配信#5 記念配信にホラーゲームだよっ!(泣)
今回からスパチャが入るのですが、もし見にくいようであれば言っていただければ幸いです。もしそう言った意見があれば、工夫しようかなと思います。
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【《記念配信》ホラーゲームしたくないけど、やるよっ!《らいばーほーむ三期生/神薙みたま》】
神薙みたま/Kannagi Mitama
チャンネル登録者 6.88万人
2.7万人が視聴中 0分前に配信開始
#みたまの社 #らいばーほーむ
「おにぃたま、おねぇたま、こんたま~~~っ!」
【こんたまー!】
【こんたま!】
【こんたまぁッ!】
【こんたまー!】
「こんたま、ありがとうっ! 今日はね、タイトルの通り、記念枠だよっ! なんとっ! 登録者数が5万人突破して、収益化も通ったよっ! 本当にありがとうっ!」
【おめでとう!】
【おめ!】
【おめでとう!】
【おめでとーーー!】
チャンネル登録者数や、収益化の件を言うと、コメント欄がおめでとうという、祝福のコメントで埋め尽くされた。
わぁ、ここまでたくさんの人に祝ってもらえるのって、すっごく嬉しいことなんだね……。
【いやぁ、みたまちゃんの配信って他三人に比べると少ないからなぁ、やっとかー】
「ご、ごめんね? わたしもなるべく多く、みたまの民のみんなと一緒にお話ししたいんだけど……お勉強や学校があって……」
【いいよいいよ! 大学生ならあれだけど、高校生だしね! むしろ、たまにやるからこそいいかもしれないし】
【むしろ、連日配信されまくると、学校が上手く行ってないんかと心配になるから、全然大丈夫!】
「そ、そう言ってもらえると嬉しいです……。あと、もう一つ私情なんだけどね? あの、近々通っている学校でお祭りがあって……今は大丈夫なんだけど、中旬頃から配信が減っちゃうかもしれないの……その、楽しみにしているおにぃたま、おねぇたま、ごめんなさい……」
ぺこり、と頭を下げる。
こんな僕でも、楽しみにしてくれている人がいるんだもん、やっぱり謝っておいた方がいい。
【気にしないでいいよー!】
【むしろ、そうやって事前に言ってくれるからありがたい】
【うんうん、行事なら仕方ないって】
【それでも配信しようとしてくれるだけで嬉しいってもんです】
学園祭があるから配信が減るということを正直に伝えると、視聴者さんたちは優しい言葉を投げかけてくれました。
うぅ、温かいよぉ……。
「ありがとう……少なくとも、それまでの間はなるべく配信するから、楽しみにしててね!」
【よっしゃっ!】
【マジで最近の癒しだからなぁ、みたまちゃん】
【社会で荒んだ俺の心のオアシスだぜ……】
【声に癒されるからね。私も最推し】
「そ、そっか」
【ところで、スパチャ解禁はまだ?】
【あ、そういえばそうだ】
【早く! 投げ銭が!! したいッッッ!!!】
「あっ! ご、ごめんね! スパチャのことを忘れてました……え、えーっと……あ、これかな?」
視聴者さんに言われて、スパチャの設定をしていなかったことを思い出して、いそいそとスパチャができるように設定すると……。
¥50,000
【天空ひかり:おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!】
¥20,000
【猫夜はつき:おめでとう! お祝いだぞ!】
¥30,000
【深海いるか:おめでとう。これからもみんなで頑張ろう】
¥50,000
【雪ふゆり:おめでとうですよぉ~~~! これはほんのお小遣いですぅ~!】
¥30,000
【春風たつな:同期が直行してすまないね。あぁ、これはお祝い金だよ】
¥50,000
【デレーナ・ツァンストラ:せ、折角のお祝いごとだから上げるだけなんだからね! あ、ありがたく受け取るといいわっ!】
¥2,000
【おめでとう!】
¥10,000
【お賽銭です! 収益化+5万人おめでとう!】
¥5,000
【おじさんがお小遣いを上げよう!】
【ちょw初手上限投げてる先輩Vがいるんですがw】
【ほんのお小遣い(5万)こわっ】
【ってか、同期全員投げてる上に、たつな様とツンデレちゃんまでいんじゃん!】
¥1,111
【くっ、出遅れたかッ……!】
なんか、ものすごい金額が投げられだしたんでけど!?
