ゴミ捨て場事件の攻略
ぜろ
第1話
「ああ、まーたゴミあったー」
はあっと溜息を吐いて朝の食事を終えてからゴミ捨てに行った母が言うのに、ダイニングテーブルでスピードをやっていたあたしと
「毎度資源ごみを燃えるゴミの所に捨てる人がいるのよねぇ……町内会入ってないとゴミ捨て場は使っちゃいけないことになってるんだけど、それにしても普通のごみをこっそり捨てるだけにして欲しいわー。資源ごみは分別して欲しい……洗ってなくて出せないのもあるし」
「そんなにしょっちゅうなんですか?
「火金の燃えるゴミの日は結構な確率であるわね。ご近所の係の人がいつも片付けにぼやいてるの。ペットボトルも瓶もしっちゃかめっちゃかだから」
「それは良くないですね……」
「今日の会議で議題に出さないと」
「あの、それって僕達も行って良いやつですか?」
「ん?」
達って何だ慧天。と問うまでもない、握られた手である。小学校も三年生、まだあたしと慧天に身長差はさほどない。やっと早生まれが追い付いてきたところだ。
じーっと慧天を見るお母さんは、にひっと笑ってサムズアップして見せる。
「良いわよ、ただしお母さんと一緒に来てね。今月の資源ごみ係は慧天ママだから、他人事じゃないだろうし」
「お母さんはすぐ慧天の言うこと聞いちゃうー。まあ良いや、慧天、お母さん、そろそろ行こ。遅刻しちゃうよ」
「わっほんと! じゃあ一緒に行きましょうか、二人とも!」
ばたばた走る母に手を引かれ、あたしは慧天の手を掴んだ。
何企んでるんだ、まったく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます