配信#1 初配信は噛み噛みにっ!
※ コメント欄が見にくいなこれと思ったので、『:』から『【】』に変更しました。
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【《らいばーほーむ三期生》神薙みたまの自己紹介だよっ!《初配信》】
神薙みたま/Kannagi Mitama
チャンネル登録者 8390人
13,902人が視聴中
【おっ! 始まった】
【なんか、すっごい幻想的な神社っぽい】
【社が開いて光って……】
【よっしゃああっぁぁぁぁぁ! 狐っ娘だああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!】
【可愛いいぃぃぃぃぃぃ!】
オープニングムービーが流れ始めると、一気にコメント欄が盛り上がった。
ふわぁぁぁ! い、いっぱい! いっぱい見てるよぉっ!?
ぼ、ぼぼぼ、僕、だ、だいじょ、大丈夫、かな……? 色々やらかさない……? す、すっごく心配になって来ちゃったよぉっ……!
と、心の中でひたすらあたふたしている間にもオープニングはあっという間に終わり、僕の分身、『神薙みたま』が画面に映し出された。
【キターーーーーー!】
【キターーーーーー!】
【来たぞーー!】
【一番待ってた!】
【個人的好みドンピシャだが、中身は果たして……!】
【全裸待機は当たり前だよなぁ!?】
【変態がおって草】
神薙みたまが映し出された瞬間、コメント欄は一気に盛り上がりを見せる。
よ、よしっ! と僕は心の中で気合を入れた。
「こ、こんたま~!」
こんたま、これが僕こと『神薙みたま』の挨拶。
う、うん、まずは上々……って、あれ? あれれ?
【ん? なんか音出て無くない?】
【お? 事故か? 早速事故か?】
【あ、やっぱみんな音出てないんだ】
【初手ミュート芸とはたまげたなぁ】
【なるほど、ベタだがある意味鉄板ネタ……ふっ、面白い】
ど、どどどど、どういうこと!? お、おとっ、音が入ってない!?
突然のハプニングに慌てふためく僕以上に、コメント欄の流れが早くなる。
【すっごいあたふたしてるw】
【これだけで既に可愛い】
【大丈夫か?】
【涙目良き】
【初手涙目は助かる】
【ってか、涙目差分あるんかいw】
【これ描いた奴絶対変態だな……素晴らしい!】
などなど、今の僕の状況を指したコメントが流れていく。
ど、どどど、どうしよう!?
と、一人でパニックになっていると、スタッフさんがカンペで音の入れ方を教えて来て、大急ぎでその指示通りに動き、試しに声を出してみる。
「あ、あの、き、聴こえていますでしょうか……?」
【お、声聞こえた!】
【きたきた!】
【は? どちゃくそ可愛い声なんだが?】
【大丈夫聴こえてるよー!】
【天使か!?】
よ、よかった、聴こえてるみたい……。
じゃ、じゃあ、気を取り直して……。
「あ、改めまして……こ、こんたま~っ! 一人前の神様になるために人間さんたちの世界にやってきましたっ! 神薙みたまだよ~っ! おにぃたま、おねぇたま、よろしくお願いしまひゅっ――ふえぇぇぇんっ! 噛んじゃったよぉ~~~っ!」
その場の勢いで誤魔化すように自己紹介をした瞬間、思いっきり噛んでしまった僕は顔を覆っていやんいやんと頭を左右に大きく振る。
だけど、チラッと見えたコメント欄はなぜかかなりの速度で流れていく。
【ごはっ……!】
【お、おにぃたま、呼び、だと……?】
【いや待てっ! それ以前に、やっぱ声が可愛すぎだろ!?】
【あ、やばっ――( ˘ω˘)スヤァ】
【浄化されs――】
【おい、死人が出まくってん――】
【あれ? おかしいな、体が透けてきた?】
あ、あれ!? なんかコメント欄がおかしいような……?
「あ、あの、ぼ、ぼく――じゃなくて、えと、あの、わ、わたしの声、変……?」
あまりにもおかしな状況に、僕は恐る恐るこの声が変じゃないか尋ねた。
これでもし、変って言われたら辛い……。
【変じゃないです可愛かったですありがとうございました】
【今僕って言いかけなかった?】
【まさか……僕っ娘!?】
「ち、ちちちっ、違うよっ? ぼっ、わ、わたし、だよっ!」
【嘘が下手すぎるw】
【可愛いかよ】
【やばいな、ミュート事故からの天使の如きロリボイスは破壊的だ……】
【おねぇたま呼びされた瞬間、ノータイムで登録ボタン押したわ】
【わかる】
【同じく】
い、一応好意的に捉えられてる……のかな?
