ガチャに頼らずに、ちょっと高くても選んだ方が良さそう。




「マスター、冷静な判断ですね。ちょっとヒヤヒヤしましたよ。ハーモニーピクシーかスターライトセンチネルがいいでしょう。ハーモニーピクシーは攻撃力と速度を上げる歌を歌いますし、スターライトセンチネルは視界と命中率を高めますよ。どっちにしますか?」




 ノエルの提案を受けて、ハーモニーピクシーを選ぶことにした。


 5000P支払い召喚!




 これはもう、楽しくなってきたぞ。




 主人公のステータス

 レベル:101

 名前:リディア

 種族: ダンジョンマスター(48歳)

 エルフ

 性別: 男

 魔法:

 火魔法 レベル4

 水魔法 王級2 

 風魔法 王級3 

 土魔法 王級2 

 光魔法 王級1

 闇魔法 レベル6

 時空魔法 レベル8

 スキル:

 ユニークスキル「AI」 

 ユニークスキル「アイテムボックス」

 ユニークスキル「DPダンジョンポイント交換」

 ユニークスキル「ダンジョンウォーク」

 錬金 初級

 魔力操作 上級

 身体強化 上級

 麻痺無効

 猛毒無効

 痛覚無効

 魅惑無効

 石化無効

 剣 レベル1

 テイム:

 バジリスク(サクラ)

 称号:

 世界を超えたもの(言語理解、隠蔽、鑑定) 

 ドラゴンスレイヤー※対ドラゴン戦においてステータス1.5倍

 ダンジョンを制覇した者※ダンジョン内ステータス3倍

 ダンジョンマスター※ダンジョン内ステータス5倍

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