転生したら元いた世界の幸運よわよわ幼馴染とヤンデレこわこわ義妹がついてきた

月雪

1話 死んじゃった

前書き枠です


一応書いておくんですがアルミホイルを体のどこに巻こうが普通に電波は通るので意味ないですからね

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蒸し暑い日々が終わってようやく肌寒くなるような日だった。

突然、登校中の高校生の男女2人の上に謎の物体が現れた。


男の方の高校生がそれに気付いた時にはもう遅くただただ死を待つしかなかった。


「あ、死んだ」




















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週の半分しか高校に行かない高校生の僕、柏木オトは登校中の今さっきに頭上に落ちてきたよく分からない何かに潰されたせいで死んでしまった。


おんぶしていた幼馴染も巻き込まれてしまっただろう。


あまりにも呆気なかった。


人生はこんなにも突然終わるんだなと驚いている。


やりたいことはたくさんあった。


幼馴染に告白したり、幼馴染と遊園地デートしたり、幼馴染と海で水をかけあったり...

幼馴染の事しか未練ないや。


まあ好きだったからには仕方ないことだが。


死ぬ直前に俺がおぶっていた幼馴染、綾鳥くらりは茶髪でロングのもやしみたいなへにゃへにゃ人間だった。

30分も歩けば死にかけてるし、体育の授業はいつも見学している。

初めて会った時なんか道に倒れていた。

まあ、そんな所がむしょうに可愛くて好きだった訳だが。


惚気はほどほどにして、くらりは微妙に運が良かった。彼女が宝くじを引けばハズレたことなど一回もない。だが別に100万が当たっちゃったりするわけでもない。ソシャゲを引いても確定演出が毎度のように出るがすり抜けてばかりだしなんか変わっていた。


他にも彼女について話すことはいくらでもあるがここらで終わりにして、そろそろ今気にしてることを言おう。



俺は今、宮殿みたいなところのカーペットの中心に鎮座している。

どこだよ。



幼馴染のことを話し始めあたりから真っ暗だった視界がだんだん光に溢れていき今に至る。なんで?


確かに死んだはずだがまさかの夢だったのだろうか。

いや、一瞬だけだが感じたあの痛みはとても夢だとは思いたくはない。ということは...


これも夢なのだろうか。


つまり痛みを感じたと感じているだけで実際には痛みなど感じていないという説である。

あれ?なんか意味がわからん。


「落ち着かれましたか?」


「うわッ」

急に人が現れた。夢だからってなんでもありなの草


「夢ではありませんよ」


夢じゃないならなんで急に人が現れるんだよ。


「「夢じゃないならなんで急に人が現れるんだよ」ではありません。私は女神様です、敬ってください。」


大変だ金色の髪をした派手な装飾をつけてる自称女神様が僕の思考を読んで敬えとか言ってきた。

アルミホイルを頭に巻いて今すぐ対応しないと...。


冗談だよ。


「夢じゃないなんていうなら証拠出してくださいよ」

「分かりました。ほっぺたをつねってさしあげましょ う!」


いやほっぺたなんて引っ張ってもそんないたくな...


...ッ痛い!


「痛い!やめて!ギブ!ギブギブギブですギブ!許して!」

「分かれば良いんですよ、分かれば」


うん。夢じゃない。こんな痛さは初めてだ。死んだ時より痛かった。天にも登る痛みだった。いやもう登ってるんだけどね。多分。


「ふふふ...当たり前じゃないですか。あなたが夢ではないと気付けるように、痛覚の感度上げてつねってあげたんですからね!」


どうりで死んだ時より痛いと思ったわけだ。


「でも別にそこまで痛くしなくてもいいじゃないですか...」

「ごめんなさい、どんな反応するか見たかったもので」


悪びれる様子もなく言う。恐ろし...いやなんでもない。

というかなんだろう若干だが何かがくるりに似てる気がする。絶対に違う人ではあるのだが。


「ところで、」


女神様がコホンっと咳をして話し始めてた。


「あなた、生まれ変わる気はありませんか?」


「死んだら強制的に生まれ変わるんじゃないんですか?」

「いいえ。少ない選択肢ですが、選べますよ。因みに地獄はありますが天国は無いです。」

「...記憶を持ったまま生まれ変われるんですか?」

「はい。ただし、行くのは異世界にですが」


日本ならまだ良かったけど異世界か...。


「日本だと色々まずいんですよ。それに良いところですよ、異世界。魔物弱いですしダンジョンで遊...冒険できますし、いい人が多いですし、おまけに特別な能力もあげちゃいますよ」


...。


「...一応、聞くんですけど異世界に行かない場合どうなるんですか?」


「私があなたを地獄に落とします」


「えっ?」

えっ?


