配信#19-4 出張みたま家事サービスだよっ!《御月美うさぎ編》:4

 み、短いっ……!

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 そんなこんなで、想定よりも早く決めていた範囲を終わらせられました。


「ん~~~っ! はぁ……ふぅ、ちょっとは綺麗になりました!」


【すげぇ、マジで綺麗になっとるww】

【ほんとに宣言通りに終わってるよ。みたまちゃんパネェw】


「す、すごいっ、ですねっ……!」

「すごいって言われても、まだまだ残ってるから、残りはお昼を食べてから! じゃあ、そろそろお昼ご飯にしよっか! 準備はもう出来てるから、あとは仕上げをしちゃうだけなので!」

「た、楽しみですぅっ!」


【春風たつな:私の時は、昼食はハンバーグで、夕食は肉じゃがだったが、今回はなんだろうね】

【うさぎちゃんの好みって何だっけ?】

【デレーナ・ツァンストラ:たしか、こってりしたものとか揚げ物とか、そう言うものね】

【意外ww】

【太ってそうなのに、見た感じこう、ほどほどに肉が付いてる感じですげぇよな】

【猫夜はつき:むむむぅ~~~~っ! うさぎ先輩、ずるいぞ……これが、格差社会っ……!】

【魔乃闇リリス:世の中不公平じゃ……】

【デレーナ・ツァンストラ:……そう、ね。ほんと、理不尽よね……くっ、胸が大きいのがそんなにいいっていうのっ……!?】

【しまった! 貧乳組がブルーになっちまった!?】

【二人とも、巨乳(みたまちゃんは疑惑だけど)だからなぁっ!】

【デレーナ・ツァンストラ:ひ、ひひひっ、貧乳じゃないんだからねっ!?】

【猫夜はつき:そ、そうだぞっ! ちょ、ちょっと人より小さいだけだぞっ!】

【魔乃闇リリス:……我、平均もないぞ……ぐすん】

【うわぁ……w】

【なんかもうひでぇ】


「え、えーっと、あの……む、胸が大きくても、いいことはない、よ? その、う、運動の時、ちょっと大変だし……」

「で、です、ねっ……か、肩もこっちゃいます、し、は、激しく動く、と、ぶ、ブラがこ、壊れちゃうので……」


 少なくとも、この体になって、胸が大きくてよかったことなんて一度もないもん……。

 というより、男に戻りたいです……。


【猫夜はつき:持つ人たちに、持たざる者の気持ちはわからないんだぞっ……!】

【デレーナ・ツァンストラ:人はなぜ、同じ過ちを繰り返すのか】

【魔乃闇リリス:うぅっ、一度は言ってみたいのじゃ……】

【圧倒的死体蹴りで草】

【これは酷いw】

【両者共に煽ってるわけじゃないのに、ナチュラルに煽ってるのが酷いわww】


「と、とりあえず、お、お昼にしますっ!」


 すごく申し訳ない気分になったので、話題を逸らしてから僕とうさぎおねぇたまは一度リビングへ戻りました。

 その後、持ってたトッピング用の材料を一つを除いて温めます。

 それから、先に作っておいたスープを温めて、その横で麺を茹でます。


【え、これラーメン!? なんか、ラーメン作ってね!?】

【マジかよwww】

【雪ふゆり:み、みたまちゃん、ラーメンも作れたんですねぇ~~~っ!】

【みたまちゃんの家事能力が留まるところを知らない件について】

【草】

【ってか、やっぱ料理技術たけぇなぁオイww】

【みたまちゃんみたいな料理が美味しいお嫁さんが欲しい……(私女だけど)】

【↑男女関係なく、みたまちゃんみたいな家事が万能なお嫁さんとか、誰だって欲しいだろ!?】


 麺が茹で終わったら、先に丼に麺を入れて、そこにスープを注ぎます。

