付き合っていた義妹に浮気されました。そのせいでやる気が起きなくなっていた俺は...?

アキノリ@pokkey11.1

第一章 朝日が昇る

新たなる光

第1話

野口栄(のぐちえい)。

高校2年生で平凡学生の俺の名前だ。

全てが栄えてほしい、という意味で名付けられたとは聞いた事がある。

短い黒の短髪、四角い眼鏡に友人少なめ。


まあそんな俺だけど平凡じゃなくなってきた。

それは何故かというと俺と付き合っていた高校1年生の義妹、野口由香(のぐちゆか)に浮気された、と思う。

猛烈に可愛い美少女なのだがビッチだった。

彼女が別の男とラブホに行っていたから、だ。


正直、かなり怒りを感じるものかと思ったが。

そういう系のラノベを読んでいるせいかあまり怒りを感じる事が無かった。

それよりも、由香が哀れだなぁ、と感じていた。

恐ろしく落ち着いていた。


「...」


浮気が発覚しての1日後。

俺は外に出てから学校に登校する。

今日は由香は先に日直の為に学校に登校している。

俺はその事を考えながら「ふむ」となりながら学校に登校する。


それから通学路の車用のミラーを見たり、野良猫を見たりしてから歩いて登校する。

当然、義妹とは別れるつもりだが。

だけど何だかそれに対して何か特段思うという事が無い。


まあもう諦めたのかな。

そう思いながら歩いていると日差しが出てきた。

6月の大地に日差しが降り注ぐ。

降り注いでいた雨の大地が乾燥し始めた。


「やれやれだ」


そんな事を呟きながら歩いていると女子の声がした。

「おはようございます。パイセン」という感じで、だ。

正直そんな言い方を俺の背後から俺の目を覆いながらする様な女子は1人しか知らないのだが。

俺はそのまま言葉を発する。


「...何をしている。川宿」

「あれま。気が付きました?」

「当たり前だろ。お前しか居ないしな。俺なんかに構う野郎は」


背後を見る。

そこには柔和な顔をした黒長髪の女子が居る。

顔立ちは目鼻立ちが整っており。

所謂、美少女に該当するが俺にとってはウザい。

川宿成美(かわやどなるみ)という。


「つまらない反応ですね。パイセン」

「喧しいわ。というかお前自身が背伸びをしないと俺の目元に手が届かないのに」

「そうですね。足が攣るかと思いました。背伸びしまくったので」

「馬鹿だなお前」

「アハハ」


そして俺達はいつも通りに歩き出す。

というか朝から接触して来るなんて珍しいなコイツ。

いつもだったら朝は部活動で忙しいのだが。

そう思いながら「部活動は?」と川宿に聞く。

すると川宿は「サボりです」とニコッとして答える。

はい?


「何でサボったんだ」

「え?...あー...それはまあ急用です」

「はあ?...お前に急用とな?...お前のお婆さんが倒れても全てを休まなかったお前が?」

「そうです。...急用ですよ」


ニコニコしながら川宿は俺を見る。

俺はその姿を見ながら「?」を浮かべながら歩く。

すると200メートルぐらい歩いてから川宿が「パイセン」と声を発した。

「何だ」と2人乗りしている自転車の感覚で振り向く。

川宿が「...何でもないです」と柔和になる。


「はあ?」

「...何でもないです。内緒です」

「...意味が分からないな...遅刻するだろ」

「そうですね。...うん。早く行きましょう。パイセン」


それから俺達は少しだけ早足になってから学校に登校する。

そして俺達は別れて俺は下駄箱で靴を履き替えた。

そうしてから教室に入ると「よ」と声がした。


長門昴(ながとすばる)だった。

俺と同じ様に眼鏡を掛けている少年。

そばかすが特徴的。

ただ唯一違うのはコイツはサッカー部に所属している選手だ。

日焼けしている。


「元気か」

「そうだな。...まあ色々あるけど元気だ」

「またイチャイチャしていたのか。義妹さんと」

「...まあな」


俺は肩を竦めて答えながら通学鞄を学習机に置く。

それから椅子に腰掛ける。

すると目の前の前田の席に昴が腰掛けた。

そしてニヤッとしてくる。


「イチャイチャも大概にしろよ?勉強も大切だぞ。学生は。特に人権学習とか小テストとかあるしな」

「まあそれ以外にも体育祭ももう直ぐだな」

「そうだな。死ぬぜ」

「...そうだな」


昴は「んで。夏休みは彼女を作りたいもんだ」とニコニコする。

俺はその言葉に苦笑しながら他人事みたいに「そうだな」と答えた。

そして俺は頬杖を突きながら窓から外を見る。

するとホームルームを知らせるチャイムが鳴った。


「すぐ鳴るからなぁ。まあ後でな。また」

「ああ。...その。昴」

「あ?どうした?」

「...いや。何も無い。すまない」


苦笑しながら俺は昴に小さく手を振る。

昴は「?」を浮かべながら戻って行った。

正直簡単には言えないな。

やはり、義妹が浮気した、とは。

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