第4話
ここが遺跡調査都市ファースト…。
周りはプレイヤーばかりで混雑している。におい、触覚、視界の広さ、現実と同じく働いているとあらためて感じた。開発チームが力説するわけだ。
「歩くか」
ここで立ち止まっているとチュートリアルや門から出る人達の邪魔になるので歩き始めると同時にピッコンと音が鳴り自分の現在位置が表示される。
この地図ほとんど虫食いみたいに見えないところが多いな。歩くと少し周りが埋まっていくけど、図書館で既存の地図のアイテム手に入れて埋めたりするのかな?
歩いていくとこの町の建物風貌が見えてくる。ヨーロッパ系のレンガの2階建てで生活している様子で歩道もきっちり石畳で整備されているため歩きやすいが工場のような建物が多いな。
そうこう歩いて5分以上、広場なような場所にたどり着く。
「ター鳥焼きうまいよ~」
…決して匂いに釣られたとかではない。
「店主、そのター鳥焼き1、いや2本買おう」
ギースから5日くらい生活できるお金はもらっているから余裕はある。
「おっ!お目が高いね」
そう言い、店主は屋台に設備されている鉄板で肉とタレを炒めていく。
「その格好、嬢ちゃん初心者かい?」
「うむ。この都市に来て10分くらいの初めての買い物だ」と微笑む。
↳騎士ロールプレイをする上でどうしても言葉使いが高圧的になってしまうので、少し隙を作るのがポイントだ。今のだったら、この世界に来て初めての買い物を楽しんでることを純粋に笑顔に返す。すると…
「そりゃめでたい!おまけもつけなきゃな」
という風にセイの顔がいい分、おまけも付けてくれる算段だ。
俺は目の前でター鳥焼きが完成していくの見ながら、いくつか店主に質問する。
「チュートリアルが終わったらギルドに行くといいと聞いたんだが、場所を教えてほしい」
「あー最初、地図が埋ってないから見つけるの大変だろ。あそこは~」
店主からギルドの場所を聞いた後に、おすすめの宿屋、雑貨屋などを聞いた。そして何よりも耳寄りだったのがメカニックの紹介だ。
「生産組合の知り合いなんだけど、悪い奴じゃないんだよ」
なんだ?この腕利きなのに難があるタイプの紹介か。
「なんか具体的に言うと都会で強引のギルド勧誘やら、質の悪い客に引っ掛かりして田舎に引きこもった奴」
うわー。なかなかの悪運。
「だから初心者とか初対面お断りなんだけど…枝豆の紹介だって言えば店に立ちよらせてもらえると思うから行くといい」
「なぜ?初対面の相手にそこまで…」
俺は感謝より先に困惑が出てしまった。
「…ずいぶん前に初心者狩りというものが流行っていてな」
なんでも少し前に、商人の真似事をして初心者からアイテムを安値で買い上げる行為が続出したため生産系のプレイヤーが露店への改善点を運営に提示したらしい。
で、今では露店を開くには生産ギルドの許可が必要で一定の料金を支払って露店を開くのだとか。まぁ、その制度おかげで商人のまねごとをする連中はあらかた消えたがその時に、何人かの初心者が嫌な思いをして辞めていったのを見たことからある程度、初心者には助力しているらしい。
「まぁ暗い話になっちまったけど…またお金貯めてター鳥焼きでも買ってくれや」
「感謝する」
俺は出来上がったター鳥焼きをもらいながら答える。
☆
ふぅー。ター鳥焼きめちゃくちゃうまかった。お肉の弾力があって噛み応えバッチリ。何よりいろんなハーブなど混ざったタレがいい味して…あれ自家製かな?
そういえばこの世界では一応、役職があるらしく料理人だったら料理にバフや補正が付くらしいからギルドで騎士にどうやったらなれるか聞こう。
そう思いながら枝豆さんに教えてもらったハンターギルドにたどり着く。ハンターギルドの入口は自動ドアになっており、そこだけ趣が違うなと思った。
「要件をお伺いします」
「ハンターギルドに入会したいのだが」
「ハンターギルド入会には500Gかかりますがよろしいですか?」
俺は、500Gを払いますか?とディスプレイが表示されたので迷わずにyesとした。すると、今までは表示されなかったミッション受付掲示板がデバイスに登録された。
ここからミッションを受け付けているのか。だからギルドに人が少ないわけだ。
「主にハンターギルドのご利用される方は資料室や鑑定室に行かれます。等級によって読める資料には限りがございますのでご了承ください」
この都市はできたばかりで図書館がない。だから資料室は貴重な情報源だ。
「討伐した部品の買取はしていないのか?」
機械的ダンゴムシから取れたコアや外装の一部を売り払いたいんだが…。
「ハンターギルドでの買取は行っていますがプレイヤーマーケットより値段が低いと思われますがよろしいですか?」
「プレイヤーマーケット?」
「依頼を達成することでハンターギルドの等級が上がる制度があります。その制度のCランクまでいくとデバイスにプレイヤー同士離れたところで買取ができるマーケットの登録されます」
そのランクごとのメリットが書かれた用紙を見せてもらった。俺の今のランクは(F)。依頼を3回達成したら次のランクに上がれるらしい。
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