「あ、ああああのあのあのあの! み、みみみみっ、みんな投げすぎだよぉっ!」
さすがに上限金額はやりすぎだし、あとお姉ちゃんは何してるの!?
しかも、見事に初めてを取りに行ってるし……もしかして、ずっと張り付いてた……?
¥7,500
【ほんの気持ちです】
¥5,000
【えんがわ代】
¥10,000
【レモン代です】
¥3,000
【これで美味いもんでも食べて?】
「だ、だから送り過ぎだよぉっ! や、やめてぇ! みんなの生活が苦しくなっちゃうからぁっ!」
と叫んでみても、たくさんのスパチャが送られてきて心臓に悪いよぉ!
あと、僕なんかにこんなにお金を投げて来るのが何より怖い!
スパチャ怖い!
赤文字怖いよぉ!
【本気で止めてて草】
【まあ、いきなり上限額投げて来る先輩や同期もいるからな……】
【ってか、しれっと、ツンデレちゃんも上限なの笑うw】
【なんか癒し枠だしまとも枠そうだから目をかけてるって、二期生の誰かが言ってた】
【デレーナ・ツァンストラ:だ、誰が言ったのよっ! そ、そんなの事実無根なんだからねっ!】
【草】
【テンプレ的ツンデレだなぁ】
「あっ、え、えっと、デレーナさん、ありがとうございましゅっ! あぅっ」
初めて来てくれた(?)デレーナさんにお礼を言ったら、また噛んでしまった……。
うぅ、やっぱり噛むのは恥ずかしい……。
【デレーナ・ツァンストラ:べ、別に心配になって来たわけじゃないんだからねっ! あと、噛んだのも可愛いだなんて思ってないんだからねっ!】
【ツンデレやなぁw】
「え、えと、し、心配して来てくれてありがとうございますっ!」
【デレーナ・ツァンストラ:べ、別にお礼を言われるほどじゃないわ。と、とりあえず、おめでとう】
「ありがとうございますっ」
【あー、笑顔が眩しー】
【信じられるか? これがらいばーほーむのライバーなんだぜ?】
【みたまちゃんみたいなタイプ、今までいなかったもんなぁ】
【純粋枠! ロリ枠! 万歳!】
「あ、あはは……」
らいばーほーむ、すっごく個性的な人が多いもんね。
僕ももうちょっと個性を出した方がいいのかなぁなんて思うけど、そんなことを言うと、視聴者さんたちが止めるけど。
「そ、そろそろ本題に行かないとっ!」
いつまでも話していると時間が無くなっちゃうから、すぐに時間を戻す。
【そう言えばホラーゲーム実況だっけ?】
【悲鳴待ってる】
【悲鳴はよ】
「わ、わたしの悲鳴を聞いても嬉しくないと思う、よ……?」
【は? 嬉しいが?】
【栄養だが?】
【明日を生きるための糧だが?】
「そんなに重い物なのっ!?」
ちょっと怖いよぉ!
