第10話 戦後処理

芹澤は、おもむろにスマホで、連絡をいれた。


「完了した」

依頼の完了報告をして、タバコに火をつけ、一服しながら、仲魔たちを労い、召還を解除していく。


帰還リターン

どこか寂しそうな声色に聞こえたが、俺も同じ立場なら、そうなるかもなぁと感じた。

それ程、召喚士【マスター】と仲魔との絆というか、繋がりは深いものと感じた。


倒したゴブリンたちのあとには、魔石と呼ばれるドロップアイテムが落ちていた。

これらのものは、特殊な場所で、特殊なルートで取引されているらしい。


こんな光景を目の当たりにすると、芹澤という人間が、

善なのか、悪なのか判断がつかないし、この人間に憑依というか、感覚共有しながら、擬似体験状態の俺は、どうしてこんな経験をさせられているのか?この先、どうなるのか?

自分自身の身体に戻るのか、

ってか自分自身の記憶は曖昧で、自分の身体があるのかもわからない。


考えはじめると、不安しかないが不思議と、この体験は、悪い気がしていない。むしろ心地よく感じていて、自分も仲魔がほしいとすら思っている。

とりあえずは、なるようになる、目の前で起きることを

くもりなき眼で、

見極めていくだけだ。


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