エネルギーモンスターズ

甲羅に籠る亀

第1話

 「それでは契約紋章の儀式を行ないます。痛みがありますから我慢してくださいね。」


 「は、はい!」


 今日は契約紋章を身体に刻む日だ。空き教室にある小さな祭壇の上に乗ると、この日をどれだけ待ち望んでいたかと思ってしまう。これで俺もエネルギーモンスターであるエネモンと契約する事が出来る!


 やっと十歳になってエネモンと契約する事が出来る年になって俺は舞い上がっていた。


 今か今かと待ちながらいつ来るか分からない痛みに耐えられる様にしていると背中に突然痛みが走った。


 「いったー!!」


 「はい、我慢してください。すぐに終わりますから。」


 契約紋章を刻む儀式を行なってくれている初老の巫女さんが言う通りそれからすぐに痛みは引いた。


 「初めての紋章刻みですから。それほど痛みはないですよ。」


 確かに小指を箪笥にぶつけた時の痛みくらいが数秒だけだったからそこまでではなかったのだろう。


 この契約紋章を刻む契約刻みは回数を重ねる度にどんどんと痛みが増すがその代わりにエネモンと契約可能な数は増えるという儀式だ


 でも最近ではエネルギーデヴァイスという物が開発されたお陰でエネモンとの契約に契約紋章は必要なくなったが、それでも最初の一匹目のエネモンとの契約は契約紋章での契約と国で決められているので誰でもこの最初の痛みは経験している。


 「次は契約です。このエネルギーエッグに触れてください。そしたら契約紋章が反応しますから契約をすると意識する。すると、エネルギーエッグと契約してエネルギーモンスターが産まれるわ。さ、やってみてください。」


 「分かりました。」


 巫女さんに言われた通りに俺はエネルギーエッグに触れる。すると背中の契約紋章が熱を持ったかの様に温かくなり、このエネルギーエッグと契約する事が出来ると何故だか思った。


 「契約!!」


 声に出してエネルギーエッグに触れながら言った瞬間に背中の契約紋章が熱と共に光を放ち、俺はエネルギーエッグの中に居るエネモンとの契約が成立した。


 契約と同時にエネルギーエッグはピキピキと音を立てて割れる。


 割れたエネルギーエッグの卵の殻はエネルギーに変換されたのか霧散していく中で、エネルギーエッグがあった場所には薄いピンク色をしたもちもちとしてそうな水饅頭の様なエネモンが居た。


 「ポヨー!」


 「契約も終わったね。このエネルギーデヴァイスの使い方は分かるね。」


 「はい。」


 「それなら使ってそのエネモンを調べてみなさい。」


 巫女さんに言われた通りに手渡されたエネルギーデヴァイスを使用して産まれたばかりのエネモンを調べてみた


ポヨポヨ

幼年期

全てのエネモンの幼年期の形態

戦闘能力はないが、それでも破裂すると静電気みたいな痛みがある泡を吐く攻撃を行なってくる

必殺技

ビリッと泡

破裂すると静電気の様な痛みを受ける


 「出来た!これからよろしくな、ポヨポヨ。」


 「ポヨ!」


 エネルギーデヴァイスでポヨポヨを調べ終えた俺は目の前のエネモンであるポヨポヨに挨拶したら、ポヨポヨも俺に向かって挨拶をして来た。


 「さて、次ですよ。そこにあるエネルギーキューブとエッセンスを使ってポヨポヨを進化させるんだ。」


 「はい。」


エネルギーキューブ

エネモンを倒した際に落とすエネルギーの塊

四角い形をしており、強力なエネルギーを内包しているほどに黒くなる

白、青色、緑色、黄色、橙色、赤色、朱色、茶色、黒色、漆黒色の順に内包エネルギーが強くなる

エネモンの回復や進化にも使用する


エッセンス

エネモンが進化するのに必要な要素

エネモンごとに内包しているエッセンスが違く、それが影響して姿形や能力が変わる

エネモンを倒した際に落とし、エネモン自体も自身で生成する


 「ポヨポヨ、どのエッセンスが欲しい?」


 「ポヨ?ポヨ!!」


 プニプニしているポヨポヨを抱っこしてエッセンスの前に連れて行くと俺はポヨポヨ自身に選ばせる。


 「お前さんが選ばないのかい?」


 「はい。特にどんなエネモンになって欲しいか決まってないので、それねらポヨポヨ自身に選ばせた方が良いと思って。」


 「なるほどね。でも変なエネモンでも捨てるのは許されないよ。」


 「はい、分かってます。」

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