第2話 覚悟

少年は死んだ。


けれど目覚めたのは地獄でも天国でもなく。


見えたのは歯車、錆びた鉄。


その我楽多の上に、彼がいた。


彼は問うた「此れを録るか」


少年は答える、「録ればどうなる」


彼の者曰く、「どうなるかは自分で確かめろ」と


少年は錆鉄を抜き取る。


彼も合わせて錆鉄を抜き取る。


鳴るは、1合。 


続きに2合、更に3合。


火花と欠けた錆鉄が散る。


一閃、また一閃。


そして、少年の剣が彼の錆鉄を砕き折る。


少年の持ったいた錆鉄は、剣に変る。


歯車が、錆ひ鉄が消え去る。


そしてノイズと共に現るるは、記憶の大地。


あらゆる神話、英傑、蛮勇を内包し、顕現す


彼は笑ふ。「録ったな」


少年は言ふ「なんとかな」


大地が決壊する。


彼言う「そろそろ帰る時だ」と


少年思ふ。お前は何者か、と


最後に、彼は叫ぶ。「いつも見ている」と


かくして、少年は生き返った。


身体を見やれば、左腕が違っていた。


「これは……」少年は記憶を振り返る。


そうだ、と少年は思ふ。


その左腕はーー




またこれも、後に成る物語。


だが、今では誰も知らぬ物語。


ただ、私だけが知っている。






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