【みたまちゃん、可愛いから栄養なんだよ……】
【可愛いは栄養です】
「えぇぇぇ……」
なんだろう……視聴者さんたちもすっごく変わってるんだね……。
けど、これだとますます元男だとバレないようにしないと、って思っちゃうなぁ。
多分、バレないと思うけど……。
「と、とにかくっ! 今日はアンケートの通り、ゲーム配信だよっ! 結果は……ホラーゲームだったけど、ね……」
最初はいつも通り元気に言えていた僕だったけど、ホラーゲームとなった瞬間から元気がなくなっていく。
本当にやりたくない……。
【元気なくなってて草】
【もしかしてホラー苦手?】
「苦手だよぉ……本音を言えば、絶対にやりたくないもん……夜中一人でお手洗いに行けなくなっちゃうよぉ……」
【草】
【かわよ】
【そのレベルなのか……】
【お狐様なのに幽霊が怖いとはこれいかに】
「お、お狐様だって怖いものは怖いのっ!」
【まあ、それはそう】
【それでそれで、何をプレイするん?】
「あ、うん……それなんだけど、ね……この、『廃』ってゲームをやっていきます……」
【廃? 聞いたことない】
【あー、それ知ってる。マイナーだけど、すっごい怖いって話のゲームだね】
「や、やっぱり怖いの……?」
視聴者さんの中に知っている人がいたみたいで、それが怖いかどうか尋ねてみる。
【めっちゃうるうるしてる】
【ってか、マジで差分細かいな……】
【知人がプレイしたらしいけど、マジで怖いらしい。それに、初見殺しも多いみたいだぞ】
「ふえぇぇぇ……」
マジで怖いという文章に、初見殺しというワードに、僕は少し泣きそうな声を零す。
そ、そんなに怖いの……?
「と、とにかくプレイしていくね……?」
【がんば!】
【猫夜はつき:怖かったら電話していいぞ!】
【それ、はつきっちがみたまちゃんと電話したいだけでは?】
【雪ふゆり:それなら私もいいですからねぇ~】
【深海いるか:ん、バッチコイ】
【天空ひかり:あ! みんなだめだよ! みたまちゃんは私のだからねっ!】
【ひかりんが私のもの発言しとるw】
【ひでぇなぁw】
【春風たつな:ふむ、怖かったらいつでも連絡するといい。少しは紛れるかもしれないよ】
【デレーナ・ツァンストラ:怖かったらいつでも相手になってあげなくもないわっ!】
【なんか、同期だけじゃなくて先輩Vからも構われてんなぁ……】
【まあ、妹ポジらしいし? ってか、みたまちゃん、まだ絡みのない先輩からも可愛がられるって……】
プレイしていくと言うと、視聴者さんたちだけじゃなくて、はつきさんたちやお姉ちゃんに、たつなさん、デレーナさんもいつでも話してきていいと言ってくれて、なんだか涙が出そうになりました。優しさで。
「みなさん、ありがとうございます……が、頑張りますっ!」
視てくれているみんなのためにも、が、頑張るぞ~~~~っ!
◇
と、意気込んだ僕でしたが……
『ヴァアァァァッッッ!』
「ひぅっ!?」
『ヒハハハハハハハ!!!』
「きゃぁぁぁぁぁっ!」
『ねぇ、どうして置いていくの……? 一人にしないって言ったのに……ねぇ、ねぇ……ねぇねぇねぇねェねェねェネェネェネェネェネェネェ――!!』
「ひやあああぁぁぁぁぁぁっ!」
ゲームプレイ中はずっと悲鳴を上げっぱなしでした……。
今回僕がプレイしているゲーム『廃』は、一人称視点のホラーゲーム。
流れとしては、墓地と廃病院が至近距離に存在している心霊スポットへ肝試しのために訪れ、そこで怪奇現象に見舞われて……という流れ。
現在は墓地エリアを抜けて、病院内を探索しているところなんだけど……本当に、最初から怖かったです……。
ゲーム開始直後から、唐突に幽霊が目の前に現れて、悲鳴を上げながらもひたすらに先へ進む最中もいろんなお化けが現れては襲いかかって来た。
その度に悲鳴を上げてはゲームオーバーになって……またやり直して悲鳴を上げて……という状況に。
そしてようやく七割くらいまで進んだところです。
「うぅっ、こわいよぉ……もうやだよぉ~……やりたくないよぉ~~~……」
【度重なるホラーで幼児退行してやがる……!】
【いや、元々ロリだし、退行ではないのでは?】
【頑張って! あと三割だから!】
「ぐすっ……ぅん、がんばりゅ……」
【か、可愛すぎん……?】
【怖がるみたまちゃんマジハァハァ】
【おい変態がいるぞ】
【いやまあ、正直泣きそうになってるみたまちゃんは可愛いし、ついついいじめたくなるが……】
「つ、次はここ……?」
現在の僕は廃病院の三階を探索中。
一階と二階は探索を終えていて、一階は一ヵ所だけ地下室へ向かうための扉? があってそこがクリアするために行く場所らしいので、こうして三階を探索中なんだけど……正直、今すぐにゲームをやめたいくらい怖くて、涙が出始めてます……。
だ、だって怖いんだもんっ!
