妖怪症女
夢時間
プロローグ
この世には、妖怪、鬼、神がいた。
そのいずれも神秘的な存在であり、人の前に姿を魅せる者はいない。
だが、そんな未知の存在に心惹かれた少女がいた。
少女は、そんな妖怪や鬼や神よりも、もっと神秘的な存在だった。
妖怪、人、鬼、神、獣。そのすべてが混ざった少女だった。
そのかかとまで届く髪は白銀で、アルビノのように白い輝きを放っている。
肌は透き通るほどの白い肌で、つぶらな瞳は薄い蒼空のような色。
まるで絵画から飛び出たかのような美少女が、森の中に美しきドレスを
ただずんでいる。ドレスは、髪の毛の白銀が映えるような黒と灰色が混ざったドレスで、
森の中でひときわ輝く存在だった。
そんな少女は。
「ああぁぁぁ……。どこであの人と会ったか忘れちゃったなー…。多分このあたりだと思うけど。」
そう、少女が小鳥のような声を発した後。
「おい、あんたなにしてんだ?」
少女の背後から声がしたのだった。
「っ」
急いで振り返った後、そこには、不思議な男性がたっていた。
小柄な少女の2倍ほどある身長に、群青色の長めの髪が特徴的な男性だった。
瞳は深い濃紫色。
「えっと……あなたは誰?妖怪?」
「は?あんた何言ってんだよ。……お前、名前は?」
即答されて少したじろいだが、少女は、真っ直ぐな瞳で。
「リリア」
「リリア。俺の名前はルック。リリアはこんなところでなにしてんだよ。」
「るっく…。ルック。私は…、ある人を探して。ところでルックにぃ、ここで何をしてたの?」
「おう。俺は……って何でにぃがついてんだよ!」
「だってリリアより年上。じゃあおにぃでいい?ルックおにぃ」
リリアはきらきらとした目でルックを見つめる。
まるで子犬が親をみるように。
「……はぁ。リリアの探してる人、俺が手伝ってやる。その代わり、俺の捜し物も手伝ってくれ。」
妖怪症女 夢時間 @nekokurage0
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。妖怪症女の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます