第8話 宇宙人
「ユミナはフルーツしか食べよらんの?」
余計なことを聞いてくるのは、中森ウララだ。
さすがはどうでもいい理由で地球に転生してきた宇宙人。どうでもいい質問だ。
「そんなところに興味など持つな」
「肉や魚は?」
「耳から入ってきた言葉を理解したまえ」
「お米や野菜は?」
宇宙人に本気を出してもしょうがあるまい。
「まず第一に、私は動物の体の切れ端など食べない」
「くう〜、ハンバーグおいしい!」
黙れ、ミツキ。
「ましてやそれを潰して捏ねて、火で炙ったものなど論外だ」
「フルーツはええのんか?」
「地球上で唯一のまともな食べ物だ」
「じゃあホヤはいけるやろ?海のパイナップルと呼ばれとるけえ」
「離れろ、ホヤから」
少しサービス精神を発揮して答えすぎてしまったとき、ミツキの大暴発する声が耳をつんざいた。
「きゃー、かわいい!」
「声を抑えろ。打ち上げ花火かと思った」
ペットの犬が逃げ出すレベルだ。
「世界一かわいいお弁当を見つけたわ!」
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