5-2 寝取りクソ野郎はオープンワールドゲームのアイデアを出しました
「おい、お前ら。今日からボクが社長だから、お前らは言うことを聞くんだよ?」
ボクは早速会議の場で、重役たちの前でそう言った。
「ニルセン、お前、返事は?」
「はい、社長。……すまないがみな、今日から彼のいうことに従ってくれ」
ニルセンは社長を辞めさせて名目上は平社員にしてやった。
ただし、こいつがボクの言うことを聞くのを見せると、周りの社員たちも言うことを聞くから、ボクの傍に置いてやってる。
重役ではなく立場を平社員にしたのは、単にこいつが偉い立場で働いているのが、むかつくからだ。
「それとな、ここにいる4人はボクの秘書にしたからよろしくな?」
そう言ってボクは4人の性奴隷ちゃんたちを紹介した。因みにボク好みのスーツを着せており、その美しさに周りの重役どもは少し驚いていたようだ。
彼女たちが居れば、職場でいつでもセックスできる。
『社長室で美女を侍らせながら酒を飲む』というのも、それはそれで元の世界でやりたいことだったからだ。
「では社長。今度のゲームの企画はどうしますか?」
「私はニルセン社……いえ、ニルセンの話していたビジュアルノベル『山奥に響く雨音と羽音』と言うゲームを進めると良いと思います」
「男爵」とあだ名されているヴァンパイアの男はそう答えた。
彼は以前は別の事務所で働いていたらしいが、ニルセンに先日引き抜かれて、重役として働いているそうだ。
それにしてもおこがましいあだ名だ。
「へえ、それってどんなのだよ?」
当然だがゲームの企画は練っていたのか。
一応僕はその『男爵』の話を聞いてやることにした。
「はい、今までにない女性向けのファンを取り込むための恋愛ゲームです。6人いる男性と学園で恋愛を繰り広げる……」
「それダメだね、却下」
「は?」
なるほど、それは恐らく乙女ゲームだろう。
だが、そのアイデアよりもボクが持つ『現代世界でヒットしたゲーム知識』を用いたゲームの方が売れるに決まってる。
まあ、そんなことはこんな古臭いゲームで喜んでいる連中には分からないのだろう。
「しかし、市場調査では、サキュバスやヴァンパイアの方々からの要望が強いので……」
まったく『男爵』は、ボクのその英断に対して、見当はずれな反論をしてくる。
思わず僕はバン! と机を叩いてそのバカに言ってやった。
「あのさあ。ボクは転移者だよ? お前らよりずっと未来の世界を知ってんだよ。そもそも、こんなつまんないゲームなんか売ってちゃだめだっての!」
その発言に周りの重役たちはむっとしたような表情を見せた。
だが、それは事実だからしょうがない。
こんなことを言われて怒るようじゃ、まだまだだな。
ボクは答える。
「いいかい? 売れるゲームの要素はね。『オープンワールド』『アイテムクラフト』そして何より『課金要素』が充実していることなんだよ! それに『フルボイス』なのも常識だよ。いいかい、まずオープンワールドってのはね?」
そしてボクは、それらの要素について説明してやった。
「そ、そんな発想はありませんでした……」
「転移者というのは、嘘じゃないようですね……」
その発言に重役たちも驚いていたようだった。
「さすがご主人様! 現代知識で周りを黙らせるなんて!」
「凄いですわね! 私もご主人様の意見に感動しました!」
そう性奴隷ちゃんたちも言ってくれている。
だがニルセンはその様子に少し難しい表情を見せた。
「……ですが、社長。それは、ちょっと実現性に乏しいアイデアではないですか?」
「あん?」
「確かに『オープンワールド』の考え方は斬新です。ですが、ご主……いえ、社長のご要望をそのまま応えた場合はきっと……」
ったく、いるんだよな。
こういう新しい発想を出した人間の才能を許せない奴って。
「なんだよ、お前平社員にされたの根に持ってんのか?」
「いえ、そうではなく……」
「じゃあ、この方向でゲームを作ってよ。タイトルは……そうだな。『リマ・ニューワールド』って感じで良いよ?」
この『リマ』はボクの名前からではなく、『Request Magic』の略だ。
われながらいいネーミングだと思う。
「……はい……」
ニルセンの奴はそうつぶやくと、重役たちはぞろぞろと部屋を後にした。
「さて……大事な仕事も終わったねえ」
社長業と言っても、大体面倒事はニルセンたちが引き続きやってくれる。
だからボクは、ゲームの企画のような面白い仕事だけやっていればいい。
「ご主人様! お酒でもどうですか? 持ってきましたよ?」
イグニスの元カノだった性奴隷1号ちゃんは、そう言って自宅から持ってきたであろうウイスキーを見せてくれた。
かなり度が強い酒だが、ボクはこいつを一気に飲みながら、チーズたっぷりのピザを食べるのが大好きだ。
「うーん、分かってるね、1号ちゃん! ……あれ、2号ちゃん、どうしたの?」
「やっぱりありました! ほら、ここにお金がいっぱいあるの前見つけたんですよ!」
そう言うと、ニルセンの元妻、性奴隷2号ちゃんは金庫を開けて中のお金を見せてきた。
これはかなりの大金だ。
「はい、ご主人様? これで今日の帰りは、娼館にでも行きませんか?」
「おお、いいねえ! じゃあみんなで遊びに行こうか?」
ボクは労働奴隷どもから得たお金は最近高級娼館に使うことも多い。
いつも同じ性奴隷とばかりセックスしていると飽きるからだ。違う娘とのハーレムプレイもやはり楽しいものだ。
それに、この世界の高級娼館はご馳走も出してくれるしお酒も美味しいので、ボクの好きな『デートスポット』の一つとなっている。
「ウヒヒ、会社のお金を好きに使えるって良いよねえ……」
ボクの会社のお金は、ボクのものだ。
だから、今まで性奴隷2号ちゃんが持ってきてくれた『会社のお金』も全部、ボクの名義で使っている。
これからボクが全部自由に使えるのだから、これからはもっと頻繁に遊びに行こう。
「はい、ご主人様。出来ましたよ?」
そう言うとミケルが片思いしていた『性奴隷3号ちゃん』はメイプルシロップをたっぷりかけたチーズピザを用意してくれた。
それをガブリと噛みながら、ウイスキーを飲む。
ついでに油で汚れた手は、性奴隷3号ちゃんの服をティッシュ代わりにしてふき取る。
「あら、ご主人様ったら!」
「ウヒヒ、美味しいねえ!」
そう言いながら僕は窓の外を眺める。
なるほど、下々の連中は一生懸命働いている中、ボクは社長として好き勝手に振舞っていい。
「さて、じゃあみんな、そろそろ始めよっか?」
「はい、ご主人様?」
そして僕は社長室に鍵をかけ、彼女たちとセックスする準備を始めた。
……今度出来るゲーム『リマ・ニューワールド』の大ヒットを想像しながら。
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