妹が勇者になってかまってくれなくなったのでお兄ちゃんは魔王になります。
咲春藤華
プロローグ
第1話 最愛の妹、勇者になる
「にい様、わたし勇者になりました」
「……え?」
「本日の『再誕の儀』で私のジョブが『勇者』であることがわかりました」
「……え?」
え?
お兄ちゃん困惑。
「エレンちゃん……本当?」
「はい」
「本当なのね……」
「はい」
「『お兄ちゃんのお嫁さん』じゃなくて?」
「はい。『勇者』です」
勇者。
それは世界を破滅に導く存在『魔王』に対抗する世界の救世主である。
そして『勇者』は人族からしか選ばれず、『勇者』が誕生したならば、魔族側に『魔王』が誕生した証明である。
『勇者』『魔王』が存在したのは200年前。
魔王が滅ぼされて得た安寧が脅かされる時代の始まりである。
「にい様、わたしは明日にでも教会に赴き、魔王討伐の旅に出ることになります」
「……ヒン(嗚咽)」
お兄ちゃん大号泣。涙ドバドバ滝のよう。
「あ”し”た”し”ゅ”は”つ”?」
「はい」
「お兄ちゃんも付いt」
「だめです」
「ヒン(慟哭)」
「にい様はこの地で平和に過ごしてください。ここも頑張って建てたのに空にするのは早いです」
「……」
「わたしが絶対にこの地を危険にさらしたりしませんので」
「……わ”か”っ”た”」
「はい」
「……」
「一緒に居れなくてごめんなさい」
「うんん、悪いのは魔王と世界よ」
「そうですね。でも大丈夫ですよ、にい様。わたしが強いのは知ってるでしょ? 魔王なんてすぐにでも倒して帰ってきますよ」
「もうエレンちゃんとは遊べないのね」
「……じゃあ、家を出る前ににい様。一緒に装備を整えに行きませんか。王都の教会本部に行くまでも山を越えないとなので」
「そうね。それならエレンちゃんが道中ケガをしないように全身鎧と盾とポーションと……」
「そんなに買わなくても大丈夫ですよ。わたしもだいぶ成長しましたし、それに『勇者』のジョブのおかげで大幅にステータスにプラス補正されたので」
「でも、心配なのよ」
「しすぎですよ。行きましょ」
「ええ」
「白金貨50枚くらいは少ないわよねぇ」
「多いですよ」
「「行ってきます」」
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ここまで読んでくださりありがとうございます。作者の咲春藤華です。
補足として、この世界のお金の単位は以下の通りです。
・白金貨=金貨1000枚=日本円換算
・金貨1枚=銀貨10枚=日本円換算10,000円
・銀貨1枚=銅貨10枚=日本円換算1,000円
・銅貨1枚=青銅貨10枚=日本円換算100円
・青銅貨1枚=日本円換算10円
一話一話は短いので簡単に読めると思うます。
できるだけ更新できるように頑張りますので、続きが気になりましたら是非応援お願いします。
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