ルヴェーラの誓い

 自分を心配して必死に声をかける弟子を見ながらマリオンは言った。

 

 「ルヴェーラ、私の命はもう尽きます、けれど悲しむ事はないのですよ。魔法使いは皆、命が尽きればこの世界の根源に魂が還り再び生まれて来るまで深い安息を得るのですから、、、、、。」


その言葉はルヴェーラが幼い時にマリオンから聞かされていた言葉だった。


 「しかしっ!!」


 死を目前にしたマリオンの目には先にこの世を去った師匠のぺレイヴァや魔法使い達そしてかつてただ一人愛した男性の姿を見ていた。

 

 (異端と呼ばれた私にも安息は訪れそうね、、、。)


 「ありがとう、ルヴェーラ、私の人生は貴方とソフィアのお陰で、、、、、。」


 そう言ってマリオンは動かなくなった。


 師匠であり母の代わりだったマリオンの死にルヴェーラは泣き崩れた。


 その場にゾンビ達を片付けたルシアスとマナそして聖皇騎士が辿り着いくとルヴェーラは泣きながらマナに回復の祈りを頼んだ。


 マナはシェイダル神に祈りを捧げるがマリオンにはもはや効果はなかった。

 

 ルヴェーラはマリオンの亡骸の横に両膝をつき動かなかった。


 「、、、ルシアス、2人きりに」


 「ああ、マナ」


 ルシアスとマナそして聖皇騎士団の騎士達はルヴェーラとマリオンを残してカミラとアルバートの逃げた道を追っていった。


 城の中にはもうカミラとアルバートはいなくなっていた、諦めたルシアスとマナは謁見の間まで戻った。


 ゾンビとなったエマール王国の兵士や聖皇騎士達を倒して安全になった謁見の間にラーナドゥール王国のほぼ全ての諸侯達が集まっていた。


 バージルは息子であるエディこそラーナドゥール王国の正当な王位継承者である事を宣言すると西側の諸侯達にアルバートに従うか新しい真の王に仕えるのかを聞いた。

 

 西側の諸侯達は王となるエディに仕える事を誓い、バージルはアルバートを国賊として手配書をラーナドゥール王国の各地に

送るように大臣カートと話し合った。


 そしてエディを正式な王とする為に教皇アルグレオに通達を出して数日後には戴冠式を行う事を宣言した。


 その頃マリオンの元にいたルヴェーラはマリオンの言葉を思い出していた、そして誓った。


 (まだ未熟だけれど私が死にマリオン様に合った時に恥ずかしくないような魔法使いになろうそしてあの魔女を必ず討ち取る)   


 ルヴェーラはマリオンの亡骸を埋葬する為に抱きかかえるとその場を後にした。

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