裏エピソードお茶会(少しだけ)


ー雪花視点ー


「お姉様どこを見ていらっしゃるのですか?」



わたくしたちは撮影前のリハーサルをしているのですが...お兄様がどこか遠くを見ていたので気になって聞いてみる。



「あそこにいる方が…」



わたくしはそう言われたお兄様の視線を追うと、

ちょうど赤いドレスが特徴的な女性の方が凸凹な地面の場所を通りかかろうとしていた。



そのような足場の悪いところでヒールで通るなんて…「きゃっ」案の定転びそうになりますよね。



だがその女性は、間一髪でお兄様に腰と腕を掴まれ支えられて転ぶことはなかった。



いつの間にお兄様あそこに行ったんでしょうか?

先ほどまでわたくしの隣にいましたよね。


「大丈夫か?」「は、はい(*////▽////*)」


女性が怪我がないことを確認するとお兄様は、輝くような笑みを辺りにばら撒いたのである。



「きゃー(≧∇≦)」



これは面倒なことになりましたね。


なぜって?お兄様から離れた女性がお兄様にまだ熱い視線を送っているのです。それに周りの女性も先ほどのお兄様の行動に好感を持てたのかしゃべりかけたそうにこちらを伺っています。





他にも⇒


「いや~今のいいよ!女性が転びそうなところを助けるなんてやるね♪台本に追加しないと…」



そう言いディレクターらしき人が「台本ここ変更して」と話し合っている現場を目撃し、お兄様の影響力をあらためて実感しました。



そういえば、高校でもちょっとした行動で女性の好感度を総取りしてクラスメイトの男性の方々からも嫉妬の視線を総取りにしているとライ様が休日うちに遊びに来て言ってましたっけ…。



そうやってお兄様をヒーロにしたお茶会を決行したのですが…これが何とも言えなかったです。



「騎士様はこちらの一口サイズのサンドイッチはお食べになりましたか?」

「いやまだだが…」


「でしたら、お食べになるといいですよ!とれたての野菜が甘くてサンドイッチにマッチしていますの」



そう言いながらお兄様に「あーん」しようとしていた方は違う女性がお兄様との間に割って入ったため、「あーん」は阻止されたのであった。




わたくしは隣でそのような光景を観察しながら思うのです。




[お兄様は本当にどこのハーレム野郎なのでしょうか?]

[今、女性に褒められてにやけたような…あとで問い詰めなくてはなりませんね]など




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