インナーチェンジ

天川裕司

インナーチェンジ

タイトル:インナーチェンジ


私は夜の店で働いていた。

そして昼間はアッチ関係の仕事もよくしていた。

私は結婚している。

息子が1人いて、旦那はすでに他界。


その息子がある日ビデオ屋で、

「あ、お母さんがいる」

と18禁のビデオコーナーで私を見つけた。


「そんなの見ちゃいけません!」

と叱ってまもなくした後、

息子は学校帰りに交通事故に遭って亡くなった。


私は自暴自棄になり、生活はますます荒れた。

アッチ関係の仕事に精を出し、

息子と2人の生活費のためにと精一杯働いていたあの頃より

もっと「ただ大金持ちになろう」と

それだけを夢見て仕事を続けた。


派遣の形で男の人の所に何度も行く私。

でもある日から、少し奇妙な事が起き始めたのだ。


いつものように派遣されて、

男の人と一緒にホテルへ行った時。

ただホテルに入ってその人は何もせず、


男「これ…」

と言ってお金だけを私に手渡し

そのまま部屋を出て行った。

結構な大金だった。


普通ならこんな事ないのに、と

まだ他の男の人の所へ派遣され、

その仕事を繰り返してた私。


でも又あの人が私を指名し私の前に現れ、

「これ」と言ってお金を手渡し、

その場を去っていく。


そのうち私はその人のことが気になり出した。

「あの人ってどういう人なんだろ」

その思いで結局私は店をやめ、

それから真っ当な生活をし始めていた。


でもまた生活苦になり、やはり私はあの道へ…


「私に普通の生活なんてもう無理なんだわ」

と思っていた矢先、

また私を指名して、お金だけを手渡してくる

不思議な人に出会った。

前の人とは別人。


「あの、ちょっと待って!これどう言う事?」

それまで積もり積もった疑問や

思っていた事を全部その人に打ち明けた。

するとその人は…


男「それだけあればきっとその先もやっていけるだろ?もうそう言う道から足を洗いなよ」


男「…でもお金が無いからその道へ踏み込むってのは間違いなんだよ。お金があっても無くても関係ない」


男「それに子供のせいにするのも良くない。綺麗事に聞こえるって人も多いけど、それもただ自分が綺麗事にしてるだけ」


男「罪から解放されるにはね、内側から変えられる必要があるんだ。インナーチェンジ…」


「インナーチェンジ…?」


その時はよくわからなかったが、

次第にわかった気がした。


私はその人と結婚して息子を儲けた。

その息子はやっぱりあの子に似ている気がした。


でも夫はある日、急に姿を消した。

警察がいくら探しても、何の手がかりも得られない。

行方不明のまま、今まで来ている。


あれから私は引っ越し、一軒家に住むようになった。

息子と2人で今は平穏な日々。

でも隣に引っ越してきた裕子さんは、

大豪邸に住み、私より裕福なのにかかわらず、

あの道へずっと邁進していたようだ。


近所付き合いで、私はその裕子さんとも友達。

「あの人も、インナーチェンジが必要よね…」

内側から変えられる事。


でもまだ、今あの人にその事を話しても通用しないと思い、

私みたいにあの人が自ら教えられる事、

気づかされる事、それを待っている日々。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=ih3LlEMvcDQ

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インナーチェンジ 天川裕司 @tenkawayuji

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