魔女狩リ狩リ~錬成の魔女と眷属の復讐劇~

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プロローグ 魔女 

 昔々、とある国の山奥深くに、とても恐ろしい『8人の魔女』が住んでおりました。

 魔女たちは、たまに人里へ降りて来ては、不思議な魔法を使って人々を脅かし、怯えさせ、悪戯を繰り返しておりました。


『星詠の魔女』はマイペース。気まぐれに紡いだ言葉の全てが、禍いとなって人々に降りかかりました。

『契約の魔女』は暴れんぼう。見たことのない獣を呼び、多くの畑や家畜、子供から大人にまで被害を与えました。

『毒薬の魔女』はミステリアス。井戸水や大地に毒を混入させて、多くの人々の健康を害したのです。

『呪術の魔女』は臆病者。呪いの儀式によって、不幸や悪夢を撒き散らし、心を苦しめる厄介者でした。

『錬成の魔女』は怒りんぼう。気に入らないことがあると、彼女が生み出した秘密道具を使ってメチャクチャに暴れちゃうのです。

『不滅の魔女』は命知らず。大人が束になっても敵わないほど高い身体能力で、他の魔女たちを護ってしまいます。

『超越の魔女』はとてもワガママ。何でも思い通りにならないと気が済まず、人々を思うがままに欺き、操りました。


 この7人を産み落とした始まりの魔女──『原初の魔女』は、とっても悪い魔女でした。

 神様の教えに背き、悪魔と仲良くして、妖しい魔法を幾つも生み出していったのです。




 ある新月の夜、魔女たちは『儀式』を執り行いました。

 それは、病を流行らせ、飢饉が起こり、方々に反乱を伝播させ、世に災厄をもたらす儀式だったのです。

 世界は夜の帷に包み込まれ、狂気と混乱によって、大勢の人が死にました。

 子供から老人までが死んで、痩せ細り枯れた大地だけが残りました。

 けれど、勇敢な王様が騎士たちを引き連れて、『原初の魔女』を討伐したのです。

 おかげで世界に光が戻り、平穏な日々がが戻ってきたのです。

 残った人々は、互いに助け合いながら、幸せに暮らしましたとさ。

 めでたしめでたし──。






 ──でも、悪い魔女たちは、まだいろんなところに潜んでいます。

 夜の世界に溶け込んで、悪魔と悪いことをたくらんでいるのです。

 魔女たちは、1人も残さず駆逐しなければいけません。

 魔女たちを見つけたら、必ず殺さなければなりません。

 そうしないと、また、世界を混乱の闇夜に包み込む『儀式』が──『ヴァルプルギスの夜』が、開催されてしまうのだから。

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