第28話

 朝食後にスライムプラント系のスライムたちが生成してくれた植物を父さんに渡した僕は練兵場に来ていた。


 今日は昨日新しく召喚することが可能になったスライムプラントフラワー、スライムプラントルート、スライムビーストウルフ、スライムビーストラビット、スライムビーストラット、スライムビーストディア、スライムビーストボアの能力を確認する。


 姉さんがいた時と同じ内容は出来ないがそれでもそれに近い内容で確認して行った結果分かったのはスライムビーストよりもスライムビースト系のスライムたちの方が要所要所で強いと言うことだ。


 まあそれはスライムプラントとスライムプラント系スライムたちにも言えることだが、今後はスライムビーストは他のスライムビースト系スライムたちと組み合わせて使うのが良いかも知れない。


 それぞれの強みを活かすのに役に立ってくれることをスライムビーストには期待したいところだ。


 新しく加わったスライムたちの能力を確かめたあとはいつも通りの訓練を行なう。


 いつもお腹を空かしているグラトンスライムや戦力にならないベイビースライムを除いて、他のスライムたちを召喚することが出来る限界まで召喚する。


 「増えたな。」


 まだまだ自分の魔力が増えるのには呆れてしまうが、魔力が増えれば増えるほどにスライムを召喚する数も増えるので、これはこれで僕の強みなのだろう。


 それに僕の体内で煮詰まったかのように濃かった魔力も既に身体を痛め付ける事もないくらい魔力の濃度も薄まって、これからは余程のことがない限りは再び病気にはならないはずだ。


 「じゃあみんなそれぞれ分かれてくれ。」


 僕がそう言うと一斉にプルプルッと身体を震わせたスライムたちがそれぞれ同じ数と種類で左右に分かれていく。


 「じゃあリムは右な。」


 『うん!マスターも頑張ってね!』


 「頑張るよ。」


 そして俺とリムもそれぞれ左右に分かれてスライムたちの一団の中に入っていく。


 「それじゃあ始めるぞ!!…………開始だ!!!」


 大きな声を出してスライムたち全てに聞こえたのを一斉にプルプルと動く動作で確認した俺はスライム合戦の始まりを告げた。


 スライム左右に分かれたスライムたちはスライム合戦の合図と共に動き出す。


 僕も少なくなった魔力でスライムを召喚する。召喚するスライムはボウスライムとアロースライムだ。


 「ボウスライムは弓の形に変形だ。アロースライムは身体の一部を矢に変形してくれ。」


 プルプルと身体を震わせた手に持ったボウスライムが弓の形に変形すると、僕は足元で待機しているアロースライムから自分の身体の一部を矢に変形させた矢を受け取って弓につがえた。


 引き絞った弓から矢が射られると相手のスライムの1匹に突き刺さる。流石に核を狙い撃ちした訳ではない為、この一撃で命中したスライムは倒れないが、矢に変形したアロースライムの身体の一部が攻撃を開始する。


 それを視覚で確認することは命中したスライムが他のスライムに紛れてしまったせいで見られないが、僕は次弾の矢をアロースライムから受け取って射っていく。


 そして前線ではスライム同士のぶつかり合いが起こっていた。近接戦闘が得意なスライムたちがお互いを攻撃して傷付いる。


 そしてそんな前線のスライムたちを援護するようにお互いから遠距離攻撃が行なわれた。


 僕もそれに混じって矢を射っていくが、等々アロースライムが矢を出さないほどに小さくなってしまった。


 流石にこのアロースライムだともう矢の用意は出来ないと、最後にアロースライム自身を矢に変えさせて矢を放った。


 そして僕は新しいアロースライムを5匹召喚すると、すぐにアロースライムたちに矢を作るように指示を出して、とにかくアロースライムたちが矢を作れなくなるまで弓を何度も何度も引いて放っていく。

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