いきなり赤黒く染まった白い服を着た女性が、ナイフを持って狂ったように笑いながらアスリート走りで追いかけて来るし、死体をメスでめった刺しにしている白衣の男の人がとある一室にいて、そこを覗いた瞬間、扉に勢いよく衝突して来て、ずっと血走った目で僕を見ながら『心臓、生贄』と繰り返し呟くんだよ……?
他にも色々怖い場面が多くて……もう、今日はお手洗いに行けない……。
そんな僕は、視聴者さんの助けを得て、次に向かうべきお部屋に到着。
【そこそこ。そこに鍵があるから、回収するようにね】
【ネタバレは面白くないと思うが……なんかもう、みたまちゃんが可哀そうだからなぁ……】
【正直、プレイしてないこっちも怖い……】
「だ、誰もいない……よね……?」
教えられたお部屋の中には、何かに荒らされたような跡がありました。
だけど、それ以外には特に何もない。
天井や床、周囲の備品を細かく見ていくと、本棚と壁の隙間に鍵が落ちていた。
「あ、こ、これだね……それじゃあ、これを取って……」
その鍵を取って早く行こう、と思っていた時でした。
ガシィっ! と隙間の奥から腕が伸びて来て、プレイヤーの腕を掴んできた。
「ひやぁぁ!?!?」
『きゃはははッッ!』
「いやっ、いやぁっ! は、はなしてぇ~~~~っ!」
突然手を掴まれて、甲高い子供の笑い声に僕は酷く怖がって、ガチャガチャとコントローラーを操作すると、なんとか腕を振りほどくことが出来た。
「うっ、ううぅぅ~~~~っ……ぐすっ、ふぇぇぇ……」
【ちょっ、なんか泣きそうだぞ!?】
【天空ひかり:みたまちゃん大丈夫!? 怖かったら私に電話してきてもいいからね!?】
【なんか、ひかりんがガチっぽい感じで言ってるのが草なんだけど】
【まるで姉みたいだぁ】
【雪ふゆり:むむむぅ~! みたまちゃん、私でもいいですからねぇ~~っ!】
【猫夜はつき:いやー、これはかなり怖いゲームだぞ……みたまちゃん、大丈夫?】
【春風たつな:怖かったら止めても誰も文句は言わないだろう。だから、無理してやらなくてもいいんだよ?】
【たつな様がクッソ優しいw】
【いや、正直今のみたまちゃんはこう、庇護欲が凄まじいから……】
「ぐすっ……み、みんな、ありがとう……で、でも、最後までクリアするって、決めてるから……が、がんばるよ……!」
【みたまちゃんえらい!】
【その意気で最後まで駆け抜けよう!】
【私たちが付いてるよ!】
うぅ、本当に視聴者さんたちが心強いよ……。
僕はなんとか心を奮い立たせて、最後の場所へ向かう。
地下室へと続く扉に立ち、鍵を使用すると……
「ひぅっ……!?」
そこには壁や天井、階段すら御札がびっしり貼られた空間が広がっていて、思わず小さな悲鳴を漏らしてしまいました。
「こ、ここを抜ければクリア……」
バクバクとなる心臓に、恐怖で眩暈がしてくるけど、ここを乗り越えればクリアできる、その気持ちだけが僕を前に進ませた。
ゆっくりと、慎重に階段を下りていく。
その間、ずっと同じ光景が続いていて、かなり精神にキツかったです。
【うわぁ、御札だらけの一本道を歩くとか、それなんて拷問だよ……】
【マジで怖いんだけど】
【みたまちゃん、大丈夫?】
「だ、だいじょうぶじゃないよぉ…………で、でも、みんながみてくれてるから、がんばってるの……だ、だから、さいごまでいてね……?」
【ぐはぁっ!】
【いつものロリボイスが、さらにロリボイスにッ……!】
【↑お前は何を言っているんだ】
【俺たちは一緒にいるぞ――――!】
【安心して!】
「ありがとうっ……!」
視聴者さんたちのコメントが一番の味方だよぉ……。
本気で怖くなったら、お姉ちゃんに電話をかけよう……。
そうして、少しずつ、少しずつ、階段を下って行くと、一つの扉に行き当たった。
