天使と悪魔は表裏一体
水鳥川倫理
第1話 私の始まり
私は毎日学校でいじめられている。
それは、もうかなりひどいもの。
でも、なぜ私が、いじめられているのか理由はわからない。
しかも入学してから徐々にひどくなり、気づけば半年が過ぎていた。
最初の頃は、無視されたり暴言を吐かれる程度だったのだが、
半年が経つ頃
かばんや靴はごみ箱に捨てられたり、トイレの便器の中に捨てられたり、
お昼になると自分で作った弁当を食べようとすると
虐めっ子たちがやってきて
「うわぁまずそう。」
と言ってゴミ箱に捨てるのが日常茶飯事。
毎日殴られ、蹴られ、罵詈雑言の嵐
そんなことをされても学校の先生は見て見ぬふり。
家に帰ってきても
母親からも罵詈雑言の嵐。
私が学校であったことを話しても、話を聞かずに、
罵声を浴びせるばかり。
いじめられてると言っても、
「自分で何とかしなさいと一点張り」
一方で父親は仕事のストレスによりアルコール依存症になり入院。
キャバクラに通ったり風俗に出入りなどし、不倫三昧。
しかも、母親と同じく私の話を聞いてくれずに
毎日遊び惚けている。
そんな日々を送っている私の心は完全に疲弊していた。
(ほんと嫌になってしまうよ、、、
小学校の頃や中学の頃はそんなことはなかったのになぁ。
こんな世界なんてなくなればいいのに。
さっさと虐めっ子や親たち死なないかな。
それか私が死ぬか笑。
私はただ、人に、世界に愛されたかっただけなのに、、、)
と嘆く毎日。
それでも私は自殺や人殺しすることでもなくても不登校や引きこもりにはならなかった。
ここで死んだら人生を謳歌することなくつまらない人生になってしまうと考えると
物凄く腹ただしいので復讐の機会を伺っている。
それが私の日常。
私の名前は
身長164cm体重43kgで出るところはそこそこ出ていいて
自分でも中々スタイルが良いと思っている。
学力の方も良く期末試験も大体5位以内には入っている。
他人から見れば可愛い顔をしているのだが、本人はそんなことは思っていない。
そんな私の唯一の楽しみは、カーテンを全部締め切り、
部屋の電気は最小限に暗くし、ベッドの上でごろごろしながら異世界系のラノベを読むこと。
それを読んでいる時に私は、こいう能力を使えたらもしもこんなに可愛くなれたら
もしこのような頭脳明晰で虐めっ子や親を殺せるのになぁと
考えながら読むのが私にとっての唯一の救いだった。
気づいたら夜の9時でそろそろお風呂に入るか。と思い準備をしお風呂に向かおうとした。
あぁこんな能力が使えたらといつものように少し余韻に浸っていると
真っ暗な部屋の空間に一筋の光が現れたまるで夏の夜に輝くホタルのように優しい光に包まれていた。それは、徐々に私に近づき目の前で
ピカッとものすごく明るく発光し急に白銀に輝く正八面体が現れた。
急に謎の現象が起きたことで私は混乱した。
混乱のあまり言葉が詰まって動けなかった。
次の瞬間優しそうな天使のような女性の声で私の心の奥で何かが訴えかけてくる。
「力が欲しくないかい?
君は相当苦しんでいる。
私だったら君を救えるかもしれない。
私と契約して
この天使の力を使って君の思うままにすればいい。
その代わりに私の願いを一つ叶えてほしい。
さぁ。目の前にあるセラフィムに触れて。」
私は少し戸惑い怖かったが、契約の内容を聞く前に今の現状が少しでも良くなるならと思い
とっさに触れてしまった。
すると胸のあたりに徐々にめり込んでいき
私は、ものすごい激痛に襲われた。
(私はこれからどうなるのか。
それより痛い、痛い、ものすごく痛い。)
激痛のあまりに騒ぎそうになったが、
誰にもバレたくない一心で
後悔もあるが復讐のためと思うと我慢できた。
もうすごい痛みのあまりにいつの間にか気絶しており
昨日のことがまるで夢かのようにいつの間にか朝を迎えていた。
私は、昨日のことを慌てて思い出し。
等身大くらいある大きい鏡の前で上裸になり
胸のあたりを確認してみた。
すると、胸のあたりが赤く腫れており、
奥の方でなにかが白銀に光っている。
そして、心臓とは別の鼓動が響きわたっており、
昨日の夜のことが夢ではなかったと改めて感じた。
私はなんてものと契約してしまったのかと懺悔に駆られる一方
これで、復讐ができるという好奇心に満ちていた。
「この力で人は死なないよね?
まぁ死んだっていっか!
