タイトル未定

煮街道

第1話

あぁ、ほんとにこの世界は腐りきってるんだな


そう呟くフードを被った少年。


本当ね、笑 こんなところでまともに生きてるニンゲンが恐ろしいわね…笑


クスッと笑う和服の少女。


これは世界に絶望した少年少女の物語。



高橋 琉生


雨が降りジメッとした時期の6月下旬。今日は既に28度もあるらしい。なんでこんな時期に学校なんて行かなきゃなんないんだよ、!!と思いながら歩く。通学路は太陽が照りつけるアスファルト。さっきまで降っていたであろう雨粒が付いてる紫陽花の花。

「花は大変だよな。水がなけりゃ生きていけない。でも光にも当たらなきゃ育たない。強くもないから暴風が吹けば折れてしまう。」

なのに何でこんなにも美しいと感じるのだろう。そんなことを考えて歩いているとか向こうから着物を着た女の子が傘をさして歩いていた。その子は先程見ていた紫陽花の花のように綺麗な薄紫色の着物を身につけていて、とても可憐だった。たった一目見ただけで恋に落ちてしまいそうなほど美しい彼女はなにか物憂げな目をしていた。

ふと、手元のスマホを見ると8:16と表示されていた。「えっぐいっ!?」HRは8:10から、つまり遅刻確定だ。俺は全速力で学校へ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る