狂思相愛〜超真面目人間な俺に年下ヤンデレ彼女ができました〜
ゆきのあめ
第1話:通知267件
「一生あなたのために生きるから、私と付き合ってください」
俺、
そんな俺に、今目の前に告白をしてきた女性がいる。
目の下に濃いクマがあり、表情は少し明るいが生気がない。顔立ちは整っているが、ピンクの長髪が目立っている。
こんなにも誠実な告白をされたら、しっかりと返事をしなければ失礼だ。
「
お互いにスマホを取り出して、RINEを交換した。昼休みの終わりが近づいていたので、お互いの教室に戻ることにした。教室へ戻るため、古びた階段を降りる。薄暗い廊下には、微かに埃の匂いが漂い、窓から差し込む光が斑模様を作っている。そんな中、
「
「あの、お付き合い始めたので、私のことは
「はい、
「うん!」
「私、
ふふふと小声で笑っている。その笑い声が、何故か背筋を寒くさせる。
容姿が特徴的でよく廊下や階段で佇んでいるのを見かけてはいたが、俺から何かをした記憶は無かった。
不思議そうな顔をしていたであろう俺の顔を見て、
「そのうち、分かるよ。」
その言葉には、謎めいた予感が含まれていた。
「あの、
「
俺の顔を見上げながらぎゅっと廻す腕の力を強めてくる。その瞳は、不安と執着が入り混じった光を放っていた。
「分かりました。
「本当に?ありがとう、
素直ないい子だな……俺に彼女か……夢みたいだ。
初彼女ができた嬉しさをかみしめながら、俺も教室に戻ることにした。
途中、背後から視線を感じたが、振り返っても誰も居なかった。少し浮かれすぎていたのかもしれない。しっかりしないと。
午後の始めの授業が終わり、スマホを取り出すと、異常に熱を持っていた。電源を入れてみると、RINEの通知が滝のように届く。スクリーンには、無数のメッセージが並んでいた。
「
「
「早く会いたい」
「他の子と話してないよね?」
「本当に大丈夫?」
「授業中も私のこと考えてる?」
「寂しいよ」
「早く授業終わらないかな」
「私だけを見ててね」
「もし裏切ったら…」
「ずっと一緒にいようね」
「大好きだよ」
「私のこと忘れないでね」
「あなたのことをずっと見てるよ」
「私以外の誰とも話さないで」
「私のことを考えてる?」
「他の子に近づかないで」
「私だけが
…………
……
267件もの通知が届いていた。
こんなにもたくさんメッセージをくれるなんて、嬉しい!
でも、授業中にどうやって連絡してるんだろう。
とにかく、せっかく送ってくれたんだ、全てのメッセージに返信をしなければ失礼だ。返信しようとしたとき、
『こっち見て』
顔をあげると、教室の入口に背中を丸めた
階段を下り、暗くて狭い廊下を曲がり、誰もいない教室の前で立ち止まる。彼女は扉を開け、俺を中に引き入れた。教室の中は薄暗く、静寂が支配していた。
「どうして! 連絡してくれないの!!」
彼女の声は震え、その手は小刻みに震えている。彼女の叫びに教室の静寂が砕かれ、俺は一瞬、どう対処すべきか迷った。
「授業中は、勉強に集中しないといけないので」
俺は、ハンカチを
「ほかの女の子と連絡してたんでしょ!!!!」
「いや、俺は本当に授業に」
「そんなに言うなら、RINE見せてよ!!!!」
「あれ、私の連絡先しかない……本当に……」
「
「
「
「
真面目と言われることは多かったけど、それを良いと言ってくれたのは
「
「もちろん、
「他の子に近づかないって約束してね。破ったら、私……耐えられない」
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