その扉は真っ赤で、まるで血の色みたいでした。
「あ、赤い扉だ……」
【折角だから俺は、この赤の扉を選ぶぜ!】
【言う奴絶対出ると思ったわ!w】
【雰囲気が壊れるからやめれw】
「い、行くよ……!」
ガチャ、と扉を開けて中に入ると、そこは霊安室でした。
中央には白いベッドのようなものが置いてあって、その中央に布を被せられた人型らしきものが置かれている気がするけど、暗くてよくわからない。
だけど、すっごく嫌な予感がしてならないし……。
「お、奥のアイビーのお花を取ればいいんだよね……?」
【そう。で、あとは……うん、まあ、やればわかる】
「う、うん、それじゃあ……」
僕は霊安室の奥に置いてあるアイビーのお花を手に取った。
『……盗ったな……?』
その瞬間、どこからともなく声が聞こえて来た。
「ふえ……?」
『お前も……私から大切な物を奪うんだな……? そうなんだなァ!?』
「ひやぁ!? な、なに!? なにがおきてるの!?」
突然響いてくる怒号に、僕はパニックになる。
【ちょっ、画面メッチャ揺れてる!】
【おぁぁああぁぁ、お、俺の三半規管ンンンッ!】
【みたまちゃん、とまってくれぇ!】
ドドドドドドッ! と地響きが聞こえてくる。
その瞬間、僕は急いで逃げないと! と思った僕は、行動を開始。
そうして、扉の前に到達した瞬間、
『逃がさない……ニガサナァァァァァァイッッッ!』
ドゴォォォォンッ!
という音が背後から聞こえて来て、強制的に後ろを振り向かせられると、そこには真っ黒なヘドロ状の巨大な何かが僕の方目掛けて追いかけて来ていた。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
【なんだあれ!?】
【みたまちゃん逃げてェ! 超逃げてェ!】
【ダッシュダッシュ!】
「ふえぇぇぇぇんっ! こわいよぉ~~~~~っ!」
既に精神が限界を迎えていた僕は、気が付くとみっともなく泣き出してしまっていた。
ぼろぼろと涙が零れて来て、口からは嗚咽が漏れる。
「うっ、ぐすっ……ふぇぇぇんっ!」
【ガチ泣き!?】
【みたまちゃんあと少し! 真っ直ぐ走るだけだから!】
【頑張れ!】
【天空ひかり:おのれぇ、お化けめぇぇぇェェェェェアァァァァァァァァァ!!!!】
【こっちにもお化けみてぇなのがいるんだけどぉ!?】
【草】
【草】
【雪ふゆり:なんですかこのゲームはぁ~~……みたまちゃんを怖がらせるなんて、いけないゲームですねぇぇぇぇぇぇ~~~!】
【あんたもかいっ!】
すごい勢いで流れていくコメント欄に反応することが出来ず、僕はひたすら前へ前へと走る。
後ろからは絶えずお化けの叫び声が聞こえて来て、焦燥感や恐怖心を煽ってくる。
「うぇぇぇぇんっ! まだきてるよぉ~~~~~っ!」
そう叫びながらも、階段を駆け上がり、遂に病院の出入り口が見えて来る。
そうして、エントランスに到達した瞬間、バタンっ! と操作しているキャラクターが転んでしまった。
「え!? ど、どうしたの!? どうして動かないの!? ひやぁぁぁ!? き、きてるぅっ! きちゃってるよぉ~~~! ふえぇぇぇぇんっ! 怖いよぉ~~~~~っ!」
【ガチ泣きみたまちゃんが可愛い】
【↑お前は鬼畜か? 気持ちはわかるが】
【↑おめーもだよ】
【大丈夫! これ、イベントだから!】
「ぐすっ……い、イベント? そうなの……? あ、画面が真っ暗になった……」
コメント欄でイベントだと教えてくれた人がいて、実際にすぐ画面が真っ暗に。
すると数秒して画面が明るくなる。
どうやら朝になったみたいで、主人公さんが起き上がると、病院の入り口の扉が開いていて、そこからは明るい日の光が病院内に差し込んでいた。
「あ、あそこへ行けば終わり……だよね?」
キャラクターも操作できるし、多分そうだよね……!
