第11話
月曜日の三限目は体育の授業だ。
「よ~し。準備運動するぞ~。お前ら、ペア組め~」
体育の授業の初めは必ず準備運動がある。
いつもなら俺は余り者(クラス人数が奇数のため)になって体育の先生とペアを組むのだが、今日はそんなことにはならなそうだった。
なぜなら、天内と泉原が同時に声をかけてきたからだ。
「神崎さん。一緒に準備運動をしませんか?」
「かい様! 一緒に準備運動をしましょう!」
クラスメイトの中には男女でペアを組んでいる人たちもいるので、男女でペアを組むこと自体は何もおかしい事ではないのだが、いつも女子とペアを組んでいるこの二人はクラスが余り者の陰キャぼっちの俺とペアを組もうとしているこの光景はクラスメイトに異様な感じに見えているだろう。
「先生。いつも通り僕と準備運動お願いします」
俺は二人の間を素通りして体育の先生に声をかけた。
「神崎。お前なぁ~。せっかく天内と泉原が声をかけてくれてるんだから、一緒に準備運動しろよ~」
体育の先生は俺のことを突き放した。
「かい様! なんで逃げるんですか!? 一緒に準備運動をしましょうよ!」
「そうですよ。一緒に準備運動をしましょう」
天内と泉原が迫って来た。
「モテモテだなぁ~。神崎! 二人と一緒に準備運動しろよ!」
体育の先生は俺の背中をバシバシと叩くと他のクラスメイトのところへと向かって行った。
取り残された俺はこの場から逃げようとしたが、無理だった。
天内と泉原に逃げられないようにがっしりと肩を掴まれた。
「かい様。もう逃がしませんよ?」
「神崎さん。私たちと一緒に準備運動をしましょう」
逃げても追いかけてきそうな勢いだったので俺は諦めることにした。
「分かったよ。じゃあ、一緒に準備運動するか」
「はい!」
「しましょう!」
早速俺たちは準備運動を始めた。
まずは側屈をした。
俺は二人の対面にいるのだが、目のやり場に困って仕方がなかった。
ただでさえ、体操服姿ということで目のやり場に困っていたのに二人が側屈をしている姿は、なんというかエロかった。
薄っすらと体操服の下のブラジャーが見えているし、側屈をする度にチラッと見える脇もエロい。
俺は極力二人のことを見ないように側屈をした。
見ていたら我慢できなくなりそうだったから。
側屈の次は屈伸。
屈伸は屈伸で目のやり場に困った。
なぜなら、二人が屈伸をする度に豊満なおっぱいが揺れているから。
二人の体操服の下に隠れている豊満なおっぱいをおそらく俺だけが揉んだことがあるし、舐めたがあるし、吸ったことがある。
そう思うとなんだか優越感。
「かい様。見たいなら、遠慮せずに見てもいいんですよ? かい様にだったらいくらでも見ていいんですよ♡」
俺がおっぱいを見ていることに気がついてのか、泉原は俺の目の前まで近づいてくると、屈伸をして、わざとおっぱいを揺らして誘惑してきた。
「神崎さん。私のおっぱいも遠慮せずに見てくれていいんですよ?」
天内までもがそんなことを言ってきた。
ちょうど俺の背中で二人のことは他のクラスメイト(男子)に見られていないとはいえ、この状況はヤバすぎる。
こんな状況を見られたら最後、俺は学校にはいられなくなってしまうだろう。
「こんなところでそんなことをするなよ」
「かい様が見たいかなって思って」
「そうですよ。チラチラと見るくらいなら、しっかりと見てくれていいんですよ?」
どうやら俺が二人のおっぱいをチラチラと見ていたことはバレていたらしい。
それにしても、朝の二人の雰囲気と、今の二人の雰囲気が全く違うように感じるのは気のせいだろうか。
朝の二人の雰囲気はお互い警戒し合っているようだったが、今の二人の雰囲気はまるで友達にでもなったかのよう距離感だった。
「と、とにかく、誰もいないならまだしも、クラスメイトがいるところでそんなことをするな」
「そんなことと言われましても、私たちはただ屈伸をしているだけですよ?」
「だよねぇ~。私たちは準備運動をしているだけですよ? かい様♡」
そう言われてしまっては俺は何も言えなかった。
二人の言う通り、二人はただ準備運動をしているだけなのだから。
その後の準備運動でも二人は俺のことを誘惑してきた。
☆☆☆
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