第三章:迫り来る脅威 第1話:権力者たちの反発
幸明と月白の活動が各地に広がり、影響力を増すにつれ、彼らの存在を快く思わない者たちも現れ始めた。
特に、自然を利用して利益を得ていた権力者たちの間で、不満の声が高まっていた。
ある日、幸明と月白が町を訪れると、彼らを待ち構えていたのは冷ややかな視線だった。
町の長老が幸明に近づき、厳しい口調で語った。
「幸明殿、あなたがたの活動が我々の生業を脅かしている。
これ以上この町で活動することは許可できない」
幸明は冷静に応じた。
「私たちの目的は、自然と人間が共に栄える道を探ることです。それは長い目で見れば、皆様の利益にもなるはずです」
しかし、長老たちは耳を貸そうとしない。
その時、月白が静かに前に進み出た。
月白の目には悲しみの色が浮かんでいた。
突然、月白の体から柔らかな光が放たれ、周囲の人々を包み込んだ。
光に包まれた人々の表情が、少しずつ和らいでいく。
光が消えると、長老の一人がゆっくりと口を開いた。
「確かに...私たちは何か大切なものを忘れていたのかもしれない」
しかし、全ての人が心を開いたわけではなかった。
町を去る際、幸明は背後に冷たい視線を感じた。
その夜、幸明は月白に語りかけた。
「これからは、もっと大きな抵抗に遭うかもしれない。
でも、私たちの道は間違っていない。共に歩んでいこう」
月白は力強く鳴き、同意を示した。
二人の前には、より厳しい試練が待ち受けているようだった。
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