年下の双子王子に求婚されているが、男に興味はありません!

かいとも

第1話

「母さんおはよう。

エイラの所に行ってくる」

「マイルおはよう。

ちゃんとエイラとサエルに伝えるのよ?」

「分かってるって!やっと伝えれるんだから!

そういえば父さんは?」

「もうハイルランド国に言ったわよ」

「もう行ったんだ。

じゃあ行ってきます」

「行ってらっしゃい」


<エリンザ·マイル

 性別 男性 年齢25歳。

 人間の平均より魔力量が多いが、使える属性が1属性も無い。

 魔法は使えないが、人工薬草を作って教会に売っている>


<エリンザ·ミラエル

 性別 女性 年齢50歳。

 ガザルと結婚するまでは、ハイルランド国の教会で働いていた。

 今は小説家として働いている>


<マイルは家を出ていき、近くにある山頂を目指して走っていった。

 普通森の中には、魔力が空気中に沢山あるため、動物の他に魔物が多いが、この森には魔物が居ない。

 森の中に魔物が居ない理由は2つある。

 1つ。

 魔物結界で魔物を入れさせない。

 便利な結界だが、必要な魔力が沢山あるため、結界を張っている場所は少ない。

 金で解決しようとしても、結界にはランクがあり、一番上のSランクで1000万ゴールドが必要。

 2つ。

 何処かと何処かの間で空気中の魔力が濃いと魔物は来ない>


 よし!今日は木の枝が折れてなかったな。

 折れてないおかげで早く着いた!

 もしかして…狩りしてないのかな?それかエイラが狩りをしたのかな?


<森を抜けたマイルが山頂に着いた。

 山頂に居たのは、大きいドラゴンと小さいドラゴンだった>


「エイラ サエルおはよう」

「マイルおはよう」

「ガルル」


<エイラの横にマイルが座ると、サエルはマイルの足の上に乗った>


「今日は狩りした?」

「したわよ。

どうして?」

「今日は木の枝折れてなかったからさ。

今日サエルが狩りしたら、枝が折れそうだったから」

「そういう事ね。

流石に今日は狩りさせてないわよ。

この山の自然が無くなっちゃうわ」

「今日言いたい事があってさ」

「あら奇遇。

実は私も言いたい事があったのよ」

「そうなの!?」


 言いたい事か…。

 この森から別の所に行くとか言わないよね?

 せっかく準備終わったのに。


 言いたい事ね…。

 最近5歳になったから狩りをさせたけど…。

 やっぱり自然破壊しちゃうもんね…。

 それに私達が居るから、マイルの村と山頂の間の魔力が濃すぎるもんね…。

 魔物がこの間に来ない分、他の場所に魔物が沢山居るもんね。

 退いてほしいと言われたら退くけど、サエルと契約を結んでほしいわ。


「先に言っていいかな?」

「ええ、いいわよ」

「山頂と村の間の魔力が濃いじゃん。

だからさ…俺達の村に引っ越さない?」


 え!?今俺達の村に引っ越さない?って言った?

 え?流石に聞き間違えよね?


「え?村に引っ越さない?って聞いた?」

「うん聞いたよ」

「え!?本当にいいの!?」

「いいよ。

村の皆で決めた事だからさ。

嫌ならまた村の皆で話すんだけど」

「嫌じゃないわ!引っ越しさせてほしい!」

「それはよかったよ。

じゃあ、エイラは何が言いたかったの?」

「それは…サエルと従魔契約をしてくれない?」

「え!?従魔契約!?いいの?」

「いいわよ、サエルが契約したいって言ったの」

「本当?」


<マイルがサエルにそう聞くと。

 頭をマイルの手にすりすりとこすった>


「じゃあ、契約してくれる?」


<マイルがサエルそう聞くと。

 頭を上下にブンブンと揺らした>


「親にも言わないと行けないから、もう村に来ちゃう?

