喫茶 ホトトギス

ぽてぃお

第1話 喫茶 ホトトギス

路地裏にひっそり佇むレトロな外観の建物。


【喫茶 ホトトギス】


外観の期待を裏切らず店内も相当なレトロ感。まるで昭和にタイムスリップしたかのようである。

赤いビロード生地の椅子に腰掛け、なんとも豪華な装丁のメニュー表を開く。

THE喫茶店なメニューが並ぶ中異彩を放つメニューがひとつ。


『極上珈琲  ¥怖い体験談』


まあ、読んで字のごとく極上な美味さの珈琲なのだろう。

だが『¥怖い体験談』とはどういう事なのか?

タイミングよく通りかかった店員に聞いてみる事にする。


店員曰く、店主がホラー好きで特に怖い体験談を聞くのが好きなのだとか。

〈色々な人からたくさんの体験談を聞きたい。その為にはどうすればいいのか?そうだ!自分は喫茶店を経営している。それに珈琲の味にも自信がある。ならばそれを対価に怖い体験談を聞かせてもらうのはどうだろうか?〉

そうして生まれたメニューが『極上珈琲』というわけだ。


なるほどそれは面白い。

それじゃあ…と『極上珈琲』を1つオーダーする。

少しして先程とは違う青年が珈琲を運んできた。

「お待たせいたしました。極上珈琲でございます。…それではお聞かせ願えますか?貴方の体験談を。」

どうやら彼が店主のようだ。

とても期待に満ちた目をしている。

彼の期待に応えるためにも早速語ろうか。


「これは私が子供の頃に体験した話です。」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る