幼馴染という呪縛

幼馴染に片思いしてバスケに励んでいたものの一度もレギュラーになれなかった主人公と、バスケ初心者にも関わらずエースの座と幼馴染を射止めた転校生の、部活引退前後での明暗の逆転を描いた作品

失恋を機に初めてバスケや幼馴染以外のものに視野を拡げた結果、難関大学入学、同窓会で羨まれる企業への就職とそんな会社の美人社長と公私共にパートナーとなった主人公

対称的に、卒業式で幼馴染とのデキ婚と高卒就職とを聞かされていた転校生は同窓会に姿を見せず、今は実家暮らしという幼馴染は旧姓での子連れ参加

この高校の部活という人生の一瞬でしか輝けなかった転校生と幼馴染と、その一瞬では輝けなかったものの、その後の人生の大半を占める社会人として輝くことのできた主人公との対比が印象的

目先に囚われて可能性を狭めてしまった人間と、先を見据えて可能性を拡げられた人間との人生における明暗を投影しているかのように感じられる作品でした