第6話勝負

翌朝。

これまたシーターの父親以外の家族からもの凄い応援を受けた。

歓迎されないよりはマシだけどこれはこれで居心地が悪い。

応援を愛想笑いをしながら対応していると時間が過ぎ、ついにその時が来た。


この世界でも前世の技を使えるのは確認済みなので危なければ使うことは出来る。

しかし、威力を抑えるのは難しく出来ない為技は使えないと考えた方が良い。

そういえば魔法も使えるようになっているんだっけ?

まだ使ってないから分からないな。

ラノベとかでは普通初めに魔法を撃ってみるというシーンが有りがちだが、俺は俺は二度目の異世界。

ケルバイアス(一度目の異世界)でも魔法は使わなかったというか教えて貰う機会が無かったのでやろうともしなかった。

剣の修業で忙しくてそこから人と関わらないようにしていたから魔法が本当に有ったのかも知らない。

あれ?そういえば魔王が使ってたっけ。

必死に戦ってたからか記憶が曖昧だ。


脱線してきたので話を戻そう。

中庭でやるらしくシーターの父親は剣を携え待っている。

もちろん木剣だ。

俺も用意された木剣を持ちその前に立つ。

「まだ名乗ってなかったな。俺はガイズド。村では一番の剣士だと言われている」

「僕はレイです。お願いします」

審判は昨日家にいなかった人がすることになっていた。

不正が無いようにかな?


「両者準備は良いな?……………始め!」

審判が合図を出す。

俺は一旦様子見をすることにした。

この世界の剣技がどのようなものなのか興味があるからだ。

前世で剣技を覚えていった事でなんか剣技オタクになってしまっているのは気のせいであって欲しい。


しばらく両者とも動かなかったがついにガイズドが動き出す。

力強く前へ踏み込み素早くレイの前へ。

そして力強い一撃。

それを剣で受け流し反撃のチャンスを探る。

すると見え見えの隙があった。

流石に怪しかったため攻撃を控えるとガイズドは悔しそうな顔になった。

多分罠だったのだろう。


それから数分。

見ていたがこの世界には流派がないのかも知れない。

動きに流派を治めている者特有の統一性が無い。

あまり良い剣技が見られそうも無かった為決めににかかる。

剣を受け止める動作を見せつつ回避し相手の大振りを誘う。

そしてその隙に首元に剣を向けた。

「降参だ」

「勝者レイ」

降参の宣言の後審判が宣言したことで俺は無事勝利した。

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