お風呂に入れられた
女湯へと連れ去られた。
あまりの驚きに、眠気や疲れが一気に吹き飛んだ。
脱衣所だ。
幸いというべきか、リースの他には誰もいないようだ。
「なっ!!」
リースが何の躊躇をすることもなく、着ている服を脱ぎだす。
黒色のレースの下着は、完全に大人が着るやつだ。
駄目だろ、そんないやらしい下着を身に着けては。
「ん?」
目が合う
不味い、見ていたのがバレたかもしれない。
咄嗟に目を逸らす。
「もしかして、お姉さんの前で裸になるの、恥ずかしい?」
目を逸らしたまま、一度頷く。
「ちょっと待ってね」
とりあえずバレてない。よかった。
リースが持ってきたのは、細長いタオルだ。
「それで隠していいわよ。お姉さん、あっち向いててあげるから、準備ができたら教えてね」
もう逃げることはできない。
覚悟を決める。
服を脱いで、タオルを巻く。
「あっ……」
目の前には素肌が露わになったリースが。 臀部を見てしまった。
「脱げた? じゃあ行こっか」
手を繋いで、浴場へと一緒に歩く。
気まずすぎる。
流石にリースの姿を見ることができない。
「おいで」
まずは洗い場へ。
リースの隣の椅子に座る。
「ちょっと待っててね」
リースはシャワーからお湯を出し、手に当てて温度を確認している。
オレはこれ以上何も見ないように俯く。
気分は最悪だ。
女湯になんか入るもんじゃない。
気まずいなんてもんじゃない。
リースの裸を見たいなんて欲求は、気まずさや罪悪感、自分の裸を見られたくないという羞恥心に押しつぶされて皆無に等しい。
気がつくとオレは逃げ出していた。
「あっ!! 走ったら駄目よ」
一目散に浴場の出口へ。
扉を開けようとしたそのとき、勝手に扉が開いた。
「ん?」
目の前には素っ裸のサクヤ。
上半身を見る分には健全だ。
「もう、ダメだよぉ走っちゃ」
サクヤに抱っこされ、リースの元へ強制連行される。
「やめてー、放してー」
「だーめ。悪い子には、お仕置きだよぉ」
椅子に座ったサクヤの体の上で腕ごとホールドされ、身動きが取れない。
「ボクが抑えててあげるから、リースちゃんがその間に洗ってあげて」
「はい、わたしに任せてください」
「なっ!!」
目の前にはリース。
完全に違法。
もう目を瞑るしかない。
「体くらい自分で洗えます」
足をバタバタさせて抵抗するも、無意味だ。
「駄目よ、ここのお湯、魔法で冷やさないととっても熱いの」
「大丈夫だよぉ、ボクたちがきれいにしてあげるからね」
そういえば、ここの温泉のシャワーは源泉を魔法で冷やして使う仕組みだった。
「ちょっと体を洗うだけだから、我慢してね」
リースがオレの巻いているタオルに手をかける。
逃げたい。
だが、サクヤに抑えられ身動きが取れない。
文字通り、まな板の上の魚だ。
「ん? 誰がまな板だって?」
「言ってないです」
心の中でしか言ってないのに……おかしい。
「あっ……」
リースにタオルをはぎ取られ、全身を洗われた。
何も見ていない。
何も感じていない。
そう、自分に言い聞かせ、時が経つのを待った。
「背中が洗えてないですね」
「そうだねぇ」
「ボクくんが大人しくしてくれればすぐ終わるんですけどね」
「サクヤさん、そのままボクくんをこっちにください」
「りょーかい」
それは不味い。
「いやー、ちょうどボクも洗ってあげたかったんだよねぇ」
そのまままな板の上のオレは、たわわに実った2つの果実に押し付けられた。
頭がクラクラする。
駄目だ。
そして……立ちくらみでも起こしたかのように一瞬、意識を失った。
「大丈夫? 大丈夫?」
リースの声が聞こえた。
「何が……起こった?」
目を開く。
赤い。
鼻血が、リースの体にかかっていた。
「あっ……」
やってしまった。
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結構際どいので、警告が来たら削除します。
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