第33話 父と兄のその後…
私は、父に本当に別れたことを話した。
父は「そうか…」と言いながら喜んでいるようだった。
その頃、父とは別々に住んでいた兄と兄嫁にも話をした。
兄が家を増築すると家に戻ってから、父は寂しそうだった…
父は、夕ご飯の時に晩酌をするのだが、長い時間をかけてチビチビ飲む。
だから、兄家族は夕ご飯を食べたら、すぐに部屋に行ってしまう。
私は、たまに行くだけだから父に付き合って色々な話をしていた。
確かに、毎日付き合うのはキツイと思う。
でも、兄達は気付いてないかもしれないが、父を邪見にするような態度が
あるのではないか…と私は思っていた。
私が家にいる頃、散々兄嫁の悪い所を父に訴えていたが、信じて貰えず…
父は定年退職して、家にいるようになって兄嫁の意地の悪さに気付いた…
父があげた食べ物は食べようとせず、ずっと冷蔵庫の中にあったり
でも、他人から貰った物はすぐ食べる。
兄嫁は外面は良いのだが父と私には、意地悪だった。
父は、退職後も付き合い上手で外に出ることも多かった。
そんな中で、よく行く店の女の人と仲良くなって…
その人を家に連れて来て、一緒に住むと言い出した。
兄は驚いたが、あの家は父の物だし承諾して、一緒に住みだした。
その人が家に来た時も、お互いに挨拶しなかったとか色々あったけれど…
家事を別々にしたり、試行錯誤して生活をしていた。
その後、兄が困って父に相談をして来た。
競馬で、すごい借金がかさんで大変なことになってると…
増築した借金もある。それを足したら1千万以上だった。
父は考えて…家を売る決断をした。
いつも、そうだ…
兄が借金をして困ると父が何とかする。
私も何かと父に頼っていたから人の事は言えないが…額が違う。
でも、仕方なかった…
父は家を売り、彼女と中古のマンションへ
兄は賃貸の家を借りた。
父の友達が、家を売ったお金を妹にあげないのはおかしいと言ってくれたらしく…
私も、その時に残っていた借金を返すことにして150万貰った。
兄は、結局…また、借金をして
どうにもならなくなってから兄嫁に相談したらしく…
私の所に、兄嫁が相談に来た。
その頃は、お互いに腹では何か思っていても遊びに行ったり、表向きは仲良くしていたから…
私は以前、元夫の裁判でお世話になった弁護士さんを紹介することにした。
私自身も、友達も債務整理でお世話になっていたから
私も兄と一緒に弁護士さんに会いに行った。
その時に、初めて兄の借金の話を本人から聞いて驚いた…
借金先が17件もあったからだ…
弁護士さんの判断は自己破産だった。
自己破産は大変だったけど返済や取り立てに怯えていた兄はホッとしたようだった。
結局、私も手助けをしてしまったけど…
私も色々と迷惑をかけていたから…
でも、また誰かに助けられて兄の為になったのかどうかは分からない。
兄の借金問題が済んだ後…
次は、甥っ子が骨肉腫で入院した。
1年に及ぶ入院生活…
甥っ子は、手術はしたが切断などはなく悪い所を取るだけで済んだ。
走ることは出来ないが
多少のハンデはあるけれど歩けるようになった。
中3だった甥っ子は、院内学級に通い高校受験も無事、合格して退院した。
周りでも色々なことが起きている。
私の別れなんて…大した事がないように思えた。
私は、前に向かっていくと決めていた。
「あの人」に会うまで、もう少し…
忠実に生きるのみ…
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