 そしたら、その上に紅ショウガ、きくらげ、煮卵、軽く炙ったチャーシューを載せて、縁に四枚の海苔を入れたら……


「お待たせしましたっ! 豚骨ラーメンですっ!」


【すげぇ! ちゃんとした奴だ!】

【お、美味しそう!】

【あぁ~~~っ! 食べたい! メッチャ食べたい~~~~っ!】

【昼飯食べたばかりなのに、お腹空くじゃねぇかよぉ……】


「わ、わぁ~~っ! お、美味しそう、ですぅっ!」

「じゃあ、食べよ!」

「は、はいぃっ!」

「「いただきますっ!」」


 と、二人でいただきますをしてから、うさぎおねぇたまがラーメンを一口。


「……お、美味しいですぅっ!? こ、これ、ちゃ、ちゃんと豚骨ラーメン、ですっ!?」

「えへへ、それならよかったです!」


【うわぁ、マジで美味しそうに食べるじゃん……】

【お昼まだ食べてないし、豚骨ラーメンにしよ……】

【同じく】

【猫夜はつき:はつきもそうするぞ……学食にないから、外で食べるぞ……】

【魔乃闇リリス:はつきよ、我も同行しよう。食べたくなったのじゃ】

【大学生組が食べに行こうとしてて草】

【ってか、普通に考えて今日って平日じゃん? なのにしれっと配信にいるこの二人はなんなんですかねぇ……?】

【講義はいいのか!?】

【猫夜はつき:こっそり見てるぞ】

【魔乃闇リリス:我は、参加するだけで単位が貰える講義故、問題はないのじゃ。ちなみに、暁も我らと同様、講義を受けつつ見とるらしいのじゃ】

【何してんだよショタ野郎ww】

【ってか、見てんならコメントしろよww】

¥30,000

【詩与太暁:いやー、だってねー? 百合百合しい場所に、ボクらがいるわけにはいかないじゃーん】

【いやコメントするんかい!】

【詩与太暁:ちなみに、刀先輩は仕事中】

【草】


「ちゅるちゅる……んっ、美味しいです。あ、暁おにぃたま、こんにちは!」

「あ、暁、さんっ、ど、どうも、ですぅっ!」


【詩与太暁:やっほー。まあ、すぐに消えるけどねー。じゃあ、暖か~い目で見守ってるね~。ばいばーい】

【本当にもう消えたww】

【早スギィ!】

【せめて最後までいようよ!?】


「い、いなくな、っちゃいましたぁ…………あ、と、ところで、こ、このラーメン、って、ど、どうやって作ったん、ですか……?」

「あ、これ? んっとね、前にYouTubeで見てたら、簡単な作り方を見つけたので、それで作ってみました! スープのベースは豆乳だよ」

「そ、そうなん、ですねっ! す、すごいですぅっ!」

「あはは、それ言うなら、こういうレシピを考える人の方がすごいよ~。僕はレシピを見て、それを作るだけだから。まあ、チャーシューは見ないで作ってるけど」


【いや普通にすげぇんですが】

【みたまちゃん、世の中にはレシピ通りにすら作れない人がいてな……?】

【レシピ通りにやってるのに上手く作れない人っているよね。私です】

【↑自分のことで草】


「わ、わたし、りょ、料理はできない、ので、そ、尊敬、しますぅっ……!」

「慣れれば簡単だよ? でも、そうだね……あ、カレーは結構簡単に作れるよ? 初心者向きだと思うんです。もちろん、本格的な物を作ろうとすると、難しいけど」

「そ、そう、なんですかっ……? わ、わたし、学校、で作ったことがない、といいます、か……」

「ふぇ? そうなの? カレー作りって定番だと思ってたんだけど……」

「あっ、い、いえっ、あ、あるにはあった、んです……で、でも、わたしが、その……ひ、人と話すことが苦手で……気が付けば、そ、そう言う時は、や、休んじゃった、と、いいます、か…………はいぃ……」

