第37話
一般的な11歳児のエルフよりも体力が付いた頃、僕は領都から離れた場所にあるダンジョンがある迷宮都市の1つ迷宮都市ルナーツにやって来たていた。もちろん護衛の騎士付きだけど。
それでもこんな遠くまで来たのは生まれて初めてのことだから楽しみでもあるし、この迷宮都市ルナーツには来年に僕が通うことになる冒険者や生産職を育てるルナーツ職業学校がある。
今回はルナーツ職業学校には要はない。それに既に父さんがルナーツ職業学校への入学許可は出ている。貴族だからこそ入試を受けずに済むみたいだからだ。
だから今回は行ってみたかったダンジョンに行く予定だ。もしかしたら途中でルナーツ職業学校の見学をするかも知れないけど。
既に宿屋を取った僕たちは迷宮都市ルナーツの中で1番難易度の低いゴブリンの洞穴と言うダンジョンに来ていた。
ゴブリンの洞穴は名前の通りゴブリンしか現れないダンジョンだ。迷路状の洞窟を進んで現れるゴブリンを倒していくことになる。
「カナタ様、他の冒険者も居ますのでスライムたちを野放しにするのは危険ですからね。」
「うん、分かってる。じゃあリム、みんな行くぞ。」
『頑張るぞー!!』
ポヨンポヨンと僕の隣を跳ねて移動するリムを中心に、僕たちの周りを囲むように掛け合わせ召喚で召喚したスライムたちと共に僕たちは出発した。
それからすぐに僕たちはゴブリンと遭遇した。そして……。
「グギャ!?」
「あっ……。」
スライムファイターとスライムビースラビットを掛け合わせ召喚したスライムの跳躍からの一撃でゴブリンは倒されていた。
余りにも呆気ないゴブリンの最後に唖然としてしまう。
「カナタ様、ダンジョンではモンスターは倒されると消えてしまいますよ。」
「あっ、そうだった!!みんな、急いで吸収して!!」
僕は護衛の騎士に言われて思い出した。ダンジョンでは倒したモンスターは時間経過でドロップアイテムと魔石を残して消えてしまうのだ。
急いでスライムたちにゴブリンの吸収をするように指示を出せば、ゴブリンはスライムたちに吸収されて魔石だけ残される。
完全にゴブリンの死体は吸収されればダンジョンでもドロップアイテムは残さないみたいだ。
俺はゴブリンから出た魔石をリムに任せてボックススライムの力で収納して貰う。
それから僕たちはゴブリンの洞穴の探索を続けた。遭遇するゴブリンの数は1匹から2匹までしか出ない。問題は冒険者と遭遇する時に警戒させてしまうことだ。
危うくスライムたちを攻撃した冒険者パーティーをスライムたちが排除しようとした時は焦ってしまった。
そんな事もありながら洞穴を進んで三階層までたどり着き、探索をしていると三階層からは罠が仕掛けられていた。
幸いなことに罠に引っ掛かったのは前方を移動していたスライムの1匹。しかも仕掛けられていた罠は壁から矢が放たれる罠だ。
本来なら人が引っ掛かる罠の為、スライムには矢が刺さらずに壁にぶつかって地面に落ちる。
でもここからは罠が仕掛けられているからこそ、より慎重に移動していく必要があるだろう。
「そうだ。リム、その罠を捕食することはできる?」
『やれると思うよ!みんな。罠を食べるよ!!』
罠が仕掛けられていた場所にスライムたちが集まると、リムも含めてスライムたちは仕掛けられていた罠を捕食し始める。
「食べられた?」
『うん!』
それならこれからは罠を見つけたらスライムたちに仕掛けられていた罠を捕食して貰おう。
罠の捕食が可能なことが分かっても探索は続いていく。遭遇するゴブリンの数が3匹から5匹に変わっているが問題なく進めている。
棍棒を振り回す程度のゴブリンでは今のスライムたちに勝つことはない。それに離れた場所にいるスライムたちへとゴブリンは向かうからこそ、僕が安全に矢を放って倒す事も出来ている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます