第6話

 マジックバックの中から最初に取り出したのは火石と呼ばれる火属性の素材だった。


 「リム、これを食べられる?」


 『食べられるよ!ちょうだいマスター!』


 「はいどうぞ、リム。」


 マジックバックから取り出した火石をリムに手渡すとリムは身体から伸ばした触手で火石を掴むとプルプルの身体の中に火石を取り込んだ。


 取り込んだ火石を消化しているのか白く半透明な身体の中にある火石の大きさが小さくなっていくのが見え、そして完全に火石を取り込んだのを確認した。


 「どうだ?召喚できるスライムは増えたのか、カナタ。」


 「確認してみる、父さん。」


 【スライム召喚】のギフトへと意識を向けて召喚可能なリストを思い浮かべる。


召喚リスト

オリジンスライム(リム)

ベイビースライム

スライム


 召喚リストを確認すると増えてはいるが火石を食べた結果増えたとは思えないベイビースライムが通常成長したと思われるスライムが増えているだけだった。


 「増えてたけどスライムだけだったよ。火石を食べたから増えたんじゃないと思う。」


 「そうか、まだ火石はあるはずだ。もっと食べさせれば増えるかもな。」


 確かに火石が一つじゃなくてもっとたくさん食べさせれば召喚リストの召喚可能なスライムも増えると思う。


 「うん、もっとあげてみるよ。リム、まだまだ食べられる?」


 『うん!食べられるよ、マスター!でもボクだけじゃ時間が掛かるから他のスライムも召喚してね!そうすればもっと早く食べられるよ!』


 リムだけじゃなくリムの分裂体でもある他の召喚スライムにも食べさせればもっと短時間で火石の数も減らせると納得した僕は新しく召喚可能になったスライムを十匹召喚する。


 マジックバックの中から火石を取り出して一匹ずつ一つの火石を渡していく。それでもまだまだある火石に両親や姉さんにも手伝って貰い、更にスライムを召喚してマジックバックの中の火石を全てスライムたちとリムに食べさせて召喚リストを確認した。


 「あった!新しいスライムが追加された!!」


召喚リスト

オリジンスライム(リム)

ベイビースライム

スライム

ファイアスライム


 百以上あった火石を全てリムとスライムたちに食べさせた甲斐もあり新しくファイアスライムが追加されていた。


 「カナタ、そのマジックバックにはまだ属性石がある。みんなで協力してスライムたちへ食べさせよう。執事やメイドも呼ぶからスライムの数を増やしてくれるか?」


 「うん!」


 父さんがマジックバック内にある素材を取り出し、母さんと姉さんに執事やメイドたちが仕分けしている間に僕は食堂で召喚可能な限界の数までスライムを召喚していく。


 そうして準備が終わって家族や執事やメイドたちにも手伝って貰い、リムやスライムたちへとマジックバックの素材を食べさせた。


 その結果かなりのスライム種が召喚可能になった。


召喚リスト

オリジンスライム(リム)

ベイビースライム

スライム

ファイアスライム

ウォータースライム

アーススライム

ウィンドスライム

ライトスライム

ダークスライム

サンダースライム

アイススライム


 一つ目のマジックバックの中の素材を全て食べさせた結果増えたのは属性系のスライム種ばかりだ。


 だが、一匹あたりの召喚に必要な魔力量はベイビースライムやスライムよりも多い為、この属性系スライムたちのお陰で体内魔力の消費にも役立つだろう。


 「みんな協力してくれてありがとう。たくさんの種類のスライムが召喚できるようになったよ。父さん、残りのマジックバックの中に入っているのをリムに上げるのは明日でも大丈夫?今日は色々あったから疲れちゃったよ。」


 「そうか、だが生ものがあるマジックバックがあるからな。それだけは今日中にどうにかした方が良いだろう。みんなでやればそれほど時間も掛からない。カナタ、もう少し頑張りなさい。」


 「うん。」

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