私の復讐と思えば、」
とそんなことを考えていたらニヤニヤが止まらなかった。
気づいたら8時を過ぎており、急いで学校に向かう支度をし、学校へと向かった。
学校へ向かう道中に私はこの力はどんなものか試そうと道ですれ違った人に試した。
まず私は、なにから試そうか迷っていると、
セラフィムから発せられた能力で頭の中で様々な能力が私の脳裏をよぎり、
まず始めに催眠術を試そうと思った。
なので偶然すれ違った社会人のお兄さんの目を見て、
「君が向かうべきところは会社ではなく反対の駅だ。」
と命じると私の瞳孔が美しい紫色に光り、
一瞬で催眠術がかかり、その社会人のお兄さんは駅の方へと向かって行った。
催眠術がかかるとかかった人の目は虹彩が5秒くらいの間赤く光ることが分かった。
私はその効果で唖然としたが数秒経ったのち、
「私はこの能力だけでも復讐ができる!」
と歓喜に満ちていた。
そして、地面を何回か蹴り上げるほど嬉しかった。
とてつもなく嬉しかった。
次に脳裏をよぎった時を操る神を使うために「クロノス!」
と心の底からまるで霊力を使うかのように叫ぶと両目が時計の文字盤の形になり、
左手には辞書みたいに分厚い本を持っており、
そこには何時何分誰誰が何をしていてこれからどうすると書かれてた。
右手には旧日本軍の十四年式拳銃に似た拳銃を持ち、
それで人殺しや過去や未来にいけると脳裏をよぎった。
なぜ、ピストルが右手に出現したかはなぞだったが、
そのうち答えがわかるだろうと思いあまり気にしていなかった。
なんの能力がどう使えるのか実験をしていたらいつのまにか学校に着いていた。
学校に着くと案の定6人組のいつものいじめっ子達がやってきていきなり殴られ暴言を吐かれる。
「まぁ私が持っている力があれば簡単に奴隷にしたり殺せるから少しは様子見かな。」
と思っていてもやはりいじめはひどい。
1時間目が終わり2時間目が終わり休み時間に入ると
いじめの主犯の黒ギャルの
いつものことだろうとついていくと
「お前なめた態度とってんじゃねぇ!」
と言いがかりをつけ私は殴られた。
さすがに我慢の限界だと思い、
私は体を起こし直立姿勢にし、相手の目を見つめて
今朝社会人のお兄さんに使った催眠術を使って
「貴様は、この場にて死ね。
私のことを死んで知って知り尽くせ。」
と目を開いて低音の殺意のある感じで言った。
すると私の催眠術にかかった明依の目は赤くひかり、
「わかりました。」と言った。
その確認ができたので私は授業に戻った。その間に明依は学校の屋上へと向かいそこから
高さ5階建てくらいあるところから頭から飛び降りて
地面に倒れた。
授業中にいきなり
「ドーンッッッッッッッ」
と響き渡り、音のする方へとみんなで外へ見に行くと
そこには、血だまりができており、
いじめの主犯格はその場にて死亡が確認された。
すると、他に私をいじめている5人が私のところに駆け寄り、
「結衣! 明依に何したのよ!」
と怒号が飛び、
私は、「あの人は私をいじめている懺悔に駆られて死にました。」
と丁寧に見えて全く丁寧じゃない説明をした。
すると、5人組は明依のところに行き、泣き崩れた。
「「「「「なんで。なんでなのよ。生き返ってよ。」」」」」
と叫んでいた。
私はただいつものお返しをしただけだと思ったが、
さすがに行き過ぎたかとすこし、落ち込んだ。
すると学校から警察に通報が入り、少し前まで一緒にいた私は警察署へと連れてかれた。
警察署では私は、
明依がいつも私をいじめていた証拠を全て出した。
その中に音声、映像、壊された物、
私が今まで殴られたり、蹴られたりしてできたけがを見せ、
5人組に説明した時と同じように、
「あの人は私をいじめている懺悔に駆られて死にました。」
と説明した。
多分警察も気づきはしない。
なぜなら、私がけがをしていて、あの人は死んでできた傷しかないからだ。
仮に私が包丁で刺したり、首を絞めたり、屋上から突き落とした証拠があるなら別だが、
屋上の防犯カメラには明依一人しか映っておらず、私が殺したという証拠がない。
結局、私は証拠不十分で釈放された。
私は気が晴れたと思っていたのだが、
そのいじめの主犯の親が明依が私をいじめていたということを知り、
「あなた、本当に私の娘にいじめられてたの?」
と驚いた顔と声で聴いてきたので、
私は、素直に
「はい、」
と答えた。
すると、私はその親に殴られた。
「うちの娘がそんなことするわけないじゃない!
ほんとはあなたがいじめていて殺したんでしょ!!!
この殺人鬼!」
と周りの人に聞こえるくらい大きな声で罵声を浴びせてきたので、
私は、
(子も子だけど親も親だと呆れてきた。)
そして、ずっとその親は私に罵声を浴びせて暴力を振るってきたので
どうやら警察に通報が入ったらしく
おとなしくその親は、暴行罪で警察に現行犯逮捕された。
これで、はじめて私の肩の荷が少し軽くなった。
18時頃家に帰りテレビを見ていたら、
今日学校であった、屋上から飛び降り自殺したニュースが流れてきた。
私は、少しやり過ぎたかなと思ったが、
まぁ今までやられてきたことのお返しだと思えば、気が楽だった。
そして、いつも通り、スーパーへ買い出しに行き、
ご飯を自分で作って食べた。
ご飯を食べている最中も少し考えてしまったが、
「気にしない、気にしない。」
と心に誓い、お風呂に入り、ドライヤーで髪を乾かして、
自分の部屋へと向かった。
自分の部屋に着くと、異世界系のラノベを読み始めたが、
お昼のことを思い出して、落ち着きが取り戻せず、
慌てていた。
すると昨日の夜、体に取り込んだセラフィムから何かが聞こえてきた。
「ついに初日から人を殺してしまったか。
でも、大丈夫。
君はこれで救われる。もう悩む必要がないんだ。
だから大丈夫安心して。
私が全力でサポートするから。
私たちの契約のためにもね。
だから元気を出して、お願い。」
私は、耳障りだと感じ
「うるさい!これは、私の問題。
私が何とかしないと意味がないの!」
と言い放ちセラフィムから発せられた声を一喝した。
「君が言うなら仕方ないね。
私たちの契約のためにもサポートするところはするから。
これからもよろしくね。」
と言い残し声は消えてしまった。
私は、どうすればいいんだろう。
と悩み。ここ数日、きっと色々ありすぎて
疲れているんだろうと思い。今日は寝た。
天使と悪魔は表裏一体 水鳥川倫理 @mitorikawarinri
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