「……」


 ……なんて返すのが正解なんだろうなぁ……。


【う、うーん、これは……】

【困惑しかしねぇ……】

【小さい頃からコミュ障、だったのか……】

【深海いるか:ん、悲しすぎる……】

【春風たつな:君、そんな幼少期、だったんだね……】

【人はそう簡単には変わらない、ということか】

【ちなみに、いじめられてた、とかはないの?】


「い、いじめはなかった、です……と、遠巻きに、み、見られる、だけで……と、特に、お、男の人から……む、胸とか、お、お尻をみ、見られることが多くて……」


【あ、あー……】

【うさぎちゃん、スタイル良すぎるもんなぁ……ってか、え、それいつから?】


「しょ、小学六年生の頃には、その、お、大きくなり、始めていた、と言いますか……うぅ」

「そ、そうなんだ……大変、だったんだね」

「……はいぃ」


【時期が時期過ぎる……】

【でも実際、学年に一人は発育のいい娘いたなぁ……いつも相談に乗ってあげてたっけ】

【実際大変そうだよね、しかも小学生とか絶対男子がからかってくる奴やん】

【こんな性格なのにいじめがなかったのって、最早奇跡では?】


「で、です、ねぇっ……わ、わたし、も、不思議、でした……!」


【だろうなぁw】

【本人もよくわかってないのか】

【なんでだろうね、マジで】


「うさぎおねぇたまって、学生さんの頃は何をしていたの?」

「わ、わたし、ですかっ?」

「うん」

「え、えーっと……げ、ゲームとか、ひ、人見知りを解消する、ための、ほ、本を読んだり……ゲーム、したり……着々と、そ、卒業がち、近づく恐怖に怯えながら、ひ、日々を過ごして……それで、しゃ、社会に出るのが、い、嫌で……こ、高校三年生の時は、じゅ、授業に隠れ、て、か、株の勉強、を……」


【お、おおう……】

【なんと言うか……すごい生活だな……】

【陰キャと言えば陰キャ、になるのか……】


「そうなんだ! でも、すごいね!」

「す、すすっ、すごいっ!?」

「うん! だって、苦手で、嫌だーって思ったからって、難しい世界に行こうなんて思わないもん」


 楽をしたいから株をやる! なんて、普通出来ないよ。


「えっ、あっ、で、でもっ、わ、わたしは、ら、楽をしたい、から、って理由、なのでっ……!」

「それでもすごいと思いますっ! だって、楽をするために努力できるんでしょ? なかなかできないよ! だから、もっと自信を持ってもいいと思いますっ!」

「み、みたま、さんっ……!」


【うわー、みたまちゃんが天使ぃ……】

【これを素で言えるところがマジでこう、天使だよね】

【ドン引きするんじゃなくて、真っ先に褒めて尊敬する辺りよ……】

【雪ふゆり:みたまちゃん、天使すぎますよぉ~~~~!】

【春風たつな:素のみたまちゃんを見ていると、ひかりが狂戦士になるのも頷けるね】

【まあ、素でこれを言ってのけるわけだし、そりゃぁなぁ……】


「わ、わたしっ、そ、そんなこと、い、言われたことない、ですぅっ……あ、ありがとう、ございますっ……!」

「お礼はいいよ~。っと、ラーメンが伸びちゃうし、早く食べよ!」

「は、はいぃっ!」


 この後も、適度にお話しながら、お昼ご飯を食べました。


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 気が付けば、うさぎがヒロインみたいに……あれ? いつからこの作品、みたまが他の女性ライバーを堕とす話になったんだろう……?

 補足ですが、うさぎがいじめられなかった理由は、まあ、あれです。あいつの良さを分かってるのは俺だけムーブをかましまくる奴らが多かったことと、まあ、なんと言うか、うさぎの親が親だったので……溺愛してると言うか、まあ、あれです。どういう人たちかと言えば、教育関係の仕事の人。しかも、上の方。

 なのにできた子供がこれと言う……。

 あ、間違っても両親と不仲ってことはないです。単純に恥ずかしがり過ぎて、自分から連絡しないだけで、親からは連絡が来ます。

 最近、恋人はいないのか―、と訊いてくるのが悩みだとか。

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