第17話 再会

元夫は、身元引受人もなかったので出所して保護会にいた。

「荷物を取りにいきたい。話がしたい」

と言われた。

保護会は、ここからバスで4時間かかる。

元夫は、4時間かけて会いに来た。

荷物を渡すと

「年下の男とはどうなった?」と聞いて来たので

「別れた」と言った。

すると「もう一度、やり直さないか」と言われた。

私は「すぐ返事はできない。考えさせてほしい」と伝えた。


本当なら、やり直す気はないと言いたかったのはやまやまだったが…

その頃、私の叔母が兄に

「ゆうこに家をとられるぞ」と言ったらしく…

兄は急に、父に

「家に帰らせてほしい。狭いから家を増築する」と言って来ていた。

その話をしに来た日、兄嫁は私に

「一緒に住んでも、仕事の時は子どもの面倒見るけど遊びに行く時は絶対に見ないから」と言った。

私は、絶対に一緒に住みたくないと思った。


それで、元夫のやり直さないかという言葉に乗ってしまったのだ…

今回の人生も、同じ道をいくしかないよな…

考えたって、結論は同じだ…

これからまだ辛い人生が待っていても

私は「あの人」に会うために

我慢すると誓ったのだから…

私は、元夫とやり直すと決めた。


元夫は、4時間かけて会いに来た。

そしてまた4時間かけて保護会に戻る。

私は、実家の近くに家を借りて長男と一緒に暮らし始めた。

そして、それからしばらくして満期を迎えた元夫と、また一緒に暮らし始めた。


私は、仕事を続け元夫も友達の所で仕事を始めた。

元夫は、最初はいつも真面目に頑張る。

だけど、いつも少しずつ崩れていく。

それでも1年くらいは頑張った…


元夫は、やはり仕事を休みがちになっていった。

そして、結局仕事に行かなくなった。

いつものことだ。

私は、結局疑い、鞄の中を見たりしていた。

覚せい剤は、放っておかない…

強い意志がないと止めることは出来ないのだろう。

そのうち、家に帰らない日も出てきた。

元夫は、女遊びはしなかった。

でもいつからか、私も知っている

元夫の友達の奥さんに何かを頼まれたと言いながら、そこに行っていたようだ。


ある日、夜中に大喧嘩をして離婚すると言った。

翌日、目が覚めると元夫が、すごい大きないびきをかいている。

そばには、睡眠薬が空になった袋が大量にある。

焦った私は、救急車を呼んだ。

すると、かかりつけの医師にも連絡して欲しいと言われた。

私は、かかりつけの医師に連絡した。

先生が

「救急車で病院に寄って欲しい、看護師を一緒に行かせる」と言ってくれた。


処置をしてもらい落ち着いた後

長男は実家にお願いして救急病院に泊まった。

元夫は目を覚まさなかったが

ベッドで暴れまわるので、縛られた。


翌日、元夫が目を覚ました時は

安心したが…

それと同時に

元夫を放っておけない…

離婚すると言ったら本当に何をするか分からない…と思った。


それからも、元夫の行動は

どんどん酷くなっていく…

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