ちらっとスタッフさんの方を見ると、なぜか鼻血を流しながらいい笑顔でサムズアップをされました。
いいみたいです。
ただ、鼻血は心配です……。
「そ、それじゃあ、もうちょっと詳細な自己紹介をするよ……?」
【よっしバッチコイ!】
【なぜ気合を入れるw】
【馬鹿野郎! こんな天使のロリボイスだぞ!? 気合を入れなければ即死だ!】
【ここは戦場じゃねぇんだよなぁ】
よ、よかった、コメントは荒れてない……おかげで、ちょっと落ち着いて来た。
うん、今なら大丈夫……。
そう思うことにして、プロフィールを映し出す。
「年齢は人間さんの世界だと、十七歳になっていない十六歳だよっ」
【え、マジ? 未成年? ってか、高校生?】
【現役JK、だとっ……?】
……そこ、反応するんだ。
ただ、一応僕ってJKというより、DKだと思うんだけど……あ、でも、体は女の子だから、JK……?
「し、身長は……うんと、測りはしたんだけど……その、ちょっと、ショックすぎて記憶に残ってなくて……多分、140センチあるかないか、くらい……?」
【ショックすぎてwww】
【記憶に残ってないってなにがあったの?w】
【十七歳でそんなことってある?】
だって、病院に行った時に、TS病って診断されて、そのショックから記憶に残ってないんだもん……。
「好きな物は……えと、美味しい物っ。えんがわが特に好きっ!」
【渋くて草】
【えんがわが好きなロリか……】
【チョイスよ】
「し、渋くないもんっ! 普通だもんっ!」
コメント欄では、渋いというコメントで溢れかえり、それがなんとなく嫌でむっとしながら言い返す。
【おいおい、そう言う口調で話すのは止めてくれ。心臓が止まっちゃうだろ?】
【ほっぺぷくーってしてそう】
【可愛い以外の言葉が見つからねぇぞ】
「だって、えんがわだよっ? 噛みしめる度にあふれ出て来る徐々に甘く感じる脂と、あの不思議な食感っ! すごくいいと思うのっ! 特に、炙りえんがわは最高だと思ってるよっ! 炙ると、すっごく柔らかくなって、とろけるような食感に変わるのでっ! あ、あと、わさびえんがわっていう軍艦も大好き! わさび美味しいし、えんがわも美味しい! だから、美味しいと美味しいの組み合わせはとっても幸せだと思うのっ!」
【草】
【草】
【草】
【えんがわに熱くて草】
【えんがわ愛があるなぁ(遠い目】
【可愛いけど、好きな食べ物がえんがわは控えめに言って面白いんよ】
【というか、ギャップが凄まじすぎんだろw】
「あっ、ご、ごめんなさい……つい熱くなっちゃいました……」
【ええんやで】
【えんがわ、美味いもんな】
【食ったことないけど、今度食べてみるわ。気になった】
ついつい、えんがわについて熱く語っちゃったけど……よかったぁ、どうやら怒られてないみたい……。
「そ、それで、嫌いな物は……えと、甘い物、かな?」
【意外過ぎる】
【どう見ても甘い物好きそうなのに】
【そのビジュと声で甘い物苦手は嘘だろー】
「ほ、本当だよぉっ! 僕、昔から甘い物が苦手で……一応、一部のチョコレートとかプリンは食べられるんだけど……和菓子とか蜂蜜、メープルシロップとかダメで……」
【僕っ娘になってる】
【素が! 素が出てるぞー!】
「ひゃぁ!? ち、ちちちっ、違うよっ!? 今のは違うよぉ!」
つい素が出ちゃって、慌てて訂正しに走るけど……
【ふははは! 今更訂正はできんぞ!】
【ふっ、僕っ娘お狐様ロリか……いいじゃん】
【すみません、可愛すぎて心臓が止まったので責任とってください】
視聴者さんたちは意地悪なことを言ってきました。
「あぅぅぅぅぅ~~~~っ! みんな意地悪だよぉ~~~~っ!」
【やべ、なんか泣きそう】
【でも可愛いからこのまま続けたい】
【鬼畜がいるぞーー!w】
本当に泣きそうです……。
で、でも、これもある意味芸みたいなものなのはわかってるから……つ、続けないと。
【猫夜はつき:大丈夫落ち着くんだぞ! 落ち着けばなんとかなるぞ!】
【深海いるか:ん、初めてだから気にしない方がいい】
【雪ふゆり:そうですよぉ~。ゆ~っくり、話せばいいのですよぉ~】
って、あれ!? 僕以外の三期生がいる!?
