異世界転移させられ、チート能力を貰えなかったので、自分の力で神を殺す事にしました

狂歌

第1話目覚めとスライムとデンジャー

「スゥー……ハァー……ん」


 心地のいい眠りから意識が覚醒する。

 目を開くと、雲一つない青く澄んだ空が見える。

 ゆっくりと体を起こし、辺りを見渡す。

 辺りは建物が一切ない草原だった。


「ここ……どこ?」


 もちろんの事だが、俺には広々とした草原でごゆっくりと昼寝をする趣味はない。

 強いていうなら、夜空の下だったら……ってそうじゃなくて。

 そして、ここは俺が知っている場所じゃない。

 いや、正確には知らない世界と言うべきか。

 何故なら、俺の目の前に見たことない物体がいるからだ。


「……え?」


 俺はその物体を見た時、目を丸くした。

俺の目の前にいる物体は……生きている。

いや物体だから生きてるのはそうなのだが……この世の物ではない見た目をしていた。

それは動物と言うにはあまりにも可愛らしすぎた。

小さく。

丸く。

そしてずっと跳ねていた。

容姿はまんまるとしたグミみたいな形をしており、身体はプルプルと柔らかそうだった。

当然ながら俺はその正体を知っていたのだが……それは空想上の生物……スライムに当てはまっているのだ。

 どうやら俺の頭はおかしいらしい……ここは1つ横になって休むとしよう。

そうだよ寝てしまえば元のビルの屋上にいるかもしれない。

俺は期待を胸に抱きながらまた横になり、目をつぶる。

そうして目を開けたら、元の世界に戻っ……てなどなかった。

 俺ーー波留樹なるた千花ちかはどうやら……よくある異世界転移をしたらしい。

いやそんな訳ないだろ!!

思いっきり首を横に高速で振る。

うっぷ……やりすぎた。

口元を抑えながら四つん這いする。

これは夢……って展開になりたかったけど……この吐き気、地面の感触……リアルだ。

って事は……このスライムも本物?

俺はゴクリと唾を飲み込むと、右手をスライムの方にゆっくりと向かっていく。

触れる直前、俺の思考は宇宙猫と共に去っていった。

スライムの可愛らしい口が大きく広がると座っていた俺の身長を軽く越し、鋭利な無数の歯があった。

しばらくし、俺の意識は戻ってくる。


「え?……ん?……はァァ?!?!」





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異世界転移させられ、チート能力を貰えなかったので、自分の力で神を殺す事にしました 狂歌 @kyouka00

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