出逢い
「空港からイカという都市まで、15時間以上もかかる。私たちは、何回か休憩を取りながら、たどり着くんだろう」
「800km以上あるのかよ。日本でいうどこからどこまで?」
「調べてみたら、東京から広島、もしくは福岡から伊豆だそうだ」
「めっちゃ遠いな!ペルーが広いんだろうか」
「これまた調べてみたが、ペルーの面積は日本の3.4倍」
予定の車がやってきた。車の扉は勝手に開いた。
「よろしく頼みますぜ」
およそ20時間後。やっと、織沢信景の研究室に着いた。
「着きましたよ。あれ?」
2人は爆睡していたのだ。運転手は自分の席から降りた。
「お2人さん、織沢信景氏の研究室に着きましたよ」
「今、現地時間何時すか?」
「8:30です」
「空港に着いたのが、昨日の正午、現地時間で。ほかの人たちは寝てたのに、私たちだけ起きてしゃべってたから、眠くなったんだろう」
2人は代金を払って、車の外で大きく伸びをした。
「さて、織沢信景とあいまみえることとするか」
織沢信景は研究室にいた。そこには、メガロドンとリヴァイアサン・メルビレイの化石が展示されていた。
「私はこう思うのです。この両者は、戦国時代でいう川中島の戦いの両者と同じようなポジションにいたのだと。それゆえ、甲田信次さんと越海景満さんをここに招きました」
2人はのこのことそこにやってきた。人々はざわついた。
「あの戦国史研究で有名な研究者コンビがここに!?」
「私が説明しましょう。信景氏の言う通り、メガロドンとリヴァイアサン・メルビレイは宿敵だった。しかし戦国時代でも、同じようなライバルがいた。そのライバルこそが、武田信玄公と上杉謙信公なのだと言いたいのです」
甲田信次は何も説明できなかった。景満の説明に拍手が沸き起こった。
「もっと化石を持ってきます。より多くの人が、間近で化石を見られるように」
そう言って、織沢信景は研究室の奥のほうへ行ってしまった。
「どこかしら。たくさんあったはずなのに」
そこから、誰かの声がする。
「余を助けてくれないか?」
「誰?私に話しかけるのは」
「こちらだ」
信景は声が聞こえる方を向いた。そこには光を出す穴があった。信景はその穴に吸い込まれてしまった。
一時間後。信景は戻ってこない。
「ちょいと俺たちが、確認しに行きます」
「気をつけて!」
2人は駆け足で行った。
「光を出す変な穴がある。ここに吸い込まれたに違いない」
「私たちも入るとするか」
2人は飛び込んだ。
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