サインください
天川裕司
サインください
タイトル:サインください
私はラジオ局に勤めているパーソナリティー。
この番組は少し前に始まった最近の番組で、
リスナーから送られてくるハガキで成り立っている。
そのハガキの内容からいろんなコーナーも生まれ、
今じゃ結構有名な、人気の番組になってくれていた。
その日も仕事があってラジオ局へ行く私。
「どうぞこれからもよろしくお願いしま〜す!」
なんていつものお決まりの挨拶をして、その日の収録を終えた。
翌日、私宛てにリスナーからのハガキが届き、
「昨日の番組とても面白かったです♪今度いつかまたあの『古今東西、にしひがし〜♪』のコーナーも復活させてくださいね♪」
と嬉しいことを言ってくれた。
私はリスナー用に私書箱のような形で
ハガキを受け付ける部署を1つ設けており、
そこに毎回送られてくるありがたいハガキながら、
いつもできるだけ全部読むようにしている。
まぁこういうのも
リスナーとの絆を持つ上で大事なことだ。
でも最近は忙しく、ハガキを読む暇もなかなかない。
プライベートでさえ忙しくなってきて、
「はぁ〜できたらお休みが欲しいなぁ」
なんて毎日思うようになっていた。
(ラジオ局)
「お疲れ様〜」
今日もその日の収録分を取り終え、帰宅する。
するとラジオ局のロビーのところに番組のファンの
リスナーの人たちが何人か待ってくれていて、
「サインください♪」なんて言ってきてくれた。
私も結構その番組で人気が出ていたものだから、
半ばアイドル的存在として彼らにも人気があった。
そんなファンを大事にしようと、
私は一人ひとりにサインを書いて渡してあげた。
「ありがとうございます!」
「これからも応援してます」
なんてまた嬉しいことを言ってくれる。
これが私の生活の活力になるんだ。
「よし♪もっともっとみんなの為に夢に向かって羽ばたいて行こう♪」
そんな気持ちになって、
その日また活力をもらった私は充実して家路についた。
それから私は仕事の都合で引っ越した。
ある日、私の家のポストにハガキが1枚届いていた。
「昨日の放送も面白かったです♪これからも応援してます」
昨日の収録分を今日聞きながら、すぐ警察に走った私。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=xdrFnBsF4mI
サインください 天川裕司 @tenkawayuji
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