レイノルズ王国からの援軍を求めて

 ラーナ大陸の状況を知るためにアルムガルド帝国の伝書鳥達は大陸中の各国に送られた。


 それから1週間ほどで各国からアルムガルド帝国に返答が送られてきた。

 

 ラーナ大陸の国はラーナドゥール王国、セレディア王国、エマール王国、ウィスタリア王国、マルクス王国、そしてアルムガルド帝国がある。


 この国々の内、二十年前の戦争で国力の低下したセレディア王国と先の戦いで疲弊したエマール王国は元々兵力が少ない上に大量の魔物達の軍勢の進軍を間近でうけたため特に深刻な被害を受けていると返答が来ていた。


 アルムガルド帝国以外の各国は同盟を結んでいるが魔物達の決起により国内の魔物達を討伐する為に他国に兵士達を派遣する余裕はなく盟主国であるラーナドゥール王国でさえそれは同じだった。


 ラーナ大陸で唯一余力があるのは魔物が殆どいないアルムガルド帝国だけであり各国に援軍を送る決断を皇帝のレオニスはして帝国の将軍達を軍議室に呼び軍議をしていた。


 「エマール王国へはクラウディア将軍にセレディア王国へはダルトン将軍に向かって貰いたい。」


 「ハッ、陛下!」


 「畏まりました。」


二人の将軍が軍議室を後にするとレオニスは部屋の衛兵に伝えた


 「衛兵!セシルとラーナドゥール王国の者達を呼べ!」


 「畏まりました、陛下!」


 軍議室に呼ばれたルシアス達はレオニスから言われた。


 「そちらのシェイダル教の司祭殿と黒髪の青年よそなたらはレイノルズ王国の血を引く者だな?」


 「そうです。」


 「出身地はレイノルズ王国か?」


 「はい、こちらの司祭はレイノルズ王国の出身でレイノルズ王国の王女シエナの娘です。」


 「そうか!それは良い!それならレイノルズ王国からの援軍を求める私の書状をレイノルズ王国へと届けてくれまいか?」


 「分かりました。その役目、私達にお任せください。」

 

 「セシルよ!そなたも共に向かってくれ。」


 「はい!陛下。」


 レイノルズ王国への書状を手にしたルシアス達はバルアに乗ってコーレリア島へと向かった。


 バルアに乗ってレイノルズ王国へとやって来たルシアス達は城へ向かい国王ディレートに謁見したい旨を兵士に伝えた。


 兵士に付いて行き謁見の間まで行くとディレートが玉座に座っていた。


 「ルシアスにマナよ!良く来たな、今日は何用だ?」


 「お祖父様、私達は女神アイリス様とシェイダル神からグムハザに仕える大司教が企む魔族の公爵の復活の阻止とラーナ大陸中の民を襲っている魔物達の存在を伝えにきました。」


 「ふむ、ルシアスよ、詳しく話してくれ。」

 

 ルシアスはドラゴン達の住む山での出来事やラーナ大陸中が魔物達に襲われている事アルムガルド帝国が援軍を頼んでいる事を話しレオニスの書状をディレートに見せるとディレートは決断した。


 「各騎士団長を呼べ!軍議を始める!ルシアスよお前達も来るがいい。」


 そして軍議室にはルシアス達とディレートそしてレイノルズ王国の騎士団長達とシエナが集まった。

 

 「大陸中の魔物達を相手にするのは困難かと思われます。」


 「セレディア王国には東から船でいくつかの騎士団を派遣すれば西からのセレディア王国軍とアルムガルド帝国の軍で軍魔物達を挟撃できましょう。」


 「では竜騎士団はエマール王国へ?」


 「大陸の西には大量の魔物達が潜んでいると伝えられております、いくら竜騎士団といえど進軍はとめられますまい。」


 エマール王国への援軍をどうするか悩むレイノルズ王国軍の騎士団長達の話を聞いてシエナが提案した。


 「女神アイリス様が西の地の古き公爵の復活を阻止するようルシアス達にいったのなら竜王ゾルデルとその眷族のドラゴン達も力をかしてくれるかもしれない。」


 「ふむ、シエナよ竜王の元へと向かってくれ。」


 「ルシアス達よ、お前達にはセレディアに住むという魔法使い達の助力を得に行ってもらいたい。」


 「お祖父様、私達は一度魔法使い達の里にいきましたがあの里の魔法使い達が力をかしてくれるかわかりません。」


 「遥か古の時代に魔法使い達は魔物達を撃退するために大陸の民達に力を貸した事があるとされている」


 「お前達の言うように無駄かもしれぬが魔法使い達の住む地へと私からの書状を届けてくれ。」


 「分かりました、お祖父様。」


 「では竜騎士団は?」


 「シエナの帰りを待ち、戻り次第エマール王国へと向かってくれ。」


 軍議が終わるとルシアス達はディオンとソフィアの身を案じながらセレディア王国の魔法使いの里へと向かった。

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