「何でですか?僕何もしてませんよ」

「私念です♡」

「僕私念で地獄落とされるんですか?」

「異世界行ってくれなかった恨みです。こっちだってノルマとか色々あるんですよ。分かったらさっさと「行く」って言ってください。忙しいんです」


なんだかピリついてきている。怖い。

「わ、分かりました。行きます、行きますから」

なんだか了承してしまった。


まあ別に生きるのが嫌というわけではない。好きだった幼馴染と死別して気力が無くなっているだけだ。

...。

悪ぃ、やっぱつれぇわ...。


まあ、神様はさっき特別な能力をあげると言っていた。こういうのは自分が欲しい能力が貰えたりするものだ。エターナルフォースブリザードでも貰おう。ははっ...それはスキルってより技名だな...。

...

...

...。


「あ、そうそう。転生のおまけスキルを決めるルーレットあるんですが...早くやってください」

「ルーレット?自己申告じゃなくて?」

「はい」

自分で能力決められないのかよ...。


「はい。どうぞ」

神様がスマホを差し出してくる。

どういうこと?

「え?」

「ルーレットのアプリ開いてあるのでぼーっとしてないで引いてください。7回ですよ」


画面を見ると確かにルーレットがあった。

神様もデジタルの時代なんだなぁ(白目)

というか回数が微妙。


まあいい引こう。

画面をタップしてルーレットを回した。


出たのは


帽子が飛んでいかないスキル


いらん


2回目

◯ーさんのぬいぐるみ


可愛い、スキルじゃない。でも可愛いから良いんだ。


3回目

アルミホイルを生み出すスキル


これで頭にアルミホイルを巻いて電波から身を守...

やかましいわ。

...。


4回目

wifiを飛ばすスキル(スマホ付き)


これで異世界でも、◯witter…じゃなくて◯(旧◯witter)が見れる。どうでもいいけど青い鳥が恋しい。



5回目

収納スキル


この中に引きこもりたい。


6回目

海水とかから塩を抜くスキル


絶妙にいる


最後、7回目

時を止めるスキル


...ッッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!

これで俺も人間をやめ...あれ?なんか右に小さく書いてあるぞ。


なになに、えーと

「1秒使うと死にます」

欠陥品じゃねえか。


こうして、ほとんど使えないスキルを排出してルーレットは終わった。生きていくビジョンがアルミホイル売り捌くぐらいしか思いつかないんだがどうすれば良いんだよ。


神様はこっちを見て気の毒そうに笑っている。

笑うなよ...。


そうやって絶望していた時、声が響いた。


「あらあら可哀想、役立たずしか出てないじゃない!」


「「!?」」


◯ーさんのぬいぐるみは癒しになるから役立たずじゃないぞ!...じゃなくて一体誰だ。


「私よ!」

でかい羽を持ったピンク髪の女性が降りてきた。

上にいたんだね。


「私は女神サリナ。そこにいる女神ちゃんの同僚よ!」

もう1人の女神だった。

というか神様に同僚とかあるんだね。


「はいはい、で!そこのあなた!絶妙に悪い運をしてるあなた!」

「はい...絶妙に悪い運してる人です...」

なんだろう、煽りにでもきたのだろうか。


「余りにも可哀想だから私のスキル1つあげるわ!」


え?人にあげるとかできるんだ。

まあ貰えるものはもらっておこう。


「お優しい女神様、強いのください」


「はーい、どうぞ!」


渡されたスキルは「天使の羽」

どっかのランドセルが頭をよぎるが、空を飛べるスキルらしい。かっこいい。


「でも、良いんですか女神様?あなたの背中の羽なくなってしまいましたが」

ピンク女神様の背中にはさっきまであった翼がなくなってしまっている。


「大丈夫!そのうち生えてくるわ!」

そのうち生えてくるんだ...。






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「それでは準備が整いましたね。

今からあなたには異世界に行ってもらいます。

異世界には魔物とかそこら中にいますが弱いので心配しないでください。

言い忘れていましたが魔王とかもいるので暇だったら倒しといてください」

「えっ?ちょ、そんな話聞いてな...」


「それから、最後に」

女神様が真剣な顔をして言う。


「娘を、よろしくお願いしますね」


「え、ちょ待」

「それではいい旅を、グッドラッグ」

視界が白に染まっていった。



こうして、僕は知らない人のどこにいるかも分からない娘を任され異世界へと旅立った。

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