壁と芋虫

天川裕司

壁と芋虫

タイトル:壁と芋虫


夏の夜。

僕が部屋の壁を見ていると、

芋虫が壁にへばりついていた。


へぇ、芋虫なんか見るの久しぶりだな。

郊外に住んでいながら、最近は芋虫をほとんど見たことがない。

と言うか虫もあまり見たことがなかった。


その芋虫は壁をゆっくり登り続け、

やがて壁の半分の高さまで来た。


「おぉ、ここまでのぼれたね。あともう少しだ。天井までもう少し」


別にそのイモムシが天井に向かって登ってるのか

どうかわからなかったけど、

とりあえず天井を1つのゴールとし、

僕はその芋虫のことを応援していた。


「あと少し、もう少し」


7割ほどの高さまで来た芋虫。

そこで少し方向転換し、

次は30度ぐらい右に折れて登りだした。


「なんだよ、まっすぐ登るのかと思ってたら」

なんか知らない残念がやってきた。


でも壁の途中にひび割れがあった。

いやよく見ると僕が昔描いた落書き?

その落書きの線に沿って、

芋虫はまた上に上にと登って行く。


少し窓を開けた。

すると風が吹き込んでくる。

心地よい涼風だ。


芋虫はこけちゃった。

失敗したなぁと少し反省。



意味の怖さがわかったでしょうか。

怖いと言うか少し奇妙な話。


ヒントーー天井の四隅


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=0Imlw7aav3M

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

壁と芋虫 天川裕司 @tenkawayuji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