旅はRPGに(会話の練習作)
澁澤弓治
親切のつもり
旅はRPGに
青い森の中の轍を一台の車が走っていた。薄い霧が発生して何もしていないなら涼しく過ごしやすい、しかし風が当たると寒い気候だった。
車は元々軍用車でタイヤが細く、丸いヘッドライトが少し可愛らしい茶色のオープンカーだった。車に乗っているのは三人。
三人は旅人で住む土地を探していた。
「ねぇ次の国まであとどれぐらいー」
一人で後部座席に座る金髪に碧眼の13歳ほどの少女は、首から革とガラスでできた粉塵を防ぐゴーグルをかけ、粉塵を防ぐマントを羽織っていた。
「次の国に着いたらどんな役にする?」
少女の話を完全に無視して、助手席(左側)の自然と額で髪の毛の分かれた青年は茶色いコートを羽織っていた。少し低い声だった。
「なぁ次の国はどうするよ」
「次は。姫がいいわ、亡命してきた姫、あなた達従者で召使い」
少女は無視されたことを無視して会話を続けた、反論しても無駄だと考えたからだ。
「めんどくさいRPGはやめよう、やってて疲れる」
今までの運転に熱中していたかと思われた、少女よりも暗い色した金髪、助手席の青年より華奢な体付きの青年は黒い合成繊維のコートを着ていた。前をみたまま疲れたように冷静に窘めた。
彼らは入国するまえに適当なロール(役)を決めて、それに沿って滞在するのだった、それを彼らはRPGと呼んでいた。
「じゃあどうしたいの……」少女は妥協してやるよという表情だった「つまんないのいわないでよ」
退屈を嫌う姫のようだった。
「そうだなぁ……生物学者とか」
「ジョンがそうするの?」
運転中の青年がジョンという名前らしい。
「……そりゃあ僕でしょ」
「じゃあ私らは?」
「……アリスがいとこ、ルークが護衛」
少女の名前がアリスで、助手席の青年がルークというらしい。
「ルークは私の護衛かしら、やっぱりルーク(城)ね」
「護衛ってなにするんだよ、突っ立てるなんて暇なのはいやだぜ」
ルークはひさしぶりに会話に加わった。左腕をオープンカーのドアの縁にかけていた。
「ライフル入ってそうなバックでもかつどけよ」
ルークはジョンの投げやりな提案に食いついた。
「アリス、後部座席の下のライフル取ってくれ」
ルークはガンマニアだった。
「今しなくていいだろ」
ジョンが今じゃなくていい言いているのにアリスは席の下をのぞき込んでいた。
席の下には、空間があって箱に入った弾薬や合成繊維の袋に入ったライフルとスナイパーライフルが入っていた。ずさんで不用心極まりない管理方法である。
「はい」
アリスがライフルを袋ごと差し出したとき、霧の奥にぼんやりと城壁が見え始めた。
――――――――
会話を増やす練習用に書く予定です、会話のコツなど教えて頂けると幸いです。
キノっぽいとかいてはいけない……
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