【ちょっ、他の三期生もいるやんけw】
【見に来てたんか】
【そう言えば、この辺にぃ、誤字りまくったVがいるらしいっすよ?】
そんなコメントを見て、僕はさっきの配信のことを思い出して、慌てて謝罪する。
「あ、あのっ! その、さ、三人とも、ごめんなさいっ!」
【唐突な謝罪は草】
【おっとー?】
「そ、その、配信中に変なメッセージを送っちゃったから……本当に、ごめんなさいっ!」
【猫夜はつき:気にしないでいいぞ! ちょっと気になっちゃったけど、みたまちゃんの配信を見てたら、頑張って送ったんだなーってわかって嬉しかったぞ!】
【深海いるか:ん、知った瞬間、尊いが頭の中に溢れた】
【雪ふゆり:うふふぅ~、可愛らしかったですよぉ~】
「あ、ありがとうございます……」
うぅ、優しい人たちで良かったよぉ……。
【すぐに謝れる素直な娘やな……】
【荒んだ俺たちからすれば眩しすぎるぜ……】
【これが、浄化かッ!】
【お前は一体何を言ってるんだ】
「あっ! ご、ごめんなさいっ! え、えと、そろそろ時間がないから……ふぁ、ファンアートタグと、ファンネーム、あと配信タグを決めていくよっ! 何かいい案はあるかな……? おにぃたま、おねぇたまっ……!」
うぅっ、は、恥ずかしい呼び方だよぉ……!
なんでこんな呼び方なの……?
【やっぱこの声でおにぃたま、おねぇたま呼びは反則だろ……】
【ファンネームなら、安直だけど『みたま民』とか?】
【いや、みたまちゃん神様の見習いだから、『神主』とか?】
「あ、神主いいかも」
【確かにいいかもしれんが、できれば名前が付いているほうがわかりやすいんじゃないか?】
「そ、そっか……うーん……」
【ならもういっそ、『みたまの民』でいいのでは? みたま民より、ちょっとそれっぽくね?】
【たしかに、ちょっとそれっぽい】
【何がそれっぽいかはわからんが、それっぽいよな】
「うんっ、それにするっ!」
【すっげぇ嬉しそうだなぁ、おいw】
【というか、決まるのがはえぇなぁ】
【早くていいんだよ、知らんけど】
「じゃあ、次はファンアートタグだよっ。何がいいかな?」
【みたまのお賽銭箱】
【それだ】
【お前天才か?】
「うん! じゃあ決まりっ! ファンアートタグは『#みたまのお賽銭箱』に決定っ!」
すごくしっくりな物がきたので、すぐにそれを採用。
いいね、みたまのお賽銭箱。わかりやすいし。
【爆速で決まってて草】
【割と悩むような物なはずなんだがなぁw】
「最後っ! 配信タグ!」
【みたま神社】
【みたまの社】
【社isみたま】
【みたまの部屋】
「わわっ、い、いっぱい来た! え、えっと……わ、わたしは、みたま神社か、みたまの社がいいけど、ど、どっちがいいかな……?」
【見習いだから社】
【たしかに。見習いが関係あるかはさておき、それなら社だな】
【社一択】
【神社もいいけど、みたまちゃんちっちゃいから】
【ちっちゃいからwww】
「結構社が多いねっ。じゃ、じゃあ、配信タグはみたまの社で決まり! あ、いっぱい案をくれてありがとうっ!」
本当に、こうして案を出してくれるのはすごく嬉しいです……。
「あ、もう時間みたいなので、初配信はここまでっ! えと、わたしはお昼は人間さんたちと一緒にお勉強をしているから、先輩さんや同期のみんなよりもあんまり時間が取れないかもしれないけど……こ、今後は雑談やゲーム配信をメインにが、頑張るからっ……み、見てくれるとっ、う、嬉しいでひゅっ! ふえぇぇぇぇぇっ、また噛んじゃったよぉ~~~っ!」
肝心なところでまた噛んでしまった。
うぅ、恥ずかしいよぉ……。
【もはや噛んでからの『ふえぇぇ』が一種の芸だろ】
【必死にお願い+噛み噛みはいいゾ~、これ】
【あぁ^~~~~心が浄化されるんじゃ^~~~~】
【チャンネル登録しました! 次も楽しみにしてます!】
【登録しました! 応援してます!】
【登録したからな! 頑張ってくれよ!】
「あ、ありがとうございますっ! じゃ、じゃあ、今日は視てくれて、ありがとうございましたっ! また次の配信でねっ! おつたま~っ!」
【おつたま~!】
【乙たま~】
【おつたまー!】
【おつたまぁぁぁぁ!】
挨拶をしてからある程度の間を空けてから、僕は配信を終了させました。
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