第9話 外出


 数日後、私たちは目を覚ました。目を開けると同時に感じたのは、以前とは異なる軽やかな体であることだった。さらに、私たちが生み出した未来の自分たちが、私たちの計画に従って動き始めたことを直感することができた。



 確かに、私たちは彼らに外部で待機するように指示したが、個人活動をしないようにとは言わなかった。最終的には未来の自分であるため、細かい部分まで制御することはできないだろう。



 私たちが目を覚ます前後に、家族たちの間では巨大な悩みと心配があったという。私たちが睡眠の必要がない状況であることも問題だったが、長時間の睡眠状態にあることがより大きな問題として浮上がっていた。



 これについて私たちがいろいろと議論した結果、激しいエネルギー消費による反動として結論づけることになった。そのため、私たちが目を覚ました後は、家族たちを安心させることに専念することでその日の一日が締めくくられた。



 翌日、私たちはとうとう外出をすることに決めた。すでに父から許可を得ていたため、そんな私たちを止める人はいなかったが、子どもたちが自由意思で外出することについては心配しているようだった。そのため、私たちの専属メイドである精霊と悪魔を私たちの外出に同行させることになった。元々私たちは保護者という名目で同行する予定だったため、私たちは何も言わずにこれを受け入れた。



 こうして、私たちは家で朝食を終えてすぐに外出することになったが、そんな私たちが最初に向かった場所は「国際総合商業ギルド」だった。商業活動において公信力を得るためには、国際ギルドの援助および認証が必要不可欠であり、商売のための不動産や土地問題などを解決するのに非常に適している。



 国際総合商業ギルドに到着すると、私たちはギルドの建物を見回した。高い天井と豪華なシャンデリアが目につき、さまざまな商人たちと依頼処の職員たちが忙しく動き回っていた。私たちはギルドの受付に向かい、現在望む事項を話すことにした。



 受付にいたギルド職員は私たちを見るとすぐに大きな関心を示した。「若い貴族の方々、どうしてこんなところにいらっしゃいましたか?」という質問に私たちは沈黙で答えた。その瞬間、私たちの専属メイドである精霊(Eriterna)が現れて状況を説明し始めた。



「この方々は重要な事業を計画中であり、貴方がたが所属する公爵領の子女です。貴方のギルドの援助と認証が必要です」という精霊の言葉にギルド員は頷き、「わかりました。それではこちらにどうぞ。ギルド長が直接お手伝いされます」と言った。



 ギルド長の部屋に案内された私たちは、しばらくしてギルド長との面談を始めた。ギルド長は私たちの計画を聞いた後、「本当に素晴らしい計画ですね。私たちのギルドが皆さんを全面的に支援いたします」と言って肯定的な反応を示した。



 私たちがギルド長に話した内容は大きく三つだった。



 第一に、常備薬品や美容品を中心とした商会を設立する。



 第二に、商会が発展したら、他国からの食料品や工業資源、香辛料などを取り扱う貿易にも興味がある。



 第三に、先述の内容の資金や商品、労働力などは私たちが全て負担する。



 こうして私たちは国際総合商業ギルドの援助と認証を受けることができ、それに相応しい不動産も確保することができた。最初の目標を成功裏に達成した私たちが次に向かった場所は奴隷商だった。














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る