「お、おわったぁぁぁ~~~~~……は、早く終わろう……うぅ、叫んでたらお腹空いちゃったし……」
そう言うと、くぅ~~~、とお腹が鳴る。
なんだかんだ、まだ何も食べてないからね……それに、もう八時だもん。
一応枠自体は九時まであるけど……。
【悲鳴ばっかだったもんねw】
【悲鳴御馳走様でした】
【おいおいw】
【この後何食べるの?】
「そ、そうだね……んと、ラーメンかな……」
なんとなくラーメンが食べたい気分。
【ラーメンwww】
【何ラーメンが好きなの?】
「好きなラーメン? んと、豚骨ラーメンかなぁ」
【わかる、美味いよな、豚骨ラーメン】
【近所に美味しい豚骨ラーメンあるけど、マジで最高】
【いいなぁ】
「えへへ、わたしの家の近所にもあるよ~、美味しいラーメン屋さん。ネギ丼も美味しいです」
【え、みたまちゃんって結構食べるの?】
【ラーメンにご飯食べるタイプ?】
「うん、食べる方、かなぁ。体格の割には」
大食漢というわけではないけど、それでも体の割には食べる方だと思います。
この体になってからは、以前に比べると少し食べる量は減ったけど。
「はふぅ、ご飯のお話をしていたら落ち着いて――」
そう、僕が言おうとした瞬間でした。
エンディングを見るために、明るくなった入口へ足を踏み出した瞬間、
『シネエェェェェェェェェェェェェェェ!!!』
突然目の前に人型の黒いヘドロ状のお化けが現れてナイフを振り下ろして来た。
「ひっ、きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ―――……あぅ……」
そこで僕の意識はぷつん、と途切れました。
◇
【あ、あれ? なんかおかしくね?】
【みたまちゃんの霊圧が……消えた……?】
【みたまちゃん!? おーーーーーい!】
【これ、気絶しちゃった感じ?】
【えぇぇぇ……】
【絶対まずいよなぁ……?】
【天空ひかり:こ、この寝息は、みたまちゃんの寝息!? なんて尊い!】
【雪ふゆり:はっ! みたまちゃんの寝息が聞こえますよぉ~~~~! これは、録音しなければいけませんねぇ~~~っ!】
【同時に反応してて草】
【おいロリコン共w】
【なんであんたら聴こえてるんだよッ!】
【デレーナ・ツァンストラ:だ、大丈夫なのかしら? べ、別に、心配なわけじゃないけどっ!】
【相変わらずっすね、ツンデレちゃん】
【春風たつな:これは起きるのを待つしかないかもしれないね】
【記念枠で寝落ちならぬ気絶落ちかぁ……】
【あ、トレンド入りしてるw】
【はやっ!】
【猫夜はつき:とりあえず、みたまちゃんが起きるまで待つしかないぞ! あ、一応マネージャーには連絡しておいたぞ】
【はつきっち有能】
【意外と有能だな……】
【見直したぞ、脳筋猫】
¥3,000
【なら今のうちに治療費という建前で投げ銭しとくか】
¥1,000
【草。まあ、俺も送るけど】
¥900
【同じく。薬代に】
¥4390
【診療代に】
¥12,000
【深海いるか:ん、美味しいご飯代とお薬代】
【お前らw】
【いるかちゃんも何してんの……】
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