それとももうすこしいたい?」

「じゃあもう村に行くわ。

それと、私の上に乗ってくれる?そっちの方が速いし」

「ありがとう」


<マイルはエイラの上に乗った。

 そのまんま村の方に向かい、降りてほしい場所を伝えた>


「なにも無いあの場所に向かって」

「分かったわ」


<エイラとサエルがなにも無い場所に降りると、隣にある家から男性が出てきた>


「エイラ サエル マイルおはよう」

「ワランさんおはようございます」

「ワランおはよう」

「ガルル」


<カイラルサル·ワラン

 性別 男性 年齢55歳。

 全国の神獣と従魔契約をしており、天子か悪魔じゃないかと言われている>


「ワランさん。

ちょっと母さんの所に行ってきていい?」

「いいぞ」

「ありがとうございます」


<マイルは自宅の方へ走っていった>


「エイラとサエルに伝えたい事があるんだ」

「伝えたい事?」

「この場所なんだがな、2人の家にするつもりなんだ。

俺の獣魔達も個人の家がある。

なにを設置したいかとか考えてくれ。

ちゃんと壁も設置されるからな」

「え!?こっちにしかWinありませんか?本当にいいんですか?」

「ああ、全然大丈夫だ」

「あの…実は…。

サエルはマイルと契約するつもりなんです」

「ええ!?マジか!?神獣と契約か!いいじゃないかいいじゃないか!

あ、子供がこの家で住めないからとか考えたか?

そんな心配するな、エイラだけでもこの場所を使って大丈夫だ」

「いつ死ぬか分からないんですよ?勿体無いじゃないですか」

「勿体無い?何処が?命はいつ無くなるかなんて誰も分からねえ。

サエルが大きくなれば、また木を栽培するつもりだった。

気にするな、ここはお前だけの家だ」

「ありがとう」

「礼はいらねえ。

どんな家にしたいか考えとけ。

まぁ、作り終わるまでなにもねけどよ」

「分かりました」


 まさか…こんな立派な場所だなんて…。

 どんな家にするか考えなくちゃね。


<そしてマイルは>


「母さんただいま」

「マイルお帰り」

「マイルお帰り」


<エリンザ·オレバ

 性別 男性 年齢50歳。

 ミラエルと結婚するまでは、ハイルランド国の王の右腕として働いていた。

 今は冒険者として働いている>


「父さんも帰ってきてたんだね」

「ああ、マイルに伝えたい事があるんだ」

「え!?俺も言いたい事がある」

「じゃあ先にマイルからでいいんじゃない?」

「サエルと従魔契約をしたいんだ」

「神獣と従魔契約か?別にいいが、エイラとサエルに許可もらったのか?」

「実は…エイラから提案なんだ。

俺もサエルと契約をしたいと思ってる」

「そうか。

なら俺が言う事はない。

ミラエルはどうだ?」

「私も全然大丈夫よ。

ならちょうどいいんじゃない?」

「ちょうどいい?」

「そう!王子達の護衛してくれないか?」

「無理」

「頼む!」

「無理に決まってるじゃん!剣でしか戦えないんだよ?

普通に護衛を付き人にしたらよくない?」

「分かってるだろ?あの王子達はお前しか許可してないんだ」

「無理!絶対に嫌!絶対に会いに行かない!」

「そうか…じゃあ明日教会だけ行くか」

「ありがとう!じゃあ伝えに行っていい?」

「ああ、行ってこい」


<ワランの家に走っていった>


「あー!無理矢理に行かせるか?行かせないと王子達ヤバイんよな…」

「大変ね」

「大変すぎるよ!マジで困った…従魔契約は見せたくないな…だけどな…」

「今考えてもあれだし、明日王と話し合ったら?」

「そうするわ。

どうなるんだろうな」


<そしてマイルは>


「マイルどうしたの?」

「両親から契約の許可貰った!」


<それを聞いたサエルは、マイルの胸へ飛び込んだ>


「サエル俺も嬉しいよ。

それに、明日契約の為に教会に行けるぞ」


<それを聞いたサエルは、マイルの胸に頭を押し込み、グルグルと頭を回した>

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