第四章:真実の探求 第6話:運命の導き
幸明と月白の旅が新たな段階に入ったある日、彼らは不思議な出来事に遭遇した。
深い森の中を歩いていると、突然、月白が立ち止まり、ある方向を見つめ始めた。
幸明が不思議に思って見てみると、そこには細い獣道があった。
「月白、そっちに行きたいのか?」
月白は小さく鳴いて答えた。
幸明は月白の直感を信じ、その道を進むことにした。
道は次第に険しくなり、二人は難所を乗り越えながら進んでいった。
そして、ついに彼らは小さな滝のある谷間にたどり着いた。
そこで幸明は、驚くべき光景を目にした。滝の裏に隠れるように、古い祠があったのだ。
「これは...」
幸明が近づいてみると、祠の中に古い石版が置かれているのが見えた。
石版には、判読しづらい古い文字が刻まれていた。
月白が光を放ち、その瞬間、石版の文字が鮮明に浮かび上がった。
それは、はるか昔の賢者が残した予言のようだった。
「人と獣の絆が試される時、白き狼と心通う者が現れん。
彼らの旅路が、世界の調和をもたらす鍵となるだろう」
幸明は息を呑んだ。これは、彼らの旅について語っているのではないか。
「月白、私たちの旅は...もしかしたら、ずっと昔から予言されていたのかもしれない」
月白も深い理解を示すように、静かに鳴いた。
この発見により、幸明と月白の旅はさらに深い意味を持つようになった。
彼らは単なる旅人ではなく、世界の調和を取り戻すための使命を帯びた存在だったのだ。
二人は互いを見つめ、無言の了解を交わした。
これからの旅は、さらに大きな責任を伴うものになるだろう。
しかし、彼らには準備ができていた。
幸明は月白の頭を優しく撫でながら言った。
「さあ、行こう。私たちにしかできない使命がある」
こうして、幸明と月白の旅は新たな段階へと入っていった。
彼らの前には、さらなる試練と発見が待ち受けているはずだった。
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